アリスギア#12

 無事取り戻してEND。こういう結末ということは、主人公はアニメオリキャラで、サービスの方でもユニット化は難しいということなのだろうか。結局シリアス展開のまま終わってしまったわけだが、こうなると主人公はやっぱり何物にもなれない自分に悩む昨今の若者の有り方を背負ってるんかな?。やらかしても戻ってこいみたいな周囲の態度は、最近の流れだと退職金にも多額の税金をかけるぞと終身雇用制を否定してきた自民盗の有り方と対極の有り方というか、従業員は全員45歳でポイ捨てだ!という大企業のありかたとも対立していて、なにかにつけ社員を切り捨てようとしてくる会社ではなく、最後まで社員の面倒を見ようとする組織という提示だろう。ただ、このアニメが企画として主人公を使い捨てのオリキャラにしてるってところがなんか矛盾してるように思うが…。やっぱりサービスの方でも新キャラとして登場?。
 整備員は何らかの外注を受けて仕事をしてたみたいだけど、搭乗員は基本やることが無いからダラダラした日常を送っていて、業務に関係ないイベントに巻き込まれたり巻き込んだりしてたわけだけど、そのおふざけな日常でも、主人公は何かあったら類稀なる身体能力や即応能力を見せる搭乗員たちを見て、なんらかの焦りなりコンプレックスを感じていた…ということのようだけども、まぁそう言われたら確かにそういう構成になってるなとは思うが、主人公は新人だし、実戦を通じて経験を積むことができないんだから、まあいろいろできなくて当然なのでは…とも思ってしまうんで、なんか尺の使い方が贅沢というか、主人公は悩んでも仕方のないことで悩んでいたのだし、ピンク髪の搭乗員に気付いてあげられなくてゴメンねというのも、たんなる視聴者に対するエクスキューズだよね…みたいな。
 評価はなんか難しいというか、当初に述べた通り、こういうグダグダした日常をメインにしたのはそれほど間違ってなかったというか、機械生命体とのバトルをメインにされるより確かにマシだったなという程度で、この作品がエンタメであるから基本視聴者にギャグとして笑ってもらって楽しんでもらうという意味では方向性としてやはり間違ってなかったとは思うんだけど、主人公に仮託された、若者としての悩みをラストであれだけ取り上げるんだったら、もうちょっと毎回のお話にも込められるものはあったのでは…という気がしないでもない。ただ、難しいのは上記で述べた通り、日本は社員を使い捨ての駒にしていきましょうという絶賛キャンペーン中なのであって、理想の組織を描いたところでそれは所詮画餅でしかない。なので、主人公以外の社員を理想として描きながら、結果として主人公が会社にいられないという形でリアルを描くというのは、いやまぁ個人としてもどかしくは思うんだけど、そうするのもよくわかるというか。で、思いの強さだけでいた自分を反省し、即戦力として使える人間になってまた戻ってきますというのは時宜に合ったメッセージにはなっているというか、個人的にいわせてもらえば、いや仕事って実務に携わりながら自分が持っているスキルと現実とのすり合わせをして行く形でないとスキルは上がらんだろーとも思うんで、いやこれもまた、企業は今牙を剥いてる最中なんでそんな甘っちょろいこと言っても仕方がないだろうというのもまたリアリティなのであって、なんか世知辛いなという。
 そういった意味ではまた単純なおふざけアニメというのではなく、それなりにペーソスも織り込んでいたのだろうなというそんな感じ。

公爵邸#11

 公爵が兄の国王から別れろと言われる?話。公爵邸に行った理由がなくなったらポイ捨てとか、そういう意味のタイトルだったのだろうか?。アニメ版はとりあえず次回で〆だけど、シリーズは続いているようなのでそのへんはまぁ。
 もしかして物語世界の原作の本来のヒロイン、主人公を排除する方向性なのかな?。今まで悪役令嬢は本来のヒロインとむしろ仲良くなって…という展開が多かった印象なので、そうだとするとそれはそれで新鮮だな。まぁ物語としては物語に割り込んだ主人公と、原作ヒロインがキャットファイトをやる方が、らしいといったららしいのだけども。

熊パンチ#12

 片方の領主を懲らしめてEND。大枠は水戸黄門展開だし、なんか主人公が善玉側から褒めたたえられて終わるのは予定調和過ぎて物足りないというか。2期は主人公の社会化の物語という気がしてたのだけども、もしかしてそういう雰囲気を最終回でわざと振り払ったとかそんなのだろうか。
 ろうきんでもそういう構造だったのだけども、結局のところ自分の身を助けるのはコネである…という話で、この物語だと主人公はゲーム世界に入り込む前でもデイトレードで億万長者だったし、若者に社会化の必要性を説くにしても、そういう自分の初期設定やステータスがある程度高くないと社会に溶け込むのも難しいとか、ちょっと主張として厳しくないですか?という気がしないでもない。家庭ではDVを受け、学校に行ってもいじめられるばかりの人がこの物語を見ても何の救いにもならないような気がして、そりゃ全部他人任せでいいわけではないけど、親が上級国民か、それともカネをもってないと…みたいな初期条件は、まぁ現代の若者が言うところの親ガチャにすぎないわけで。原作がラノベだから、それを読んでる層からしてそれなりの識字率というか、たとえわずかでも文化資本があるから、まるっきりの弱者はターゲット層ではないと言われたらそうなんだけど。

いせれべ#12

 王女暗殺騒動の顛末。いちおう次回で最終回らしいけど、ここで終わるんだろうか?。フツーに気になる人は原作読めで終わりかもしれんけど、よくわからん感じ。前も言った通り、大きな枠組みはご褒美パートが続く花咲か爺さんでしかないが、読者もそこはもう当たり前と受け取ったうえで、原作者がそこから話を広げていく手法に長けてる感じなので、興味は尽きないという方向性でダラダラ続いていくんだろうという感じ。
 しかしなんやろ?、王女が冒険者登録するのかもと何度も思わせて、結局しなかったところといい、ホンマ手玉に取るのが巧みやなという。