2ndQ2023アニメ新番チェック&1stQ2023アニメ終了番組まとめ

ポールプリンセス ~Ep.6

 Youtubeオリジナルアニメで、タイトルの通りポールダンスを軸とした映像コンテンツ。自分もずっとポールダンスはストリップの延長線上にあるものと長らく認識してたんだけど、数年前かそういうのではなく競技スポーツとしてじわじわ展開してるという話は耳にしてた。とはいえ、なかなかそういう認識からは抜け出せないだろうなと思っていたのだけども、今回このコンテンツを見て案外イメチェンに成功するかも…と思ってしまった。
 ドラマ自体は紹介が主なようで、そんなに話が練り込まれてるわけでもない。映像も素人が作ったにしては出来が良いMMDみたいなものなんだけど、これ、おそらく実際にダンサーに踊らせてモーションキャプチャーしたようで、案外体感するよりはコストがかかってる模様。
 ちょっとびっくりしたのは、エロから脱却できないだろうと思ってたら、器械体操、バレエ、日舞、アイドルステージダンスなど、エロではないステージパフォーマンス要素をふんだんに織り交ぜて、上品に演出されてること。エロコスを着たらそれはそれでそういう方面になってしまうとは思うんだけど、そういうのを廃して遠景で見たときに、人体のシルエットとしての美しさを表現できるんだなと思い至った次第。なんにせよ「見せ方」の問題であって、振り付けや演出って大事なんだな…みたいな。公式チャンネルではアニメエピソードだけではなく、「ポールダンスショームービー」という項目で動画が公開されてるので、ただのポールダンスだけではなく、歌や、ポールを使わないダンスなんかとも組み合わされて、たしかにショー要素として総合芸術的な何かになってることがわかる。
 なんか見る前はちょっと侮ってたけど、こうやってチェックしてみたらそれなりに魅力は伝わったよ…みたいな。

バディダディ#12

 組織からの足抜けを承知させて幸せに暮らしましたとさ…の巻。うーん、自分は主人公二人もしくはょぅι゛ょも含めた三人が殺されるor黒髪主人公が父親をブチ殺すの二択と思ってたので、中盤まではおー後者かぁ…と思いながらワクワクしてたんだけど、結局殺されたのは家族関係のないわき役だったのでなぁんだ…みたいな。足抜けするものが組織にとって脅威ではない…ということを示したから許された…みたいな論理構造なのだとは思うが、組織がなんで足抜けを許さないのかというと、それは脅威になるならないではなく、構成員がやめたいときに好き放題やめる…ということになったら組織が維持できないからなのであって、だからこそ組織は組織内で結婚するのでなければ、基本的に外部の人間と結婚なんてよほどのことがない限り許さない、いわゆるファミリーこそが家族という縛りを課してるのであって、ありえん展開。黒髪主人公が父親のところに乗り込んでいって、息子が他人と家族関係になろうとしているのに、実の父親が息子を殺すか実の息子が父親を殺すか…という対比や相克で見せ場を作るのかも…それならなかなかにしてシナリオ気張ってるな…と期待もしてたのに、水は低きに流れてしまったというか。
 まぁライターもそのへんわかってないわけはないから、そんな小難しい理屈をこねまわしても視聴者は混乱するだけ、なにより最初っからょぅι゛ょハ神聖󠄁ニシテ侵󠄁スヘカラスという態度だったし、ょぅι゛ょも含めたメインキャラが幸せになることを視聴者も期待してる(というかそういう視聴者だけがこの作品を見続けるので)ので、最後の最後で、視聴者に頭を使わせるような展開は持ってくるつもりはなかったと思うしかない。
 あと前にも言った通り、主人公二人がょぅι゛ょをかけがえのない家族として大切に思っているように、オマエら二人が殺し屋として殺してきた人たちにもオマエと同じようにかけがえのないと思っている家族がいたかもしれずで、殺し屋として人を殺すということはそういう気持ちを踏みにじる行為なわけだが、自分達が家族の大切さに気付いた今ですら、自分達のその所業について反省するとか後悔するとか、そういう贖罪的な描写がひとっつもなかったよね…。今まで無下に人の命を奪ってきたけど、大切な家族ができたから、殺し屋をやめることで許してください…というかその許してくださいという要素にすら触れてなかったわけだが、そんなことでいいの?みたいな。
 なんつーか、自分が幸せになるんだったら他人は死んでも一向にかまいません、なぜなら死人に口なしだから…みたいな流れがみえて気持ち悪いんだけど、全体的には中盤から話が落ち着いて、展開自体はそんなにケチをつけるものではなかったから、なんで一番大切な部分から目を逸らせてしまうかねぇみたいな。下倉バイオも、エロゲライターならそのへんの筋を通すことぐらいは承知してるハズなので、この分だと彼が構想してたものがプロデューサー会議とかでいろいろその描写は視聴者が望んでないから…とか、どぎつい表現は嫌われるから…などと変更を余儀なくされたのかもしれんねぇ。しかし、現に娘を捨てた、自分の歌手としてのキャリアを諦めなくないからと酒場でやさぐれて他人に八つ当たりしてた母親が、実はょぅι゛ょを虐待はしておらずそこそこ大切に育ててた…ってことなんだろうと思うんだけど、主人公にょぅι゛ょを引き取らせるための筋道づくりのために殺されてしまう*1って…。主人公周りは人殺しなのにほとんど生き残ってるわけだろ?、人はかくも身勝手なものである…とか、とかく人生とは理不尽なものである…って主張ならそれもまたよしなんだけど、そういう雰囲気の作品じゃないよね…。

