医療現場の憂鬱

 医療のコンビニ化

 「今の医療崩壊の一端でもあるね。今まで医師の献身で支えられていた部分がもう支えきれなくなってる」。T先生が昨夕の当直帯での出来事を話しはじめた。「お腹痛い、ガンかもしれないから検査しろって救急車に乗って来た」「救急車で来るくらい、お腹が痛かったんじゃないの?」「3日前からだって。昼間はお仕事で忙しいから来られないからって。ここの病院は救急車で来た患者を待たせるのかってどなってた」。一同はふ〜っとため息をついた。「さっき院長に呼ばれて事情聴取だよ。あの患者が投書したうえに、電話かけてきたみたい。救急病院として対応がなってない、マスコミに言うってさ。院長びびっちゃって、一体、救急患者を待たせたというのはどういうことだって」

 医療現場での医者のしんどさも大変だわな。飛行機での扱いも、医者がいなけりゃ症状が悪化しただろうに医者を対等な人間とすら思っていないのに加えて、医者はなんの報酬も貰ってないんだよな。医者は無料で患者様の治療をご機嫌取りまで加えてしなきゃならないって傲慢だと思うんだがね。学校でも、また以下に記す接客業でもそうなんだが、消費者の我儘が社会をよりギスギスさせているってことにフタをして、むしろクレーマーの味方をして支持率を上げてきた自民党の罪は重い。