スターシップ・オペレーターズ〈2〉 (電撃文庫)

 実は読了したのが寝る前で、日付は確かに今日ではあった。全?6巻中一番頁数の多い巻で読みにくいのかも?と思ったが、そんなことは全然なかった。自分はラノベだと結構読み飛ばして短時間で構造を掴んで満足しちゃうのだが、やっぱりその癖がなかなか抜けなくて先に先にへと読み進んでしまう。気付いた時には読み返すのだが、熟読からは程遠いだろう。
 さて、この巻はアレイとサンリの告白合戦、艦内格闘技合戦、ステルス艦の攻略からなっている。というか自分はあらすじを書くのが苦手…というか文章全般下手クソなんで、たったこれだけ書いても何のことかはわからないと思う…。が、わかりやすくあらすじを書く気もないのでご容赦願いたい。
 今回熱かったのは、「若さ」に関する語りの部分。なんで候補生は反乱を起こしてまで護衛艦アマテラスを乗っ取って戦闘を始めたのか?という理屈付けだ。若気の至りで、それまでの自分を取り巻く環境をすべて捨て去って、独立運動をするってのは確かに現代の若者には考えられない行動ではある。穿った見方をすれば、スペオペの舞台を作り上げるために、若気の至りですべて済ませてしまうか〜ということも言えるのだが、それではまさしくお話にならないので擱く。
 で、2000年前後ということを考えると、そういやあの頃はITバブルだとか言われてた時期だよな。若者はITと親和性が高く、起業がもてはやされていた時期でもあったような気がする。あの頃は小学生向けのアンケート、なりたい職業の一位に既に公務員がなっていて、まぁ安定志向って風潮もあった筈。で、アマテラスがもと所属していた星の政府も全然頼りにならないって構図はあの頃の日本とほとんど変わりがない。
 で、この作品は若者への応援歌的な要素があるわけで、この巻でやりとりされてた「若さ」も、危険ではあるがよく考えて貫き通せという風になっていたように思う。で、多分これは著者の懐古的要素もあったんかな…昔は無茶をやって楽しかったけど、歳とった現在ではバランスはとれたかもしれないがいろんなしがらみで冒険心が薄れてきた…とかいうのも見えるような気はした。ロードス島戦記自体が実験小説っぽかったもんな。
 で、この作品はアニメとは違って、主人公たちが戦っている戦場とは別に、一般人視点で描かれていたりするんだが、その第二の視点であるマサラの行動が面白い。多分、これアイドルおっかけあたりのオタクが原料なんだろうけど、ネトウヨとは違って、バランスの取れた社会派的描かれ方がされてる。ある意味啓蒙的なのかな。まぁ読んでいてキレイ事とは感じつゝも気持ちがいゝのは事実。
 あ〜、あと、艦長キスカを除くクルーたちの現場的雰囲気に燃える。というかキスカはクズ管理職のメタファーって部分を背負わされて、むしろ気の毒な役回りなんだが、実際の職場の管理職と較べるとまだバランス感覚に優れていて、切実にうらやましいと感じた。いや、現実には無能ですらない管理職っているもんなぁ…ふぅ。