スパファ#29

 小話2題に次回の導入部。なんか寄り道の多い作品やな。サザエさんドラえもんとメインストーリーのミックスか。物語上の大ミッションに直結する話ばかりやるべきだとも思わんけど、他の作品が尺が足りなくてヒーヒー言ってるのも多そうなのに贅沢な使い方。エピソードには読者によって好き嫌いはどうしてもでてくるだろうね…。

天然上司#4

 新キャラ加入の巻。主任はともかく課長が構ってちゃんというのがよくわからんところ。上司のプライベートを把握して当意即妙の受け答えをしないといけない職場って、それはそれで疲れると思うんだけどな。昔だったら上司にいつもおべんちゃらを使わないといけない職場ってあんまり好意的な描かれ方をしてなかったわけで。それでも圧迫を受けるパワハラよりマシってことなんだろうけど…。
 BL風味を紛れ込ませるのもいたたまれない感じになる。大きなおねえさん向けなのはわかるんだけど、いちおう男も見ること前提にアニメが作られてると思うんだけど、原作がそういうテイストなんだろうからわざわざ改変するのも原作人気を考えたら難しいって判断なんだろうね…。まぁ#1の勢いはすっかり収まったけど、あの調子でずっとやられても困るというか、同じ刺激ばかり続けてもそのうち飽きるだろうから続けるのは難しいだろうし、だからこそこうやって新キャラも増やしてるんだろうし…。


ティアムーン#4

 舞踏会と監禁事件の巻。テーマに関して、舞踏会は世直しというよりは人心掌握術で、監禁事件はリーダーとしての振る舞いだろうね。全体的な構造は前世を反省した主人公が悲劇的な末路を回避するために手探りで努力するのが、全部うまい方向に事が進むというもので、そこには理不尽に抗うとか葛藤などの深い要素が排除されているんだけど、そこまで描くとなれば尺が足りないというかクドくなるというか、まぁ権力者が反省するって段階でどう考えても自民盗もしくはアベ批判なのは間違いのないことだと思うので…。
 ただ、ここまで視聴して思うのは、主人公は改心して前世は地雷ばかり踏み抜いていたのに、現状では一個も地雷を踏んでないんだよな。なんつーか、勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなしという格言があって、故野村監督のセリフであって古くからのものではないのだが、割としっくりくる要素があって現実でも度々そういう事例を目にする。主人公が何のかんの行ってやってることがすべてうまい方向に流れていくのも、彼女は“やってはダメ”という言動をすべて回避してるためで、ここで前世のように何か一つでも間違ったことをやってればたちまちギロチンに近づくことになるというものになってる。これはやはり自民盗批判にそのままつながっていて、彼らが仮に本当に国のためになるようなことを至上命題として全力で努力していたとしても、結果としてダメになることもあるというのに、そうではなく自分の権力維持だけを考えて要所要所ですべて国を過つことばかりしてるから、現在の日本の惨状があるということがまざまざと見せつけられている。
 しかしラス為との対比が酷いな。あちらのほうがシリアス風味でコメディ少なめのいかにも正統派みたいな雰囲気で、こちらはスチャラカご都合主義みたいな雰囲気なんだけど、あちらは主人公が体験もしてないことで善人として振る舞うからウソ臭いし、こちらは本人が悪行を為してその結果として断頭台に登っていたから回避のための動機にリアリティがある。あちらは騎士を助けたら国内の貴族が味方に付いたような雰囲気で、それ以降トラブルは外部からもたらされているんだけど、こちらはいくら身分が高くても個人としての影響力はそんなになくて、今回のように決して貴族を心服させるところまで行っておらず、内部の敵とも主人公は戦わなくてはならなくて、見かけとは裏腹にこっちの方がなんか奥が深そうな感じはする。

帰還者#4

 三人でパーティーを結成する話。なんかもたもたしてるなという感じ。緑髪の鬱屈を晴らして関係性を強める&成長を促すって話で、それ自体は物語としてフツーなんだけど、この分だと初回で世界を救うというミッションが設定されてるのに学園編で1クール終わりそう。ED映像では金髪のねーちゃんがいるけど、OP映像では現状の三人パーティーだったから、その辺でも学園編だけでアニメ版は終わるとの補強になってるような…。
 前世では緑髪があの売っちゃったレイピアを使って縦横無尽だという話のようだが、だったらなんで現世でこんな展開になるのかよくわからん。前世では彼の心理的障害をクリアするようなイベントがあったということになるのだけども、現世では主人公が最初それを邪魔したってことなんだろうか。まぁどっちにしろ彼が他の武器を選択してそれに熟達するってルートはなさそうなんだけど。

