4thQ2023アニメ新番雑感

聖女の魔力#5

 様子を探ったり探られたり。主人公が聖女であることも、類稀なるポーション作成技術も国にとっては戦略兵器のようなものなので、なんとも迂闊な話。なんか状にほだされて次回以降心温まる話になりそうだけど、何度言われてもわからんちんやなという感じ。はっきりした宗教があるのなら聖職者として宗教が守ってくれると思うけど、宗教描写があまりに希薄なのでホント便利屋扱い。

ヘルク#17

 過去話弟が自殺するまで。過去話長い。結局人間の国を襲った魔族は、メインキャラの属する魔族とは別物という扱いだし、魔族の国の事情より人間の国の事情のほうが扱いが大きいので、結局1クール目の魔族の話ってのはアテ馬だったようなイメージ。
 人間側の貴族はそりゃまぁ日本の上級国民どものことを言ってるのだろうし、そういう意味では正しく社会批判なんだけど、こんなまどろっこしい手段を使わないといけなかったんだろうか。わた婚に見られる昼メロ要素とか、お嬢と番犬にみられるワルに惹かれる少女モチーフとか、昭和期に流行ったフォーマットが復活してるような流れだけど、これもその一つのように思える。悪くはないんだけどなー。勿体つけることに何か意味があるのかといわれるとちょっとそのへんはわからん。

4thQ2023アニメ新番雑感。

 とにかく視聴してる本数が多いわー。減らせばよさそうなもんだけどいちおう手をつけたものは一通り完走するのがポリシーなのでちょっと我慢して続けてみることにしてる。なんで呪術廻戦は脱落したのか…。

