GOSICK 第22話

 アブリル、トコトンいやな役を押し付けられているな。
 もうかわいそうなほど。結構好みのタイプなだけに胸が痛む。ん〜、なんだろうね?、ヴィクトリカのほうがめんどくせぇ女のはずなんだが、作者がヴィクトリカに肩入れするってのは、単に文学ひねくれ少女達への応援歌だったりするんだろうか?。アブリルタイプだといわゆる女版(って断りを入れる必要もないんだろうケド)リア充で、いかにも読者層への(たぶんリア充はこの小説を読まない)御贔屓みたいな感じを受けるが。
 いやぁ、今回は情感たっぷりだったねぇ。もう初めっからうるうるであって、先の展開が読めても、こう胸がいっぱいになる感じってのか、そういうのがあってさすがクライマックス寸前といったところだ。二人の蓄積あってこその話運びで、また演出もいゝのだよ。
 っつーか、久城はあいかわらずアホだな。で、アホであってもあぁいうのに女はキュンとキちゃうのかね?。よくよく考えてみると、昔の物語って、こういうのだと男と女が逆転してたりするんだが、女性作家でも性別を逆転させるぐらい、読者層が変貌しちゃってるのか?。ヴィクトリカがヒーローかどうかはちょっと毛色が違っているが、久城のほうはまぎれもなくヒロイン役だワナ。
 さて、1924年クリスマスということだが、1894年日清戦争、1904年日露戦争、1914年WWⅠときて、10年周期で戦争が起こっているって仮想設定で話を作ってるのかな。いや、ヴィクトリカの機転で開戦は避けられたって顛末にするのかもしれないが。が、それにしてもソヴュールでの街の様子を見るにつけ、空虚な愛国心に燃え上がるとか、不況あたりの描写が少ないような気はするので、そうそう戦争って流れでもなさそうなんだがな〜。ホロヴィッツのおっさんの予言があたるか、それとも戦争回避で〆なのか、なんか序盤のもたもたからすると、随分面白くなってきたようなきがするが。