第11話「リターン・マッチ」その2

 初見から時間も経ち、十分寝たおかげで少しは冷静になれたような気がします。やはり頭を空っぽにして見ていたというのは誉められたものではありませんねぇ。昨日のエントリー後、他のはてなダイアリーを見てみました。
 機関長の死が薄味というのは共通した考えだったのですね。
 セイの退艦は説明が足りないとのことですが、私は毎回繰り返してまで見ていますのでセイの行動が理解できました。確かに一回ずつしか見ない人には彼女の退艦が唐突に思われてもしょうがないとは思います。
 戦術に関する突っ込みは多かったですね。ネタとして面白いのでリサ艦長が自艦のレーダー手よりテレビを信じていたことに関していじってみたいと思います。まず、スターシップ・チャンネルを見ていたことは問題ありません。情報は多いほうがいいし(もちろん受け取り手のレベルにもよります。能力がないのに量だけが多いと混乱するだけですので)、シュウ星域アマテラス追撃戦では王国伝統の勝ち方にこだわっていた人ですから、自分たちの戦いがどう見られているか気になることだからです。リサ艦長が途中までテレビの方を信じていたというのも、間抜けな話ではありますが、ありえない話ではありません。かなり可能性が低いですが潜航艦にも似た能力を身につけ、デコイを用意したとも考えられますし。ただこの場合はリサ艦長はそんな可能性を考えることなく純粋にテレビを信じてしまっていたという描写でしょう。最大戦速から交戦までの時間がかなり短かったように感じます。実際の戦闘にもっと時間があったのならリサ艦長はバカとしか言いようがありませんが、描写されていた時間ぐらいしか本当に考える余裕がなかったのならシノンの作戦勝ちといってもいいような気はします。シュウでの戦闘やマリアナ艦長との会話で彼らの能力がそんなに高くないと描写されているじゃないですか。むしろこの件に関してはエルロイ提督に突っ込めよといいたいです。ライブ中継になったことでなにか策略があるかもしれないと部下が言ってるじゃないですか。戦況ディスプレイでアマテラスがマリアナでなくリサに向かっていることはわかっていることじゃないですか。全体を見て統括する場にいるんだから的確な指示を与えてやれよ。そんな感じです。まぁエルロイ提督も指示はしていますが、時間的に遅かったってことでしょうか。
 あとリサ撃沈の後、回頭しただけでマリアナがアマテラスの射程距離に入っていたことが腑に落ちません。もちろんその後の2隻についても。
 


 そういう風に突っ込もうとすれば突っ込めないわけではありません。しかしいかんせん話数が少ない。主人公たちの苦悩の直後でのカタルシスを描く場なんですから、責めるのはスタッフの負った制約を考えると酷な気がします。視聴者が納得するだけの表現を実現するためにはもっと話数がいることでしょう。「わかっているなら何もいうな、大人なんだろ、事情を察してやれよ」というところでしょうか。繰り返しになりますが、ここは主人公たちが試練を脱却し、事態改善に向かって努力をする場です。努力が実を結ぶ表現として戦闘を有利に進めていくという描き方なんですから、細かいことは抜きに撃沈していくことになったのでしょう。だから私が頭を空っぽにされたように、スタッフはこの回を小気味良くたたみかける表現にするしかなかったんじゃないかと私は考えました。