がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 第3話「月曜日じゃ遅すぎる」

 たかちゃんのいいたかったことはそういうことではないと思うんだが。
 あぁ、もちろんまなびが誤解釈(というよりは本質から少しだけずれている)しているのはそういう演出。実は他のサイトさんの感想を読んで、今回の出来はちょっとという色眼鏡で視聴し始めたのだが、そんなことはなかった。まなびが落ち込むという読み取り方を皆さんしていらっしゃったのですが、よくよく観察してみるとあれは考え込んでいるのであって、まなびの頭の中にあんまりダークイメージは占めてないらしい。いや、たしかに素直に視聴するとまなびが落ち込んでいるようにも確かに見える。むしろ落ち込んでいたのはたかちゃんのほうではないかと。いや正確にいうと心配しているといったほうがいいのだが。
 今回はなべてたかちゃん視点で視聴していただきたいのだが、この作品のキモの一つはやはり学園をわくわく楽しいものにしたいというのがあって、冒頭からたかちゃんの憂鬱を描いていたのはそういうことかと。可能性は低いと思うのだが、そもそもドッヂボール大会のチラシを混ぜたのものんびりした顔をして実はコイツなんじゃないの?とも勘繰ってしまう。
 懇親会のときもそうなんだが、ついまなびの取り巻きに目が行ってしまうのだが、よくよくたかちゃんの様子を観察すると、まなびの提案や他の学園の生徒の動向にまどわされず、しっかり観察を決め込んでいる。まぁ環境の違う他校の生徒相手にいきなり好きに話し合えというまなびも能天気ではあるが、あのまゝまなびに提案させつづけても他校の生徒についてこられるはずも無く、具体的な話題を早めに提供してあの場を収めたということなんじゃなかろうか。あわよくばかわり映えのしない自校の文化祭になんらかの示唆を得るためという打算もあって。
 まなびたちの学校訪問では、情報提供をしたたかちゃんはむしろ自分がかえって悪いことをしてしまったと感じていたに違いない。たかちゃんの学校の文化祭をお手本にとみかんが言った時には軽蔑の色を浮かべていたぐらいだし。まぁそうはいってもたかちゃんはかなり気配りの出来るお嬢さんだとは思うが。
 自宅に帰ってから感情が昂ぶっていくまなびの描写はよかった。ノートの表紙に他からの借り物ではない、まなび自身の持っているものを少しずつ書き加え*1ていく様子はなるほどと思ったし、きっと幼いときから捨てられずに取っておいていたであろうお気に入りの小物が入っている机の引出しなんて渾身の画だと思った。自分の都合で仲間を叩き起こすのも極道ではあるが、仲間には一日中付き合わされて成果が得られずすっきりしないまゝであるよりも、自分の思いを伝えてわくわくする気分で眠って気持ちの良い朝を迎えて欲しいという気持ちが清々しいのですよ。さすがに天使姿のまなびが飛びまわったり、打ち上げ花火で心情を描写するのは発想が貧困だと思ったが、今回の不満点はそこぐらい。自分的には今回も脚本の力強さを感じたよ。ドッヂボールの様子も笑えたし。

追記

 キーワードを含む日記巡りをしてみると、案外評価しているサイトさんもあった。いつものufotableの空回りというサイトさんとまなびの挫折を描くのは適切と判断しているサイトさんが多いというところかな。
 難しいとは思うんだが、ドッヂボール大会はまなびのあの破天荒な行動力から生まれたものであって、たかちゃん以外の他校生徒が今まさにそれで楽しんでいたのに、いざ懇親会となると退屈な会議形式にこだわる姿を描くってのが脚本の狙いなんだろうと思う。もちろんいきいきホットラインの塾の話ではないが、手続きだけを淡々とこなしてあがりを目指そうとする現代の子供たちへの批判でもあろうし、商売の新機軸を!とか改革!とか言いながら結局は旧来の方式にこだわって成長の芽を潰してしまう経営層(大人たち)への批判でもあろう。
 夜に仲間を呼び出してまなびが語りだすところの夢描写だが、具体的な案を示して欲しいというサイトさんがあった。まぁスタッフだってそうしたいのだろうが、催し物の具体案を今この時点で見せるわけにはいかないんだと思う。だからといってあの描写が適切だとは私も思わないのだが。
 実は見直してまで感想を書きたいアニメが最近無いよなぁと今朝思ったばっかりだったんですが、この回は見返しちゃいましたよ。

*1:そうすることによってみずから鼓舞している