2ndQ2023アニメ新番チェック

 ギガジンさんとこで全体をざっと見渡してみたり、しょぼカレでリンクを辿って公式にいったりしてたんだけど、なんか全体的にこうだみたいな感覚は掴めない。思い付きでつまみ食いして言及してみるがご勘弁を

  • 爆焔 当然視聴
  • まほよめ、第1期主人公が救われるべきキャラだと思ったら地雷女と判明してビックリした。その流れで結構楽しみにしてる。
  • アリスギアアイギス 2期かと思ったら初アニメっぽい。いちおうチェック
  • 熊4続編 正直1期でおなかいっぱいだがちぇっくするつもり
  • 水星の魔女 コロナ禍で延期してただけ
  • 僕ヤバ 実は原作を読んでいたのだがいつのまにかFOしてたので視聴するかどうかは半々ぐらい
  • バディゴル2 当然視聴。これもコロナ禍延期作品らしい
  • トニカワ 当然視聴
  • 公爵邸 いちおう視聴の予定
  • 江戸前エルフ 詳細不明だが結構楽しみにしてる
  • 王ラン2 視聴したくない気持ちが大きいが、ダメさを確認するために視聴するかも
  • 夜猫 第1期は実はすべて視聴済み。おそらく2期も感想書かないと思う
  • ポールプリンセス 案外よかったから続けて視聴するとは思うけど感想は書くかどうかわからん

 あとは適宜気が向いたら視聴みたいな。なんつーか、だんだんシリアス系の作品がツラくなってきた。コメディ要素多めの軽い作品の行間にシリアス要素が混ぜてある程度の作品がええなぁという方向性かな。ただ、そういう作品を拾い食いしてるとなろう系がよく引っかかるし、なろう系は一芸特化で全体的な構成がダメなものが多い印象なので、意識して減らさないとな…とは思ってる。
anond.hatelabo.jp
 面白い作品も当然期待してるけど、こういう感じもわかるというか。