  • とあるおっさん ストーリーは三文芝居だけどぼんやり眺める分にはストレスは少ない。防振りよりバトル要素が少なく、かといって近未来的なありうべき社会というメッセージ性は弱い。
  • せまつか 物語の世界観はそれなりに作りこまれてるようだけど、回を追うごとにシナリオのパワーは弱まってるという印象。キャラの馴染みが出たら物語がドライブしてくれたらいいんだけど…。
  • わた推し ツンリゼより物語性を高めているし、それなりに社会問題のイシューを盛り込んでるけど、それで見ごたえのあるものになってるかといわれたら微妙。バランスはいいのでこれもぼんやり眺めてる分にはストレスはない。
  • シャイ 10年前までだったら少年向けでも熱く語りかけるメッセージ性に意味はあったろうけど、格差が拡大して社会からエッセンシャルワーカーに対する敬意がすっかりなくなった現代だと、さすがに時代遅れではと感じる。込められてる要素にそれなりに意味はあるけど、それが実社会に応用されると意味のないものになってしまう空虚さがね…。
  • KBS クワイアというものに自分が流行におい付けてないのか、思ったものと声楽の要素において違ってて視聴してる自分が場違いな印象を受ける。キャラ立ちさせるための数々の手法は、必要があってやってるのはわかるけど、味付けの濃い料理をたてつづけに食わせられると拒否反応が出てしまうアレ。
  • 鴨乃橋 精緻さを放棄してるので、あまり細かなツッコみをしなくていいのが功を奏して今のところ推理とストーリーとのバランスがよく、結構楽しんで視聴してる。
  • ミギダリ ねちっこい描写というこの作品のスタイルがどうにもげっぷがでるんだけど、話立ては堅実。
  • UDUL 勢いはあるけど、見かけが派手なだけでありきたりな印象。かといって頭を空っぽにして楽しんでくださいって作品のようでもないと思うし、個人的にはフックがかかるまで様子見だなぁ。
  • 星テレ #1では内向的すぎるストーリーだと思って期待外れやなという印象が強かったけど、主人公の成長の著しさが無理なく描写されててなんか自分の中での株が急上昇中。なんのかんのいってきらら枠っておとこのこ向けだと思うわー。
  • 聖女の魔力2 おそらく基本的な枠組みがシチュエーション頼みだと思うので、そこが鎌首をもたげると一気に萎える感じ。個人的には波風の経たない平凡な日常回のほうが見てて安心もするしこの作品の長所ダナーと思うんだけど、それもどうよ。
  • 影の実力者2 まぁ最初っから設定もスタイルも勘違いコメディというのが明らかなので、そこを受け入れられるかどうかで評価が決まるといったところ。個人的には1期の印象が良かったからこの2期目もそう悪い印象はない。
  • ブルバスター お仕事モノとしては上出来という評価。ロボットモノとしては、これはもう自分がロボットのリアリティを気にしてしまう性質なので…。
  • イケナイ教 本歌取りというかどこかで見たエピソードのアレンジというか、そういったところの作品だと思うけど、中途半端に組み合わせてるように感じてしまい、突き抜けてもないしバランスをとるあまり見るべきところがないという状況。中盤から盛り返すのかねぇ?。
  • ウマ娘3 今まで通り。都度感想でも書いたけど、自分は絵の部分とか些末な部分に見どころはあるけど、根本のストーリーには最初っから期待してないからそれで見続けてるって感じ。飽きない?。実在馬に興味がないからワンパターンにしか感じない。
  • 絆のアリル 結局アイドルモノに構造が落ちちゃって、せっかくの動画配信者としての新しいスタイルという部分はほぼ見どころがないんだけど、人と人とが交流して影響を与え合うとか、若者が成長していく部分は結構いい線いってると思う。
  • 16bit これも都度感想で言った通り、クロニクル的楽しみ方では抜群といったところ。おそらくストーリーの空虚さはわざとやってるので、そこにツッコんではいけないと思う。
  • カミエラビ きわめて現代的な閉塞感を象徴的に描けてると思う。突き抜けて素晴らしいというワケではないけど、展開の仕方によってはもっと化けるかも。
  • Sランク娘 RPGリプレイ小説としてはオーソドックスな作り。別にこれを見なくても何か損するというものでもないし突き抜けたものもないのだけども、キャラが動いてるのをぼんやり眺めてストレスもそんなにないのでまぁこのスタイルが好きならどうぞという感じ。
  • 柚木 お涙頂戴モノとしてはイマイチで、今ドキの子育て層に向けての作品のように思える。一般家庭をモデルにしてないので、一つ一つの要素は普遍性のあるものだけど、現代日本はもう標準家庭で結婚相手がいる…ということ自体が既にハードル高めだからなぁ。
  • お嬢と番犬 お隣の天使様が恋愛小説としてはそこそこの出来だったのでちょっと期待してたのだけども、ペアリングがイマイチうまくいってないように感じる。これで自分は前提条件に疑義が発生してしまったから以後の挽回は難しいかも。
  • アンダーニンジャ 四畳半的生活感と忍者要素との奇妙な合体。雰囲気はアンニュイな感じで物語は進行していくし、時系列はポンポン飛ぶので混乱しそうだけども、不思議とこの作品に対する自分の好感度は高い。
  • 盾勇3 今までの話はまだ前提条件の説明段階のようなので今後に期待。前々から言ってるんだけど、この作品最初はおとこのこ向けだと思ってたんだが、シリーズが進むにつれおんなのこ向けではと思ってるんだけどそのへんどうなんだろ?。
  • キミゼロ ヒロインがギャルなのに天使なのでなんかそれで自分はやられちゃってる感じ。恋愛の教科書的な作りでドラマとしての面白さはあんまりなんだけど、これはやはり下半身に訴えかける作品の凄さか。
  • フリーレン やはり公開前からの一般的な期待度の高さを裏切らない出来。
