ミギダリ#13

 大事件後の後日譚。それなりに腑に落ちる結末だったけど、改めのこの作品のテーマが「双子なのに別の人格」だったことに今更驚いた。いやまぁ確かに振り返ってみたら全編そういうテーマで構成されていたんだけど、歳取ったせいか見かけに違いが無いので自分もあまり違いに留意せず「双子のうちのどっちか」程度で眺めていたからその辺はほぼスルー状態で物語の推移を見守っていた次第。
 ドラマ性はあったとはいえ、キャラの葛藤とかはあっても容赦なく物語が進んでいくのでテンポ感はよかったものの、余韻に今一つ欠けるというかあまりイシューに深入りしないのがちょっとあっけない感じ。養父母は滑稽な描写だったんだけど、終わってみたらちゃんと大人の役割を果たしていてその辺は配置が上手かったな。
 個人的な感想としては出来はいい方だとは思うけど、滑稽さが邪魔をしてそれなりにツッコんでくるけど心の奥底でフックしないで次に進んでいくような感覚があってどうにもピンとこなかった。なんつーか、’90年台邦画によくみられた、俳優に滑稽な演技をさせてたあの感じが想起されて、別にあんなことしないでも訴求力があるのにな…と残念臭が漂ってた印象と相似形なので…。ただ、この作品の場合狙ってそうしてるのがわかるんで、それが物語に過剰に感情移入させないようにしてるのか、まじめに作ってしまうと息切れしてしまうとかいろんな理由が考えられて、そういう集大成としてあの結果なのかもしれず、これがベストだという可能性も否定しきれないのでその辺はまぁ。

鴨乃橋#12

 前回からの事件の解決編と2期に続くよEND。いちおう犯人が形ばかりの反論をした後は素直に罪を認めてアレ?と思ったら二段構えの構成で、この物語も段階を踏んで複雑性を増しているというものらしい。この1期の感想ということでは、あまりミステリとしての精度を高めず、テーマとのバランスをとっていたし、全体を包括的に眺められるのでわかりやすく、この手の作品では素直に楽しめた。ただ、2期に移るにあたり、ホームズとモリアーティーの因縁というのが背景にあるようで、個人的にはもうホントにそういう部分は心底どーでもいいのでどうしようかと思ってる。まぁそれなりに楽しめるように作ってあるんだろうから、この1期でこれだけ楽しめたのだから、それなりに2期も楽しめると思うんだけども、ビッグタイトルのネームバリューのふんどしで相撲を取るのはちょっと感心しないなぁと思うけど、結果次第だろうな。

KBS#11

 元指揮者がマトモなことを言う&ITクン再訪の巻。今回よくできてたのは元指揮者の話だとか個人として優しさを投げかけるという部分よりは、主人公?が歌うのを途中でやめたことがメインに上がってたこと。まさしく「諦めたらそこで試合終了」なのであって、途中であきらめるんならなんでコンクールなんぞに出場したのよという話。歌うことが好きなのだったらそれこそダンボーパーティションの中で歌って自己満足に浸ればよいのであり、審査員が途中で間違えたイケメン君でなく、歌えなくなった主人公を問題視してたのも、あー自分が審査員でもそこを気にするなぁという納得感があった。
 1クール目はこれ本当にダイジョーブか?と思うほど作りが雑だったんだけど、ここにきて「一人だけでなく多数で合唱すること」の意味に切れ込んできてるようで、ようやく物語がドライブし始めたかなーという感じ。