星テレ#5

 ツインテが学校に来て、メインキャラ四名が関係を深める話。クッション回のようなのだけども、ロケットを作るという目標は主人公と宇宙人が強く持っていただけなので、それを共通認識にすることだとか、メンバーの役割分担…とまではいわなくても、お互いがお互いを認め合ってパーソナリティのすり合わせを行ってる模様。
 ちょっとポエミー過ぎなきらいはあるんだけど、ロケットを作るためだけの目的集団と化して即PDCAサイクルを回されても困るというか、そんなら学校なんかやめて起業しろよとなるし、そうなればツインテちゃんを学校に引き戻した意味がなくなるので、まぁそりゃ学園生活の中でモラトリアムを生かして社会性を身につけるだの、目的以外の見識を深めるだの、いろいろな性格の他者から相互相補的に啓発しあうだの生活をしながら成長していくってのが本題だろうから、まぁこんなもんだと思う。
 今回の話のミソは主人公における遅れてやってきたギャングエイジなのかなというところ。子供の自立は、まず母親など子供にとって絶対的な安全地帯から少しずつ自分の行動範囲を広げていき、自我を獲得しながら母親からの自立を目指すのが第一歩なわけだが、だからといって完全に独立できるほど精神的に安定してないので、仲の良い友達と徒党を組み、それが安全地帯の飛び地となってさらなる行動範囲を広げていくわけなのだけど、現代はやれゲーム端末だとか習い事で自由になる時間もなく、また入会地というほどでもないが、ドラえもんなんかでよくある土管のある空き地のように子供が自由に出入りできる土地もないわけで、ギャングエイジを成立させる余地が少なくなってる。
 主人公に関していえば、母親からの精神的な自立はできているものの、自分の行動範囲を広げることができていなかったから、それで高校生になってやっとその時期が来たということのように見える。で、主人公が自分の世界を広げていく手伝いを副委員長や宇宙人が手助けしてるわけだが、彼女たちは既に社会になじんだ直後だから主人公がどの段階でつまずいているのか無意識にわかっているし、だからこそ適切な手助けができるわけで、それだけでなく主人公がその手助けで一つ一つ成長していくのを目の当たりにして、自分もそういう過程をたどってきたのだと再確認できるわけで、これが主人公がただ助けられるという受動的な立場ではなく、主人公こそがメインキャラを繋ぐハブの役割を果たしているという、割と構造的に関係性を描けているのが個人的には評価できるポイント。
 ただねー、だからこれが美しい物語かというとそうでもないんだよね…。昔だったら社会化は既に終わってた(数えで15、つまり中学一年生や二年生の段階で若者は「大人」になっていた)から、高校一年生で社会化がはじまりますよーというのは本当ならあまりほめられたものでもないんだよな。だからといって若者が早いうちから大人になれないのは若者自身が悪いというワケでもなく、上記の通り、昔と違って未成年が自分で大人になる環境が既に無くなってるということもあり、そのきっかけは「15の春は泣かすな」の時期から始まってる。つまり社会の側が子供から自立の機会を奪ってきたわけで、あの時期から日本の学校制度はオカシクなっていたともいえる。
 しかしこうなると、宇宙人が本当の意味での宇宙人なのか、おでこを当てるとその人の考えていることがわかるテレパシーも本当に機能してるのかよくわかんなくなってきたな。そういう設定が、主人公にとっての精神の安定材料であって方便とかおまじない程度の意味しかないと考えても今のところは特に問題もないんだけども、それが無意味なのではなく、自転車の補助輪みたいなもので主人公の成長過程における補助的な機能を持ってると考えると、いずれ捨て去って笑い飛ばす類のものであっても、それが大人になるための必需品であると考えてもおかしくはないわけで。

ミギダリ#6

 監禁状態から解放される話。結局お手伝いさんの話はどーなったのかというのと、赤ちゃんプレイまでやってそのまま解放するとかよくわからん感じではあるが、お手伝いさんの話は後々答え合わせがあるようだし、待ってたらそのうち色々繋がるデショ。主人公たちの母親に対する監禁元の家族の態度で割と話が動いたという感じだけど、なんかあまり話の見通しが立ったような気がしない。

鴨乃橋#6

 TV番組生放送で起こった殺人事件解決の話。フリップ逆さまで別の意味というのもよく思いついたな…とは思うんだけども正直あんまりトリックとして驚かされるようなものでもないという。あとは出演者全員でヤラセの共通認識がなかったというのが驚き。フツーにそれはありえんだろというレベル。まぁトリック部分はこの作品のメインではないし、メッセージ性だとかちょっとした気持ちのやり取りに魅力があって、今回は久しぶりに犯人をしに追い込む展開が見れたので満足感は高かった。
 今回の綾波レイ似のゲストキャラ、見かけが特徴的なのにそういやOP映像に出てなかったな…と思いきや、EDが始まって速攻に応え合わせができてしまったという。ゲストキャラがOP映像に顔出ししてることに何人の視聴者が気付いているのかわかんないけど、こういうお遊び結構面白いと感じてしまった。

