推しの子#10

 ユニットとしてデビュー直前まで。赤毛ボブ担当回で、外形的には彼女めんどくさい女みたいな描かれ方だけど、作中では彼女の苦悩や葛藤が言語化されてるから悪印象はないという。妹ちゃんも前世のことを語りだして、話としては溜めの段階だけど、飽きさせるということが無かった。

爆焔#12

 とりあえずの見せ場を作って、このすばメインキャラに合流まで。個人的には見せ場なんてなくても良かったのだけども、それでは1クールのラストとして締まらないからなぁ。まぁエンタメとしてストーリーは微妙なまま終わった感じだが、結局自分的にはもどかしいながらもいつも惹かれるものがあって不思議な魅力があったかなーという感じ。主人公の立志伝という形だったわけだけど、おそらく社会や時代に「器用にい㌔」と言われてるのだろうけど、それに唯々諾々と従ってたらそれは自分ではないという若さ特有のこだわりみたいなものがあって、かといって反社会的行動に出るでもなく、彼女自身もおそらく自分の行動が他人にどう見えているかは分かった上で好きなようにしてる…みたいなそんな生き方なんだろうな。で、使いどころの限られてるスキルが行く先々でなぜか重宝されて活躍の連続…みたいなファンタジー特有の痛快さが無くって、だからこそ主人公が読者にとっては遠くの存在ではない…という立ち位置だよな。
 まぁ最近の若者は何物にもなれぬ自分に対するいら立ちみたいなものがあるみたいだけど、少なくとも主人公は何者かになるための努力はしているし、で、その実本当に何者かになろうとしているかどうかについてのプライオリティが最上位かと言うと、おそらく彼女のこだわりである爆裂魔法が使えればそこそこ満足…みたいな肩の力の抜け具合がね…。というか、何者かになりたい若者って、結局そのために自分が本当にこだわりたいものを身につけるんじゃなく、周囲にそれが有利だからとかとか流行だからといってそれに振り回されて、で、大して熟練度も上がらずそれで競争に負けてしょげてるものが大半だろうから、そういう意味で主人公は対極にある生き方ではあるんだよな。
 さきほど原作者の経歴をWikipediaで確認したんだけど、最初は持ち込みで入賞はせず、なろうでアカウントを作って作品を発表してはアカウントを削除…というのを何度か繰り返し、で、今や代表作が人気作となった作家なので、好きなことを諦めずに追及してそれである程度目標が達成されたという経歴はある意味主人公にも通じるものがあってなんか感慨深いものがあった。