ひきこまり#3

 過去話だが主人公の秘密はまだ明かされず。主人公が陛下のお気に入りなら、そもそも学園生活時代にイジメなんかあったら…と思うけど、それ言っちゃぁ話にならないだろうしな…。まぁこれで割とライアーライアーとの類似性はあまりなくなってきたという感じだけど、プレーヤー同士で覇権を競い合うという構図自体はそう変わりはないかな。
 しかしこれで主人公にイヤボーンで周囲を圧倒するだけの能力持ちってなるんだろうか?。能力が無いから読者に共感性を持たせることができるという気がしてたんだけど、能力持ちなら結局親ガチャに勝ったからかよ…ということになりかねないが、それを回避する条件が付与されてるとかそんなのだろうか?。いや、別に彼女の類稀なる強力な能力が、社会の不条理や理不尽を解消するためだけに発揮される…というのでも十分物語にはなるんだが。

ラグナ#3・4

 龍の相棒とパートナーになってトラブルシューティング。トラックとか現代小火器とかで奇妙な世界設定やなと結構違和感があったんだけど、#3で気付いちゃったというか、前の感想での@水瀬いのりのねちっこい演技だとか、@村瀬歩の大時代的な演技だとかで、あーこれ、舞台演劇のアレだなーという。それも宝塚だとかミュージカルだとか、2.5次元のアレなどのエンタメ性の高い演劇ではなく、極めて政治性の強いアングラ演劇の性質の高いアレ。なのでトラックや最新の拳銃とかが出てくるのは、いちおう物語は架空の世界観だけども、言ってることは現代社会層のものですよというメッセージに他ならなり。神が決めたからこの国を亡ぼすとか、やってることはアベそのもので、神への道を独占して社会のあり方を決めるのは聖職者の権力掌握術というのはニーチェが述べた神は死んだのアレで、ではその神は誰が決めたのかというと実在しない神をでっちあげて権力者が勝手にそういってるだけ。まぁアベが散々言ってた「消費税は社会保障の財源だから減税どころか増税」といって庶民を税金棍棒で殴り、経団連企業には減税でアベ自身はキックバックで肥え太ってた構造と何ら変わりがない。
 子鼠カイカクが耳障りの良い言葉で庶民を騙して、逆に庶民を窮乏に追いやり、アベがアホノミクスで庶民を騙してその結果格差が拡大して中流が絶滅したり、岸田が所得倍増といってその実可処分所得は減りまくって物価高で庶民が苦しんでるというのは、結局同じ輪廻の繰り返しであって、主人公が過去何があったのかを知り得た状態で時間転移したというのはそういう自民盗代議士がなんども庶民を騙したことの記号だし、主人公が高い能力をもっていたというのも、そういう自民盗のやり口を知ってどう対応したらよいのかというのは今では庶民の一定数が知りえており、ネットやその他情報網で彼らの不正を暴いてきてることの記号でもあるんだろうなという感じ。
 まぁそんな具体的なことも織り込みつつ、物語としての大きなメッセージとしては、他の作品によくある「自己決定権マンセー」とか「自己実現マンセー」という近代的自我の礼賛というのとはちょっと違うというか、そこから一歩踏み込んで「自分が自分であるための斗争」みたいな印象がある。

スパファ#28

 豊かさとは何かというお話2題に子供めせんの小噺。劇中劇のスパイアニメの主人公は007に対する揶揄であることは間違いなく、サル山のボスが群れのメス猿を独占と、貧困は再生産されないなぜなら彼らは子供を持てずやがていなくなる…の対比だろうし、Aパートの話は旧共産圏の貧しさについての言及。この作品では旧共産圏での隣人同士の相互監視社会や密告とかには触れてないのだけども、資本主義社会ではほとんど見られない監視や密告になんであれだけ血道を上げていたのか、それも国が奨励していたとはいえ、庶民自身がたとえ国の決めたこととはいえ有名無実化もしなかったのかについてという話。ヒロインの弟の職場の上司も、弟の仕事っぷりを心配していて、彼が旧共産圏の秘密警察の中間管理職もああだったのか?というリアリティについても考えさせられるのだけども、逆に彼等こそ国内の社会状況について熟知しているからこそ自分たちの職務に自覚的であり、社会矛盾についても理解してたはず*1と考えると、そんなに国民どうしの相互監視という状況を心の底から正しいと思っていたはずもないだろうと思われるのであって、ようやくこういう話が出てくるようになったか…という安堵感が得られたという感じ。