KBS#5

 新キャラ二名が合流してOP映像に出てるメンバーが勢ぞろいする話。今回はなかなかまとまってた。既存メンバー全員が無理やり入部させられているのに、主人公が無理強いはよくないと説得する滑稽さだとか、デザートの付け合わせが今回の新メンバーを暗示してるのかと思いきやあまり関係がなかったりとかギャグとしても微妙にズレてる感覚とかも、今回はそこそこ配置として悪くなかった。
 新メンバーを捕獲するミッションが顧問が先を見通してそれが功を奏した…という形ではないんだけど、カラオケを通じてメンバー同士の関係性が深まって、お互いが交流することによって歌唱力も上がっていくという下りは、おそらく顧問が「自分は教えない」ということの答えが端的に示されているばかりか、トップダウン型ではなくボトムアップ型の組織が出来上がりました…という提示にもなっており、いちおう部活動としてメンバー集めが終わっただけではなく組織づくりも、そしてもしかしたら合唱スキルも上がりましたよということを端的に示しており、今までのビハインドを一挙にニュートラルまで引き上げた感が強かった。
 まぁそれで話がおもしろくなったか?と言われたら微妙なところなんだけど、まだライバルチームとの出会いもないし、これだけメンバーをたくさん用意しながらこれで一挙に紹介や関係性の強化までやって次から本格的に物語に入ることができるんだからなかなかシナリオも頑張ってる感じ。

シャイ#6

 北極に救援に行って危機に陥るが敵の大ボスと相まみえて逃げられる話。あと新メンバーも一人追加。戦争がなくなった世界だという設定なのに著しく驚いた。人々の不満だとか人間関係のコンフリクトの集大成が戦争だと思うのだが、戦争がなくなったのだからミクロな部分でのそういう人間関係のコンフリクトがなにか減少するようなことが先か後かは別にして何か形として起こってたというのならまだしも、それを解決せずに戦争だけをなくしたところで、全体として何の問題の解消にもなってないのだから、そのハケ口が日常生活に溢れてくるのは当然のことなのでは…。なので、むしろ戦争をなくさないほうが、戦争中はそりゃ人の命が失われたりして決して良い状況ではないのだけども、戦争をすればガス抜きにもなって終戦後は戦争イクナイと反省もするのだから、逆説的に世界はまた一時的な安定を取り戻すのであって、戦争あった方がよいのでは?みたいな結論になるんじゃね?。
 しかも世界の混乱の原因がそういう世界中の人々の解消しきれない欲望の集大成ではなく、なにかそれとは関係ない悪のラスボスなんかを出して、混乱の本質から目をそらさせるのもよくわからん。混乱を引き起こしてるのは結局人間なのに、その人間が自主的に問題を解決するのではなく、尻拭いはヒーローにアウトソーシングする世界観とかもよくわからん。
 前も言った通り、原作が少年向け漫画だからヒーローのありうべき姿を読者に問うのはまぁわからなくもないんだけど、やっぱり現代日本の社会問題の本質からかけ離れてると思わざるを得ないんで、定番のネタながらさすがに時代遅れという感を強くした次第。ヒーローたちのキャラ付けは結構好みの作品なんだけどなー。現状問題提起の仕方が壊滅的にダメな感覚。

わたおし#6

 生徒会に入会叶って仕事を請け負う話その他。ヒキでの主人公のセリフ、穏やかな日常を描くのが目的だから、今回のエピソードの内容はこれでいいと思うんだけど、この幸せが続くとは限らないという雰囲気がなんとも。しかも次号予告は文化祭で楽しく過ごしてる姿ばかりだったので、本当に暗転するのかどうかもよくわからん。
 まぁ、物語上の大きなミッションはともかく、主人公が何を目指しているのかはぼんやり方向性がわかったような気がするので、あ、それならこれはこれでいいかも…という感覚。ただ、今ドキの流行だとそれが読者の胸に強くフックするかどうかは微妙かも。穏やかな日常って、小ネズミ改革が本領を発揮する前は誰にでも手の届くものだったのに、アベのおかげで中流が絶滅してしまい、手に届きそうなのに決して届かないものになってしまったから、これはこれでメッセージ性としてはまさに今の時代にドンピシャって感じなんだけど、上級国民は他の国民の半数以上がもうそういう穏やかな日常を手に入れることができない…ということに鈍感で、自分だけはそれを謳歌してしまってる現状だとねぇ、アニメスタッフがこの作品を今この時にアニメ化すると決断したその思いが伝わってくるようなそんな気はするねぇ。

せまつか#6

 前回囚われたヒロインを救い出し、主人公がこの国を守る決断をする話。主人公が今まで「個人的に」かかわったキャラ達に愛着を感じてそれらの人々を守る決意をするのならわかるんだけども、そうでない大多数の人々を含む国全体を敷衍して守る決断をするってのが動機として弱いと感じた。ヘルクは過去話がよくできているというか、むしろそっちこそがメインの見どころって感じだったけど、この作品の場合過去話も物語としてのパワーが希薄なので、お話として薄っぺらく感じる。ごく初期はそれなりに設定が組み合わされているかもという予感があったけど、もしかして設定を考える段階で力を使い果たしてドラマ性に割り振るリソースがないって感じなの?。

とあるおっさん#6

 新規アップデートでシステムが一部変わり、戦隊モノのパーティーに合流してのお遊び回。ゲームリプレイ小説として何かメッセージ性的なものがないわけでもないんだけど、戦隊モノという段階で主人公がツッコんでたようにシリアス要素からは脱落してるのであんま野暮なことを言ってもな…。
 主人公の嫁@上田麗奈が、よく不幸属性の気弱ヒロインを演じることが多いので、この作品で明るくグイグイくる役柄を声質変えないで演じるのはすごく新鮮さがあってイイという感じ。作画のクォリティは決して高くなんだけど、動画としても勢いがあってかけあい夫婦漫才をかなり楽しんでみてる。本当ならNPCがこんな性格付けなのは不自然なのでプレーヤーキャラが担当するもんなんだけど、女王がはっちゃけるというギャップが魅力になってるから痛しかゆしといったところではある。