アニメ最萌トーナメント2011、ついに巴マミに栄冠が。

 ん〜、もうまどマギキャラが圧倒的になったときから大分昂揚感がなくなってはいたのだが、こうして決まってみても特別な感慨はない。実は準決勝で巴マミ鹿目まどかの対戦で、まどかゞ勝つと思っていたのだが、外れたし、なるほど激戦を制したキャラが勝つのは自然だなというぐらいかな。
 正直作品の力なんだろうなという気がするので、あまりキャラの特性に意味は無いのかもと思ってしまう。作品社会がギスギスした現代社会の反映であり、なんとか建て直しをしようとしているキャラ達は、まさしく今仕事なり、仕事でなくても個人個人が置かれている状況でなんとか(自分の仕事など日々の生活に真剣に取り組むことを通じて)しようとしている現実の人間とカブるところは大いにあるだろう。まどマギ主要キャラはよくよく目を凝らしてみれば視聴者本人もしくは周囲にいくらでもいそうではある。もちろん作品内で悪として描かれていた魔女なども周囲にウヨウヨいることだろう。
 そういう事を踏まえて考えて、なぜ巴マミなのか?を思いつきで理屈づけてみると、現実社会では一番力が弱い視聴者(社会に悪をなして成果を上げるような人間はそもそもこういう弱者救済のアニメなんて見ない)に近いのが彼女なのかなと思わなくもない。思えばたった1人決勝トーナメントに残ることが出来なかったほむほむは、実は一番能力が低いという設定だったが、彼女自身がそれを一番自覚しており、状況を見据えて一番絶望的な状況に対して最善な手を尽くし続けていたという意味では一番精神力が強いキャラであったように思う。まどかは一番包容力があり、なんでも受け止めることが出来るという意味では強い。輪廻という設定では彼女も絶望的な状況に耐えていたが、なにしろ全話通じて視聴者に提供される描写はほむほむに支えられたが故の覚醒であり、また神になったがために彼女と視聴者を同一視することが困難になっている。佐倉杏子は戦いには負けておらず、さやかは結局のところ魔女になったから精神的には弱いが、マミと比べると目的に対する思いは強いと言わざるを得ない。巴マミは自分で魔法少女をやっていることに疑問を感じながら、つまり思い切りが悪い状態で仕方なく魔女にならない程度に戦っているわけで、これは生活のために上司や顧客などの理不尽に耐えて嫌な仕事を我慢しながらやっている社会人と重なる。結果が出てからの後付けなんでなんともズるい感じだが、やはり超人的なキャラから早く脱落していっている傾向があるように思う。女も投票しているではあろうが、多分男が大半であり、その男からしてみるとあまり自分より能力が飛びぬけて秀でている女と一緒になりたいか?と言われゝば、敬遠してもおかしくはないだろう。
 と考えてみたところでなんら生産的ではないなと思ってしまう。マミ自身が魔法少女になりたがる少女達のアドヴァイザー的役割を果たしていたから、彼女が他人を支えるといった意味では女性的であり、たしかに萌えキャラとしての資格はある。が、彼女もまた疲れたサラリーマンなどのメタファーであるということを考えると、萌えキャラとはちょっと違うんでネェの?といった印象のほうが強い。首チョンパの話では、それがネタになったものゝ、スグに彼女が同情すべきキャラとしてネットで人気が出たのは、やはり彼女も弱者であるといった証左ではないのか?。で、萌えキャラだろうとそうでなかろうと共感すべきキャラとして定着したのではないかと。就職すら厳しく、また就職できたとしてもブラック企業が多く、また安定した企業であってもパワハラが横行するような現代では、キャラというより作品自体が視聴者の状況をわかってくれ、また励ましてくれるという構造をもっていたゞけに、一番視聴者の立場に近いキャラが共感を持って迎えられたというのは言い過ぎだろうか?。