ミギダリ#1

 双子の孤児のうち一人だけ引き取られたものの、二人一緒に同行してあたかも一人のように振る舞うというものらしい。原作漫画未読。孤児が生き延びていくために死力を尽くす…のがテーマっぽいが、なんかいきなりギャグテイストだったのでヘンな感じ。孤児であるということは親ガチャに負けた…というか、彼等は「奪われた」ものたちであって、もちろん奪ったのはカネ持ち連中であり、奪われた者たちが生き抜くためには奪った者たちから奪われたものを取り返すしかないというものだと思うが、作品に漂う雰囲気からこのギャグテイストがいつまでも続くとは思われないので、そのへん様子見。
 しかし養父母にとっては一人だけを引き取ったつもりでも、孤児院にしてみれば二人ともいなくなっているのがまるわかりなんで、これどう処理するつもりなんだろ?。時代設定が日本のバブル絶頂期で、登場人物がネーミングからすると日本人なのに毛唐仕草なのも気になる。

鴨乃橋#1

 漫画原作のアニメ化。推理した事件の犯人を死に追い込む探偵と、へっぽこ刑事のコンビものらしい。推理の様子は雑なんだけど、今回の話でいうと推理の一番のポイントをエピソードの急展開のポイントに据えて見どころを作るあたりに魅力がありそう。そういう話の構成にオリジナリティがあってこそのアニメ化なんだろうか。
 謎解きモノとしてはミステリ専業の商業作家に適うべくもないんだけど、目くらましが通用する漫画だとこの程度でも構わないような気はするし、犯人を死に追いやるシーンでは読者が望んでいそうなカタルシスを配置しているようなので、原作が人気があるのだと思うがそれもなんかわかるような気がする。

シャイ#1

 引っ込み思案のヒーロー少女の成長物語?的な漫画原作のアニメ化。最近は人のために働く…という段階はとっくに過ぎていて、人のために働いても便利屋として使い潰されるので引退してセカンドライフ…というのがなろうやラノベのトレンドなので、ちょっと人々を救うためのリーダーとしての心構えというのはたとえヒーローに現代性を持たせたところで古臭いテーマかなといった感じ。ただ、連載誌がチャンピオンなのでターゲット層小中学生と考えるならば、社会経験もないし単純な善悪二項対立的な世界観であることが多いと思うので、子供が喜びそうなヒーローは補助線として用意するけど、実際に語りたいのはヒーロー以外の周辺環境に目を向けさせることなのだとしたらそう悪くない筋立て。クレーマーやモンペのように、社会から収奪するばかりで、近代市民として社会の担い手にならずに受益者であることのみを追求するのはどーなの?…みたいな要素は、今回の、ジェットコースターで助けられていた少年が、引きこもりになった主人公の代わりに走り出す…というシーンに描かれているし、まぁそのへん様子見といったところ。

せまつか#1

 人間に負けた魔王が1000年後に少年の姿で転生して…という話。子供になった魔王が本当に強いのかどうかわからない状態ではあるが、強大な敵に攻撃しようとするところをヒロインに邪魔され、ヒロインは主人公をかばって死に、主人公は往時の力ほどではないがワンパン撃破してヒロインを生き返らせるシナリオにちょっと吹いた。まぁそれ以前に主人公を助けようとして、射線上に主人公がいるのにバンバン拳銃を撃ちかけていたのにも当惑したのだけども、これってヒロインはポンコツ設定なんだろうか?。
 この様子だと、かつて人間に滅ぼされた魔王が、今度は人間側について戦うって展開になりそうだけど、とにかく初手の今回は隠されている情報が多すぎて話の良し悪しを判断できる状況にないって感じ。なろう原作ではなく商業作家の作品らしいので、情報を隠しているのは意図のあることだろうし、これもボチボチ様子見といったところで。