豚レバ#4

 王都に向かう途中、ヒロインの種族に好意的な村に着くの巻。なんかすごい設定出てきた。といっても16歳で使い捨てというのがちょっと想像つかん。産業革命時のイギリスは中学の教科書でも少年少女が過酷な労働で使い捨てと記述されているんだけど、これがそういうもののメタファーという感じもしない。使い捨てというのも、子孫を残させないため…と考えてみても、仮にそうだったとしてヒロインの種族はどうやって生まれてきてるのか…とか、ヒロインの種族は女だけだったっけ?とか、そういや現時点で不明なことが多すぎる。
 今までの話運びからしても、ただのラノベという感じはしないし、それなりに世界設定がなされ、意味づけされているのだろう。これから少しずつ明かされていくのだと思うので、展開が進むのを待つしかない。

ポーション頼み#4

 主人公が派手な動きをして王族に目を付けられ、まーた難癖付けて袖にする話。ポーションという特技だけがファンタジーではあるのだけども、あとは己の才覚で人生を楽しむというか周囲を振り回すあたり、痛快活劇モノにもよく似た面白さがある。で、今回ちょっと気づいたというか、ポーションというのを神の奇跡と置き換えるなら、これ、まるっきり聖書物語の翻案って感じがする。今回の公開討論という形も、最初のうちは滑稽やな…と思ってたんだけど、アレ、おそらくギリシャローマ時代の古代から、中世ヨーロッパあたりでは街の真ん中で何らかのイベントが開催されてたような気がするので、それを踏襲したのかもなと思い直してみたり。
 前回のスリの少年との経緯も説明されてたし、ほんわかした絵柄ながらなかなかしっかりしたテキストなんだなと思い直してる最中。

ひきこまり#4

 メイド副官がトリガーを引いて主人公の能力が開放される話。うーん、なんか20年ほど前に流行った主人公には自覚してないとんでもない能力が隠れていて…というラノベやアニメによくあった奴やね…。今回カタルシスは得られたし、主人公が強大な力を持つ正当性も示されたわけだけど、正直なところ微妙な感じ。
 イントロでは主人公はひきこもりであって、特に能力がないと強調されてたから、そういう出来損ないが才覚で物事を乗り切るストーリーだと期待していたのに、正義感も強力な能力も持った恵まれたキャラが周囲の敬意を受けながら…というのは物語としてはもう当たり前すぎて何の面白みもないというか。他の部下たちも詳細は知らないという形になってたけど、3年前のことは詳細は伏せられてたにしてもとてつもないことが起こってその中心人物が主人公だということは周知されてたわけで。いやまぁ確かに他の作品のように自民盗批判という側面から意味がないとは言わんのだけども、強くて正しい人が強くて正しい行いをするとか、せめて成長の結果、物語のクライマックスで今まで抑圧されてた力が思う存分発動するという形にして欲しかったな…という。
 で、次からどーするの?って話。本人はまだ自覚がないようだけど、今回部下たちは主人公の力を目の当たりにしたわけで、主人公がこれまで通りヘタレムーブを続けるにしても、イケイケドンドン展開にするにしても、なんか自分の中でもういいやみたいな感はある。いやまぁそういう自分のつたない予想を裏切って、全く新しい展開を見せてくれるのならよいのだけども…。

ぼくあめ#4

 大会で好成績を収めて決勝に臨むの巻。劇内のゲーム描写と、女優ヒロインがばくれつくんとしてチームにかみ合う様子にもの狩り無さを感じてしまうのだけども、そうするだけの意図がちゃんとわかるので、まぁ今回もそこそこの仕上がりと感じた。主人公の母親もゲームに対して何らかのわだかまりを持ってるようなので、おそらく先々何らかのトラブルとして発現すると思うのだけども、まだ現段階では伏線含めいろいろ仕込んでる段階やなという印象。
 こうしてみると、オリジナル作品で1クールという制限は結構しんどいもんがあるんだなという感じ。原作付きだと最初っから支持者がいる作品を選んでるし、アニメ版は物語として一つのケリをつけなくても、続きは原作読めで済んじゃうし、ある意味気軽に作れるんだろう。原作が漫画かラノベだと、数話もしくは1巻を出してその手ごたえを得てから読者に合わせて修正もできるのだろうけど、アニメのシナリオライティングだと途中からの修正とか非常に困難だろうしな…。
 こういう青春モノって若者の青臭さが自分みたいな歳取った視聴者には鼻についたりするんだけど、なんか処理がうまいよねーという感じ。