俺自販機#11

 ホラーがテーマの領域を探索するの巻。この作品世界の「階層」とやらが、ファンタジーRPGにおけるダンジョンであって、キャラ達はその単ジョン内部に住んでいるようなものであり、階層内のモンスターはもれなくホラーの死人という要素がありそうだから、今更怖いとか言われても…。ダンジョンのキャラ付けそんなに難しいか?と思ってしまうけど、そのへん読者にウケるかどうかも博奕ではあるので、いくら理屈からしてオカシくてもやってみるしかないってところではある。ゾンビには魂が無いから魔道具に興味を持たないと説明しておいて、ゾンビの子供との触れ合いとかも個人的にはうーん、って感じ。そもそも今まで階層内の敵と心を通わせるシーンもその可能性もなかったでしょ。敵に追い詰められてヒロインは窮地に陥って、まかり間違えば死んでしまうところだったわけで。まぁこのへん前回も言った通りネタ切れで、当初に立てた原則を守っていたら使える素材がなくなってしまうってところなんだろう。そのへんは使えるリソースをすべてシナリオに投入できる商業作家とか、商業作家でなくても能力でカバーできるそこそこのライターでなければ、思いつきを系統だてて組織化し、そこから魅力的な物語を紡ぎ出すにはしんどいってところかも。そのへんなろうは質の良し悪しを問うより、発想の実験場って意味合いが強いから、そのへん細部に亘って練り込みが十分でなくても構わないっちゃぁ構わないとは思うけども。
 次号予告のAED設置場所となった主人公の立ち姿を見ると、次回誰かが瀕死の重傷を負ってAEDで一命をとりとめるって展開になりそうだけど、これも個人的には苦しいかな。やはり貨幣との交換という要素を崩すべきではないと思うし、それとは別に、主人公が自販機として便利になればなるほど、周囲は便利屋として主人公を認識してしまうし、主人公も便利屋としての機能が全くなくなった人間としての自分がますますみすぼらしく見えてしまうんで、その辺の葛藤を深めていくつもりがあるならともかく、どうせどっかで見たようなエピソードでお茶を濁して、極力読者にストレスを与えないようぬるま湯的な表現に終始するんでしょってなもんで。いやまぁ上記の通り、自分の発想を単に形にしたかっただけだからなろうに発表した…ってんでも個人的な動機として全然構わないんで、別にこの作品の文学性を高めなくったってそれは作者の一存でやって構わないわけで…。

白聖女#10

 帰宅してしばらく主人公二人の生活を送り、間もなく貴族娘と男の親友が到着する話。まぁ別居を選択したのは主人公二人っきりの状況を確保するためだろうし、落ち着きどころとしてはこんなもの。あと数話で終わりだけど、どういうイベントを持ってくるのだろうか。今回主人公二人の関係性をはっきりさせることにまたまた失敗したし、アニメの〆だからといって残り話数で確定させるとも思えんしで。

わた婚アニメ#11

 ヒロインと親族が延々こだわりごっこをやった末、あれほど嫌がってたヒロインと旦那を引き合わせてしまう話。えー、これがいい話なの?って感じ。ヒロインを救出する際に天皇が力を貸してくれるんなら、ヒロイン母が健在で実家が貿易事業に失敗したときに貸してくれてたはずでしょ。というか官営工場払い下げ事件のように、事業が失敗する前に公金チューチューさせてくれるのがこの国のやり口なので、せめて異能者云々の役目があるなら、貿易事業が失敗したらそれを止めさせるだけで、そのお役目だけに専念させて維持費は税金で払うでしょ。ヒロイン母も自分が何を期待されて政略結婚させられたかを承知の上で自分から自分の体を実家を助けるために利用してたのに、いざその期待されたことが実現してしまうと自分から暗黙の了解を放棄して台無しにするとか我儘すぎる。
 結局序列最上位に君臨してるはずの天皇を筆頭に、ヒロインを取り巻く関係者が旦那を除いて全員マネジメントもトリートメントもクラッシュ状態で、システムとしての組織が前近代並みに組み上げられてたらこういう問題自体が起こってないデショってなもん。
 ヒロインを不幸に追いやってた関係者が何かしら反省しているようで、全員ダメな理由の本質がわかっておらず、自己弁護のために外部から役割みたいなものを持ってきたり、今更優しい態度を取ってみたりと、それが人のためという体裁で自分に酔ってるだけで、ヒロインではなく自己弁護の為でしかないから、そりゃヒロインもそういう連中と一緒にいたくないデショwwwというのは非常によくわかるんだけど、まぁ得てして能無しなのにマウンティング大好きな欲深ほど権力を握っているもんだし、単にヒロインに人として当たり前の温情を示したのが旦那なわけだけど、現代的感覚からしても、いや昔の方が行き倒れの人を情けで介抱したりしてたわけなんで、そんなあたりまえのことでよろっと来ちゃうヒロインも大概チョロいよな…という感じ。で、これが累計700万部というからもうね…。

アンファルス#10

 窮地に陥った陰険メイドが人狼に救出され、彼等のトラブルに巻き込まれる話。人間の村で起きてる事件と、人狼の村で起きてる事件がおそらく何らかの対応をしてるんだろうし、その構図が面白そうな感じ。わざわざホームズやルパンなんか出さなくても、オリジナルでこんだけ面白いシナリオになるのになんか節操ないな~とは思うが、既存キャラクターを出した方が客の食いつきがよいって事情もあるんだろうから個人的には複雑な心境。