ヒーラーガール#9

 またまた外科手術の現場に行ってコラボしてなんか成功してしまう話。うーん、これ企画会議で止める人いなかったんか?。なんつーか、ミュージッククリップというか、ちょうど今やってる作品でいえば、かぐ告3のED映像を本編としてやった感じ。まぁ元々が音楽ユニットが元ネタらしいし、何割かはイメージビデオのような機能を意図的に持たせてるとは思うんだが、個人的にはいかにも滑稽で、これを物語として本気で真剣に作ってるのだろうかと疑問に思ってしまうぐらい。こう、牧場の牛舎でモーツァルトを流すと乳の出が良くなるとか、音楽に何らかの生理的効果があること自体は疑ってないんだけど、それにしても目に見えて見る見るうちに傷口が塞がっていくとか医者に言わせてイイの?とこちらが心配になってしまうぐらい。キャラ絵も端正だし、絵もグリグリ動くし、声は確かによく通って歌唱力も抜群だとは思うんだけどサ、物語としては…。ミュージカルの作法というかお約束に従っているというのは見てればわかるんで、ある程度の滑稽さ、見ているこっちがこっ恥ずかしくなるほどなのはわかるんだけどサ…。申し訳ないけどホントこの作品の良さが自分にはわからん。

司書#34

 神殿で引き受けた捨て子を神殿長に掻っ攫われる話。おーキタキタという感じ。今まで主人公は危機に遭いながらもなんとか切り抜けてきたし、俺TUEEE展開とまではいわなくても、基本チートでしかないからこういう葛藤の場面が出てくるのはある意味ホッとする。前期は前期で貴族から嫌がらせをされるという展開だったが、神官長の階級マウンティングで何とかなったというのもそれなりに面白かったのだけども、今回の本質は1期との合わせ技ということに尽きる。
 今回裏切った赤髪、自分が成り上がるためには愛人になるしかないと思っていたのはずっと示されていたわけで、そのへんは身分制度が強固な前近代的な考えであることはまぁ間違いないところ。それが今回の赤子騒動で、主人公によって赤髪は赤子の面倒を見たいという希望を優先させてもらってたわけで、これがまぁいわゆる主人公によって「自己決定権を認められた」状態になってる。赤髪は別に赤子の実の親でもなんでもなく、ただの養育係なのだから、はっきりいって赤子に関する諸々の決定権はむしろ主人公にあるのであって、彼女が与えられた赤子に関する決定権は主人公によって許されたもの。
 なのだから、こうすべての人間に最初っから備わってるとされる近代的価値観からすると、あの物語世界ではそういうものがないわけだから、赤子に関する決定権に対する恩義みたいなものは神殿長ではなく主人公に感じなければならないが、そういうのをすっ飛ばしてるわけだ。なので、1期から述べていたように、主人公は近代的価値観の申し子だから、当然他人にもそれが与えられるべきだと考えてるハズで、彼女がいみじくも本を廉価に世に出すといってることからもわかるように、そうすることが世の中をよくすることと信じているのだけども、赤髪にはそういう価値観は備わっていないから、主人公はその自分の思いを裏切られた…という形になる。主人公がやれ活字だとかインクだとかに奔走しているのも、結局のところは近代化の流れなのであって、そういうのと同時進行で、決して近代的価値観が評価されることにはまだなってない…というものが示されるのが、個人的には1期から注目してるテーマでちょっとオモロイなと思ったところ。
 あとねー、赤髪のこの恩を仇で返す行為、実際に働いてるとこういう女によくぶち当たるんだよなー。別に上司でも何でもなく、そういう職位に上下がない単なる同僚という関係なんだけど、一人一人が独立した人間なんだから、お互い貸し借り関係では同列なはずなんだが、やたら自分のやりたいことにこだわって周囲を振り回す女。自分の価値観がその集団での最上位と考えたがるのよ。今流行のキチフェミのように自分のお気持ちが最優先されるべきってヤツ。これ、不思議なことに男には、まぁ職務上困った人がいないわけではないんだけど、こういう身勝手女のような男は一人も見かけないんだよな…。
 というわけで、個人的には赤子の末路には全然興味がないんだけど、この赤髪の扱いをどうするかだよな…。主人公を輝かせるために赤髪を許す…みたいな展開だと萎えるのだけども果たしてどうなるか。今回他の側仕えも大概プンプン丸だったから、もう主人公のところに帰るようにはならないとは思うんだがどうだろ?。物語から退場させるにしても、主人公自ら手を汚す…ということをしてしまったら主人公がスティグマを負うので、大抵は対立組織に殺されるとか放逐されるとか、なにか事故に遭って命を落とすだのとかという展開にしちゃうのが他の物語の一つのフォーマットになるが…。まぁ主人公の成長を示すのなら、殺さないまでも、敢えて主人公に切断処理をさせるべきではあるが。まぁ原作はその辺の顛末をもう示しちゃってると思うのでここで予測という形をとるのはアホだが、いちおうまだ自分は先の展開を読んでないから、こうあれこれ思い悩むのが楽しいので勘弁願いたい。