ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第4話

 ん〜、高性能レンズって、人の感性でどうにかなるもんではなくなっているんだが。
 大学の時の同級生で、カメラ会社でレンズの設計をしてたやつがいて、そいつ談だと、高精度レンズはそもそもガラスを冷やすのに何年だかかけて、それを磨く(要するに削るわけだが)のにこれまた手間を掛けるらしい。磨くのにも摩擦熱でガラスが膨張したりしないように水をかけながららしい。何年もかけて冷やすってのも、保温をしっかりして自然放冷なんてやってないだろうから、これまた大掛かりな設備で温度管理をしながらってことだから、ちょっとばかし大きくてもガラス工房程度でできるものでもないかも。まぁ、そもそも戦車に使うぐらいだから、上記ほどの手間を掛けなくてもいい代物なのかもしれないが。
 なんだっけかな?、もうWWⅡの時代には、ドイツなんかは0.001㍉精度の工業製品(兵器)を工作機器で実現していて、その当時の日本はまさに今回のガラス工房のように職人の手作業で部品をつくっていたらしい。もちろん日本だって、工作機器がなかったわけではないのだが、とにかく精度が悪くて職人の目利きでやったほうがマシってだけのことだったらしい。ただし、欧米では高い精度の部品を機械で大量生産していたわけで、一つ一つの部品を職人の手作りでやってた日本の生産性なんて推して知るべしだよな。そりゃ戦争には負けるわ。
 成分比をカナタの絶対音感を利用して解くってのは面白かった。ガラスがそうだったのかは思い出せないのだが、周波数で特定するって何かであったような気はする。でもピンポイントでってことなら、やはり測定機器を使うべきなんだろうけど、そこまでツッコむのも野暮だわな。っつーか、カナタはラッパの練習のとき、自分が出している音が本来出すべき音とどれくらいずれているかわかっているはずだってことだろ。その音を目指して練習してなかったのか?。
 今回はわりと重たいメッセージが込められていたわな。でもあまり深く立ち入らず、要所を押さえて提示していたようだった。戦災孤児(なんで戦争孤児って単語にしたんだろ?)、技術の利用の仕方、職人魂と、普通に考えると盛りだくさんなのだが、ねちっこい感じも詰め込み過ぎって感じもしなかった。筋道をつけたら、あとは視聴者の考えの流れに任すって方針だったのかな。ちゃんと配置にも流れにも気をつけているようで、見ごたえは十分。