  • 攻略アニメ ストーリー自体に見るべきところはあんまりないので、大陸産ということでのジャパニメーションとの比較と、あとは今後の展開に期待といったところ。ゲーム的お約束は受け付ける人と受け付けない人で別れるだろうな。
  • カノカノ 二股というか重婚要素をどう考えるかかな~。あくまでコメディを引き立てる要素として見たらそこそこ成功してるけど、これを社会的メッセージにしてるとしたら物足りないというか、そのへんは中盤で判断できるものでもないから様子見かな。ラブコメとしては標準的な出来だと思う。
  • はめつ 主人公が一番やりたいことを我慢して棚上げして、常に次善の策ばっか選択してるから正直何やってんだ?という印象が強くなってきた。まぁ最善の策を取ってしまったらそこで満足してしまって次につながらないからだろうけど、せっかく状況を盛り上げて期待を裏切るのだから不完全燃焼の繰り返しになるんじゃネーノ?。
  • 天然上司 爆発的な勢いが#1を頂点として徐々に鎮火してきてる印象。まぁもともとBL要素に期待してる層向けだと思われるし、過度な期待をするのは酷かも。
  • ティアムーン どうしてもラス為と比較してしまうしこっちの方があっちよりマシだと思わされるので評価が高めに出てしまうけど、ストーリーは三文芝居なので…。
  • 帰還者 まだまだ仕込みの段階という印象。でもこの調子で話のヤマ場まで持っていけるの?という感じはする。もしかして2クールあるとか?。
  • 豚レバ 最初はオタクと美少女の組み合わせでおふざけをやるのかと思っていたのだけども、案外硬派なストーリーだった。贈与の連鎖、試練がちゃんと試練として機能してる、どんどん世界観が不穏になっていくとか、先々楽しみになってきてる。
  • ポーション頼み これもろうきんとどうしても比較してしまい、あっちより出来がいいから評価は高めになる。ただ、#4感想で言った通りおそらく聖書物語のアレンジ。ただ、そうわかってしまったら逆に楽しみ方がわかって面白いと感じてしまってるかも。
  • ひきこまり もうちょっとスチャラカ的な作品かと思ったら、主人公がこの初期の段階で強大な力を持つことを明らかにして以後どーすんの?と以後の展開が気になってる段階。直近の話はなんかアカンと思ってるけど、今までの累計での評価はニュートラルかなぁ。
  • ぼくあめ なんか正しく青春萌えアニメやなという感じ。バランスをとるあまり突き抜けたところはないと感じるけど、フィクションにありがちな「ここはリアリティを貫けないけど許してくれ」みたいな甘えは感じられなくて個人的にはそこそこ楽しんでる。
  • 薬屋 これも今期二大巨頭の一角で出来は折り紙付き。
  • ラグナ キワモノって感じはするが、現代社会を象徴してる作品としてはあまり悪印象はない。とにかくまだ新キャラが登場し続けてるのでまだ様子見かも。
  • シャンフロ これは比較対象がSAOかな。ゲーム部分の描写の精度は上がってるけど、肝心のドラマ部分は物足りなくてSAOのほうが圧倒してるかな。ぼくのかんがえたさいきょうのMMORPGサービスで、その部分に最初のうちは目を奪われるんだけど、おちついたらそこが鼻についてしまって意欲は低下中。
  • 百カノ ラブコメとしてはこんなものなのかもといったところだが、内容はお察しだしせっかくタイトルで大きな数字をぶち上げているんだから、ヒロインを絞ったりせず、スケール感の大きさを見せてくれたらいいのに…とは思う。
  • でこぼこ魔女 ぼんやり見てる分にはいいかと思ってたのだけども、キャラが馴れ合ってるだけだと退屈してくる。作品としてはgdgd妖精sは実験的な作品で全体的なクオリティは低いと思うけど、実験的なだけあって突き抜けた部分で楽しめるのでこっちはなんか日和ってるなぁという印象。
  • オバテク 人間ドラマとしてはこんなもんじゃね?と標準的なところより低めで安定といった感じ。レースの見せ方も悪くはないがまぁ中途半端な作品だとは思うわ…。
  • 暴食 少年(少女)向けの妄想を具現化したような作風が“ガワ”といった印象。中身は社会問題に向き合ってるし、バランスよくシナリオは組まれてると思うけどね。三文芝居でもストレスは少なめだからあんまり悪印象はない。
  • MFG 自分はイニD未読だけどなぜか懐かしさを感じてしまう。あんまりいいところが言語化できないんだけど、なぜか個人的な印象は高め。ただ一般的には、クルマにもイニDにも興味がない人には厳しい作品だろうね。
  • 花子くん うーん、可愛さに特化したキャラなので、そこに魅力を感じるならどうぞといった感じ。


 やっぱ作品数多いな…。40程度あるのか。これが視聴してる全作品ではないから、一週間で平均視聴本数6本/日なのツラみがある。今期は豊作という呼び声高かったんだが、二大巨頭のフリーレンと薬屋は納得の出来だけど、それ以外の作品はまぁ今まで通りというか、良作がたくさんあるといった感じではなかった。前期(3rdQ2023)は不作だと言われてたけど、たしかに良作のヒット率は少なめだけど、今期とくらべて顕著な差があったか?といわれたら、有意差はあるけどそれほど格差が激しいとは思わなかった。全体の本数が多くて豊作という期待が大きかったから良作も多いと思って視聴本数を多めにしたが、ちょっと絞ればよかったかも。
 岸田政権が続いて、アベよりちったぁマシになるかと思いきや、インフレが亢進して生活不安というか水準は急落していったから当然アニメを視聴する態度にもそれが表れてしまう感じ。だからなのだろうけど、社会を救うヒーローがテーマになってる作品がそこそこあるが、そのヒーローが助けるのも単なる一般民衆ではなく、自立しようとしてる弱者であるのが条件になってるようにも感じる。