魔法少女まどか★マギカ 第6話

 楽しめる程度の辛さで、結構なことだよな。
 今の世の中、クズ上司に追いつめられて、過労死したり自殺したりするほど辛いことがわんさかあるのにな。鹿目母の助言でソウルジェムを投げ捨てたまどかは、もうちょっとのところでさやかを本当の死に至らしめたかもしんないというおまけつき。でも魔法少女というか契約とは具体的にどういうことか?というのがわかって、結果オーライ。これを機にさやかと杏子も仲良くなれるかもしんないしな。いやいや虚淵ってズるいよな。こういう構図にするなんて。鹿目母のような現場指揮官的格言のあとに、それを裏切るような行動を配置って、悪どい悪どい。とはいえ、突飛な判断をしたのはあくまで裏目まどかで、愚か者のせいで世の中がグダグダになるという構図をまざまざと見せ付けてくれる。
 人間をソウルジェムに換えるってのも壮絶だわな。肉体は魂の入れ物という考え方自体は昔からあったものなんだけど、そうはいっても現実の人間ってのは肉体と魂は一体化しており、分離なんて不可能だろう。それが、魔法少女だと分離可能であって、ことによったら肉体は交換可能であるってのが、また業が深い。戦えばソウルジェムは濁り、でも濁りを除去するためには戦ってグリーフシードを得なければならないという、これまた因業な構造。肉体が他者と繋がる(共感する)インターフェースとすれば、ソウルジェムってのは個人の欲望を抽出したもの…という風にも捉えることが出来、個人の思いというか欲が強ければ強いほど(純粋であるほど)他者を容認できず、戦いというか競争に走らざるを得ない。うーん、このタイミングでポロっと明かすあたりも含めて、こりゃいろいろ考えさせられる。芳文社なかなかやるな。