Sランク娘#13

 主人公が煙たがられて父親の旧友と戦わされることになったが、父の名を口にした途端戦いが回避されて身内大集合で大団円の巻。最終回、なんかよかったよ…。主人公が貴族相手に啖呵を切る所も大公同様痛快だったし、父との関係性が明らかになって、懐かしさのこみあげてくる@吉野の熱演も最後の大サービスという感じで、こっちもなんだか晴れやかな気持ちになって物語を見終えたのでなんかスッキリ。このエピソードが物語上のミッションを達成したとかそういう〆かたではなかったのだけども、これはこれでいい最終回だった。
 最終回で盛り上がったからなんか気持ちが大きくなっているのだけども、作画もストーリーも悪くはないんだけど、正直なところやはりピンとこない作品ではあった。ただ、親子関係って長い付き合いの中でそう大きな盛り上がりのあるものというワケでもないし、これはこれで正しい描き方とは思う。いうなれば退屈しないサザエさんのような作品で、大きく突き抜けるところはないけど程よくまとまってる作品なんだと思う。

まほよめ2#24

 銀髪娘が祖母を倒して解放されてEND。なにいいハナシでした…で終わってんだよ!って感じ。結局この第2期は主人公が困ってる人と友人になって助けました…というだけであって、ヘルク同様半クールあったら終わる話をなんでこんなに長々と…という感じ。
 まぁ難しいところで、第1期は最後の最後で主人公はとんだ地雷女でした、牛骨は哀れな少女を(自分のためとは言いながら)嫁という名目で引き取って救うつもりが、とんだお荷物を抱え込んだと最後で分かってしまい途方に暮れる…みたいな展開で、釈然としないものはあったけど、これはやられた!というほどの構図の逆転ぶりがよかったわけだが、今期は終始主人公は善玉で、とんだ期待外れだよ…みたいな。ただ、この最終回でエクスキューズされていたようなんだけど、結局この学園編はそういう地雷女である主人公の更生プログラムとして機能してて、主人公に成功体験を積ませるために牛骨はじめ関係者が万全の体制を整えて、学園といういわば何があっても被害はそこで押しとどめられるという安全地帯であたかも主人公が自分で決断して行動したと思いこめるような状況で物事は推移してた…という形にはなっていたので、そのへんちゃんと原作者も考えているんだなということは窺える。
 第一期が主人公の本質をほぼ最後の最後まで隠し通していたから、今期もその形を踏襲するのはわかるといえばわかるんだけど、視聴者としてはもう主人公が迷惑女だというのはわかっているのだから、やはり要所要所で「あ、また主人公やらかした?」と思われるシーンをチラ見せしてくれないとホント中盤は退屈してしまうわけで、この最終回の答え合わせの部分をこういう形で見せられても、なんか後付けで言い訳してるようにしか聞こえなくて、視聴する熱量がとっくに失われてしまってる段階に入っちゃって「あっそう」みたいな淡泊さしか出てこない。
 ただねー、おそらくアニメスタッフも視聴者がとっくに退屈してるだろうと判断してるからこそドドーンと「3期あるよ」と示したと思うんで、この2期はあくまでクッションであって次期こそが本領発揮のホンバンなんだろうなという予感はしてる。とはいえ、主人公がなんらかのやらかしをするかもしれないが、今期で成長した…ということを示したと思うんで、フツーに考えてある程度大人になった姿…というか精神性で活躍してくるんだとは思うケド。

柚木#12

 末っ子の日記をネタに推し合戦と両親の墓参り。墓参りの話は全体を引き締める効果があってそれなりだったけど、日記パートはひたすらクドかった。四兄弟のほかは一切の他者のかかわりがなく(エンドロールもキャスト四名だけ)、結局社会を生き延びていくには兄弟間(血のつながった家族)の団結で乗り切るしかないというメッセージだったのかも。
 なんつーか、お涙頂戴モノとしてそこそこの出来だとは思うんだけど、要所要所で「果たして君はどこまでポリコレについていくことができるかな」と煽り気味になるのがどうにも肌に合わないというか、まぁNot for meではあった。個人的には癒し要素はやはり末っ子の造形で、これが思慮深くも落ち着きもなかったら、三男との合わせ技でおそらくキレてたと思う。こういう子供をネタにしたお涙頂戴モノとしてはちょっと前にコタローは1人暮らしという作品があって、どうしようかと迷ってる間に見る機会もなくスルーしてたのだけども、あっちのほうがもしかすると自分の性に合っていたのかも。

お嬢と番犬#13

 番犬に覚悟の差を見せつけられてお嬢がわからされてしまう話。番犬との過去を回想してお嬢も少しは相手のことを考えられるようになりました…というお話のようにも思うので、これでHE。個人的な印象はほぼ前回述べた通りで特に大きな変更もない。もうちょっとヒロインに女としての芯の強さだとか、ヒトとしての優しさみたいな人格の高さみたいなものを見たかった気はするが、高潔に描いてしまうと彼女に感情移入しにくいのがおそらくこの作品のターゲット層*1だと思うんでその辺はまぁ。ただ、個人的にはやっぱりこれもNot for meだったかも。

アンダーニンジャ#12

 敵の真の目的はさらに別にもあったという話。まさかの主人公。しかし主人公の対決、忍者というよりサムライだな…。とにかく迫真のシーンが連続、キャラもバンバン使い切ってまだまだ物語は都築っぽいけど、何がすごいかっていうと余韻の強さ…というより、緊張感が視聴後もそのまま続いていてしばらく他のことが手につかなかったという。
 というわけで、始まった当初はあんなにダルダルだったのに全然気持ちを持っていかれるほど惹きつけられて、ほとんど中だるみらしき中だるみもなくそのまま突っ走るだけでなく、勢いもどんどん大きくなっていったことだよな…。いかにも青年誌連載っぽい雰囲気で、そういう作品は得てして「やりたい方向性はなんとなくわかるんだけど空回りして終わる」ものが多かったから、謎を謎のまま残しながら少しずつ明かしつつ、それでいいて飽きさせずキャラの生きざまを生々しく見せてくるあたりの表現力も卓越してて感心してる間に終わるというのはちょっと最近の作品にはなかったもの。薬屋もフリーレンも出来は良いのだけどもそれらにはいくらか残してる予定調和の部分が全然なくて、力強さも上回ってる感じ。

*1:別にバカにしてるというワケでもなく、おそらく人というものはだれしも時にはモラルだとかをかなぐり捨ててひたすら異性に甘えたくなることがあっても当然だとは思うんで