魔法少女まどか★マギカ 第8話

 インキュベータなんて聞いたことがなかったよ。
 結構システムが明かされた回だったな。インキュベータってのが初耳だったんで、ちょっと調べてみたら、事業を応援する者らしい。どうも、巷ではいろんな人に怪しい案件を焚きつけて、初期費用から利益を得たり、上前をハねるアヤシイ人たちらしい。脱サラしてコンビニ経営しろと勧めてがんじがらめにする人なんかが代表例なんだろう。儲かりますよとか、社会貢献できますよとか耳障りのいゝ言葉を囁いて、その甘言に騙された人から搾れるだけ搾り取るって感じなんだろう。虚淵自身か、もしくは知人に、そういって騙された人が身近に居たりしたんだろうか?。
 魔法少女のなれの果てが魔女ってのもちょっと驚きだ。うーん、使い魔が進化して魔女になるんじゃなかったっけ?。いや、さやかの経緯から、魔法少女が魔女になるって過程はすごく納得のいくものではあるんだけど、今まで対戦してきた魔女も、魔法少女が転じてなったものって伏線は示されてなかったから、唐突のように思える。しかし、救いがないな。少女と呼ばれる年齢を過ぎたら、年季が明けて晴れて元に戻るってのでもないんだな。
 うーん、これはしかし意味深だな。なんか中高生向きの作品というよりは、中堅社員までがターゲットのように思える。職業観っていうのかな?、期待に胸膨らませて就職した若者が、如何に壊れていくかって要素のほうが大部分を占めると思うんだよ。前にも虚淵は過去魔法少女モノを視聴していた層に向けての総決算的作品として作ったんじゃないか?と言ったが、そういう部分がひしひしと感じられる。
 まぁ新入社員は自分のやりたいことだの可能性を試すだの、それが社会貢献に繋がるだのといった期待感を胸に就職するわけだ。が、研修期間や馴れの期間を終え、実務に本格的に取り組めば、世の中決してキレイ事で動いているわけでもなく、上司や客先で理不尽な思いをしちゃうわけだよ。特にバブル以降はクレーマーも頻発し、バブル時にはまだそれなりの見返りがあったからよかったようなものゝ、リストラが横行し始める頃には端金でこき使われるようになった。当人としては他人のために尽くしているつもりが、相手にとっては別にそれに恩義を感じることもなく、たゞゝゞひたすらに自分の利益を追い求めるだけ。上司も潰れるのはそいつの勝手とばかりにひたすら客に対して耐えさせ、耐えられなくなったらポイッ。そりゃやってられんよな。
 もう少しまともな職場だと、かつて持っていた理想に見切りをつけ、なんとか折り合いをつけて定常状態に持っていくわけなんだが、それができなかったヤツなんかだと、他人にも苦労を要求したりして内部の敵状態になったりする。そういうのと遭遇するとこれまた大変というか、こちらがやってられない状態になっちまうわけなんだが、これがこなれた社員のメタファーである杏子と、暴走した困ったチャンさやかの対比になるんだろう。なるほどさやかあたりが魔女化するのはよくわかるんだが、そうそう全員が魔女になるわけでもないんだがな…とは思う。
 あと明らかになったのはほむらが時間超越系の魔法を使うということ、そしてまどかとほむらは因縁がありそうだということ。これは後々詳しいことが明かされるんだろう。
 いやはや激情だねぇ。ネットでまど×ほむや杏×さやのイラストが多くなってきたなと思ったら、こういう展開だったのか。まぁそうはいっても、キャラが女だから百合になっちゃってるけど、本来の構図でいうと別にこれは性別はどうでもいゝもんな。おとこのこ向けってのが大枠を決めちゃってるけど、おんなのこ向けとしてはどうなんだろ?。実際にどうかまではわかんないけど、女はBLでも百合でもオッケーだが、男は百合はともかく、こういうアニメ系の作品だとBLとは親和性が低いから、百合構成にしたのは間違いないってことなんだろうか?。魔法少女モノが売りだったから、初めから主要キャラが男って選択肢はなかったわけだが。で、声優の演技が素晴らしい。4人だけでなく、今回は三木眞のホスト役がなかなかにしてハマっていた。現実にこういう会話をするんだったら、もっとサバサバしてそうなもんだが、三木眞の演技だと如何にも不快感を与えるようなネチっこいもので、これには参った。
 うーん、地震関連で全話放映が危ぶまれていたりするんだが、それはともかく、最后どうまとめるんだろう?。ファントム小説版だと、決して明るくはないんだけど救いのない終わり方ではなかったので、いくら虚淵といえども、全くの鬱展開にはしないような気がするんだよね。が、今のところそういう徴候は全く見られないし、いや、別に未来を期待させる終わり方にしなくっても全然構わないのではあるんだけど。