とあるおっさん#1

 タイトル通り、リプレイ小説のようなものらしい。ゲームの裏をかく選択をしたらプレイが面白くなりました…という構図は防振りと似たような感じだが、印象は全然違う。主人公は他のプレーヤーから役に立たないとされる職業やスキルを選ぶのだが、ゲーム一般の話として、その職業を選んでしまったら全然プレイが楽しめないものを最初っから用意したり*1はしないので、そりゃゲーム上でなんらかの役割や意味、もしくは面白さが用意されてる筈でしょってなもんで、今回の話でもゲームアップデート直後の変更で主人公が急に必要とされる展開になったのも、ゲームが退屈しないよう運営がタイミングを考えていろいろ運用してるんでしょ…みたいなものが窺える。
 主人公が初心者イジメに遭ってるのはちょっといただけない*2のだが、まぁこのへんは話を動かすためのトリガーに過ぎないので気にする問題でもないかな。
 まぁ今のところ物語上の大きなミッションも見当たらなくて、ただ、リプレイ小説はセンスとかテイストがあえばダラダラシナリオを書き散らかしても気に入る人が一定数確保できればいいので、シナリオの良し悪しは様子見。
 今回ちょっと感心したのは、味と臭いをクローズアップしてたこと。HMDはおそらく視覚情報と聴覚情報しか対象者に刺激として認識されないみたいな話は先日したばっかだが、嗅覚については昔PCに接続してネットで嗅覚情報を受信して臭いを合成というか調合する周辺機器があったので、まぁありえなくもないかなといったところ。それでも食べる感覚は歯ごたえだとか実在する物質を知覚することや、モノを実際に口に放り込むわけでもないので辛酸甘苦渋のような味自体もムリ、満腹中枢を刺激するのも無理だから、土台不可能って話ではあるんだけど、それさえクリアすれば人間は食べ物の味は、味覚より嗅覚のほうで認識する度合いが強いので、可能性としてのハードルは高くはないかなといった感じ。まぁ十字ボタンで移動方向を、ボタン一押しで剣を振ったりキックしたりで十分で、わざわざ随意運動を正確にトレースするなんてCPUリソースや通信帯域の無駄でしょという感じではある。
 まぁ転生後とかゲーム上とかで魔王を討伐するなどのミッションを設定して、主人公のリソースはそのために費やされるのではなく、神拾みたいにむしろ居心地の良い共同体を作るなり見つけるなりして、より良い関係性を作っていきましょーみたいな話になるのかもという気はする。知らんけど。

わたおし#1

 なろう原作のアニメ化。タイトル通り女である主人公が悪役令嬢にウザ絡みする話のようだが、主人公がゲームをやり込んで悪役令嬢の魅力を既に知っているから、あとはそれを今後の話で小出しにしながら…ってとこだろう。というかもう初回で主人公がヒロインを好きな理由がダダ洩れしてる。基本はツンリゼと似てるような気がするが、ツンリゼは「間接」がテーマで本作は「直接」がテーマっぽい。
 なんか先が見えた気がしたからあとは退屈するかな…と思ってたら、今回の試験勝負でちょっと引っかかった。負けたら主人公は退場という約束なので、フツーに考えたらここで主人公が負ける展開はあり得ないし、おそらく勝ったと思われる結果になっていたようだけど、主人公がヒロインに勝って、ヒロインが悔しがる様子を見て主人公が満足するのか?とちょっと疑問に感じてたから、読者にある程度っ考える余地を与え、やはり答えを焦らして気を引くスタイルのような気がする。
 主人公は乙女ゲーをやっていたのだから、そもそもゲームを手に取ったのは王子様目当てだったろうし、やり込んで推しを切り替えたからにはそれなりの理由が用意されているはずで、それがヒロインと主人公に似た要素があって共感できるからなのか、それとも主人公にはないものがヒロインにあってそこにあこがれているからとか自分の気持ちを代弁してくれるからなのか、まぁ気にならないわけではないんだけど、そこは物語の構造を変化させるものではないので、多くを期待しないほうがよさそうな感じではある。

*1:意味のない要素を実装したら、それはゲーム開発のリソースを無駄に消費するだけなので

*2:こういうのを放置してると新規参入者がいなくなるので運営が最初っから対策してるか、見つけ次第BANするとかの対応をする