東条英機暗殺計画 (徳間文庫) 読了

 以前、今考えると、福田内閣の時の「大連立」って、大政翼賛会の再現を目論んだものだったんだなと思う次第。 - カタログ落ちというエントリーをあげたのだが、東條英機の酷さを確認するためにも読んでおきたかった。今の職場も東條英機のような管理職がいて、これがまた春の人事異動で昇進するらしいとの噂で持ちきりだ。本自体は暗殺計画はあったものゝ、結局倒閣運動で東條は失脚しましたって結論になっている。でも東條は終戦まで日本国内で責任を問われる事はなかったんだよな。
 現在も日本をダメにした政治家やそれに阿った官僚、もしくは私腹を肥やすために国民を死に追いやった経済界の“戦犯”たちがのうのうと贅沢な暮らしをしている。で、彼らが責任を糾弾されることもなく、もちろん彼ら自身が責任を感じることもなく、これから日本が再生するにしても、その行動の足を引っ張る、重石にしかならない。また先の大戦における敗戦処理のように、責任者が処断されることなく、むしろ荒れ地となった日本において、不正蓄財した金を元手に、今までよりずっと権力を振るったりするのだろうかと思うと暗澹たる気持ちになる。今、まさに終戦直後に権力の座に居座った人間たちがまたゝ過ちを繰り返して惨憺たる状況になっているわけなんだが、これをどうしたらいいもんかね?。
 大企業でも下っ端を馘にして切り捨てて管理職の座に居座っている人間たちが、今も責任を取ることなくふんぞり返っているわけなんだが、これから彼らが退職した時に、自分の職歴をやはりひけらかすのだろうか?。この20年の日本を振り返ると、経済界のトップ連中が日本をダメにしてきたわけで、「大企業の部長をやってました」とか、「大企業でリストラを断行して出世しました」ってのは本人たちにとって自慢かもしれないが、切り捨てられたほうから見ると、彼らは自分で極悪人といっているようなもんだ。もちろんそいつらの子供だって、自分の親が大企業の社長だったとか、重役だったとか自慢するだろうが、それって、末端の労働者の賃金を切り詰めて、本来彼らに払うべき金を盗んで自分が贅沢しただけってことに気付いていない。もちろん良心的な経営者もいるのだろうが、高級官僚・検察・警察関係者はいうに及ばず、マスゴミ関係者を筆頭として、自動車だの電機メーカーだのと枚挙に暇がない。当然こいつらやこいつらの子孫は指導者にすれば同じ過ちを繰り返すだけなのだが、じゃぁどこに人材はいるんだ?ということになる。やっぱ現場なのかね?。
 で、こういう欲に目が眩んで過ちを繰り返した層が退場するのを待ってるだけでは、また先の大戦の東條退陣を待って日本がどん底になった先例を見ると、とても危ない。はやく追ん出すべきだよな。でもそれをするだけの力が現場にはないってのが辛い。