天然上司#3

 上司が捨て猫を飼うことになる話。うーん、なんかツッコみどころ満点といった感じだったなぁ。ネコの爪とぎは「研ぐ」んだからそりゃ鋭くなるでしょうよと思ってたら、ちゃんと上司は調べて理解してたようだけど、ネコが知らなかったというのはないデショみたいな。タヌキが懐いたというのも、農家がたくさんありそうな里山ではタヌキは害獣なのであって対立関係にあるから懐くという状況がわかんないって感じやし、動物を人格化することでなんかいらぬストレスを自分は感じたとかそういう話。
 そういう点を除けば、この作品のメッセージ性に合致したエピソード群なので何の問題もないと思うんだけどね…。

ティアムーン#3

 ダンパに向けての相手選びの巻。どうやらハーレム展開になる模様。財政と救民にとりあえず手をつけたから次は外交という流れかな。思惑とのすれ違いとかご都合主義的展開がちょっとわざとらしく感じたけど、ちょっと様子見かも。

帰還者#3

 パーティー組みを始める話。なんかいろいろ伏線というか隠してることが仕込まれていて興味深くなるようにシナリオが組まれてる感じ。緑髪の少年がなぜ自分の長所を捨ててまで重量級の武器を選んだのとか、次回までのお楽しみっぽい。
 しかし正ヒロインはあのツインテでFAなんだろうか。ED映像だと四人がメインキャラのようだけど、貴族で実力者の金髪ロングは主人公とは一定の距離を保ちそうだけど、まぁ別に両手に花でも構わないんだけどな…。緑髪の少年キャラはもしかして女装とかあるんだろうか?。ツインテヒロインの妄想からするとそれもなさそうだし、もしそうなら主人公の回想で明かされそうなものだし。
 あとやっぱどういう方向性なのかよくわからん。主人公のミッションが貴族制打倒なのか、貴族も含めた世界の救済なのか。で、世界の終末は貴族の搾取によってもたらされたのか、それともそれとは無関係なのか。日本も土光と中曽根が格差拡大を企図してから、バブルのオーバーシュートはあったものの経済的にシュリンクしていったわけだが、世界が合衆国による搾取によって格差がいつまでたっても埋まらないし、日本もそういう合衆国による世界からの搾取とは無関係ではいられない*2し、その合衆国からも搾取されてるから、そういう構造をこの作品も反映させようとしてるのかそうでないのかも不明。まぁダメな作品というわけではなさそうだし、この作品がどのような社会構造を描こうとしてるのかはまだまだ様子見ではある。

豚レバ#3

 祭りでのダンス披露を終え、順調に逃げ出せるかと思いきや…の巻。なんつーか、昨今よくある、転生後は高いステータスや便利なスキルを貰ったり、初期のうちに困った人を助ける場面に出くわし、そのための能力を持っていて助けた相手が貴族で感謝されてケツ持ちを引き受けてもらったり、俺TUEEE無双の連続だったり、っていうご都合主義が全然ない。それどころか、ビハインドを背負って、変化する状況は自分たちに不利なものばっかりとむしろ逆の展開。困難を乗り越える際も一方的に強いものが弱いものを助けるのではなく、弱い者同士が協力して…という形。今回逃げ出す際も逃亡元を設けさせてからという義理堅さも示してるし、ちゃんと物語の形式に従ってる。フェミニズムのように男女同権の余勢を駆って自分だけが得をしようとする下品さもないし、なんか一見ふざけたような設定ながら堅実な話運びのように思える。

ポーション頼み#3

 城からの呼び出しではサブタイ通り言いたい放題、城を抜け出してからは住み込みの職場を見つけて裏で人助け。無双するっていっても制限通りの範囲内だし、それなりに見どころもあってろうきんみたいなダメっぷりは全然ないんだけど、なんか物足りないというか。豚レバが割と堅実なシナリオだったからそう感じてるだけなのかも。住み込みの職場を見つけた段階では異世界リタイアものとしてはそこそこよくできてると思ったのだけど、人助けの要素が出てきてやり過ぎと感じたのよな。そういや市場でスリにあった男の子が次のシーンでは手なづけられてたように見えたんだけど、これどういう経緯だったんだろ?。財布に仕掛けがしてって逃げられないというセリフからは決してあのまま男の子を許す雰囲気でもなさそうだったし、次回以降で説明されるのか、それとも尺の関係で省略したままなのか。

*1:当然彼らは資本主義国の豊かな生活も知っていたわけで

*2:冷戦構造が終わるまでは日本も合衆国と一緒になって世界から搾取をしてた側なので