1stQ2023アニメ終了番組まとめ。

 久保さんとかコロナ禍の影響で延期になり、本来今頃終了する番組がだらだら続いているのだけども、とりあえずケリをつけておこうと思う。

  • 異世界おじさん こういうマニアックなのが大ヒットするはずがない、自分はセガに好意的だからネタとして楽しめるけども…と軽い気持ちで視聴したら大当たり。現世でも魔法が使えるといったファンタジーだが、異世界に旅行に行ったおじさんから土産話を聞く…というスタイルだよね。なので、現世パートは個人的にはイマイチだったんだけど、異世界話の息抜きとして機能してるから特に問題もない。
  • いつ海 個人的にはセリフに頼らず、映像や演出で語る部分は嫌いじゃなかったのだけどもテキスト部分も出来は正直よくない。ゲームや史実を知らないと全然面白くないと思う。1期よりはよかったかな。
  • 最強陰陽師 転生先で自分が矢面に立たずうまくやる…のだけども、けっきょく巻き込まれるのは仕方がないというか。そのドラマ部分の練り込みはそこそこなので印象は悪くない。
  • バディダディ 最初のうちはテキストが荒っぽいのだけども、終わりにかけて落ち着いていったとは思う。ただ、子育て礼賛部分が鼻につくのとシナリオの帳尻の合わせ方はイマイチ。アキバ冥途戦争というテキストが作れるのになんでこれはダメなのか、社外からライター呼んできてこれでは世話ねぇなという感じ。
  • とんでもスキル 最終回感想で述べたが、異世界でのんびりの作品の中ではよくその方向性でまとまってた。本当にのんびり時間を費やすだけでは退屈するから、ダイナミックな部分を作らなきゃならないが、新しい世界を知るという処理が上手くハマってたと思う。
  • AUO 転生後の人生は自分のためだけに生きる部分に期待してたのだけども、後半は全然アカンかった。シリアスとコメディの相性もイマイチ。問題提起の部分に見るべきところはあるが、ファンタジー色が強くてこれも良さに繋がってない。
  • トモちゃん 成長モノとしてはよくできていた。これも最終回感想で述べたのだけども、個人的にはコメディ部分をもっと楽しみたかったなぁ。
  • 虚構推理2 続編があるのかもしれないが、ドラマとしてはよくできていたがどれも小粒。1期のような都市伝説が現実化とか、ネット社会の影響とかの切り口がおもしろかったけど、1期はうまくストーリーとしてまとまりがついてなかったと個人的には思うので、こぢんまりまとまるのとどちらがイイかと言われると微妙。
  • D4DJ2 クラブ文化とか、とかくストーリーとしてまとめにくいと思うけど、いろんな要素を織り込んで一つのストーリーとしてよくまとめていた感じ。クラブ文化に興味が無い人はどっちにしろスルー推奨かな。
  • テクノロイド おおきなおねえさま向けとしてどう展開するのか不安だったけど、社会問題に良く切れ込んでいたと思う。メインの四体のアンドロイドたちには「貧困のため結婚できない若者」問題が子育て支援批判ともつながってるのは都度感想では書かなかったが、もう貧困や格差問題についてよくこれだけ主張したわ…みたいな。それをやれ婚活で相手の年収は1000万とでも言いそうな女の視聴者に突きつけるんだからよーやるわ…って感じ。
  • 草ドラ 大陸で先行配信なのをカドカワが日本で再配信。半分ぐらい視聴してたのだけども、まぁ無難にまとまってた感じ。原作は日本のなろうだし。
  • 長瀞2 これもマンネリをそこそこ回避しながら続編としては無難にまとまってた。
  • 神拾2 1期のノリが好きな人にはお勧め。典型的な優しい世界であって、特にブラック社員への鎮魂歌としてはよくできているのだと思う。
  • 便利屋斎藤 ここではないどこかに自分を必要としてくれる世界があるかもという夢を見させてくれる作品かな。物語としてのテンポ感が個人的には悪い…もちろん制作はわざとやってるのだけども…のだけども、コメディとしてはこんなものかと。
  • 暗黒兵士 結局家族関係に収束していくので、下手したら結婚できない若者問題が持ち上がってる現在、ちょっと時代からズれてるかもと思わなくもないというか。ご都合主義なのは最初っからわかってるのでそれを許容できるならそんなに悪くないのでは。
  • お隣の天使様 キャラ達が抱えてる問題はたいしたことないし、ストーリーはもう甘々のラブロマンスなんだけど、なんか集中して視聴してしまう。まぁ都度感想で述べた通り贈与の連鎖部分は気持ちがイイんだけど、その部分こそファンタジーだしな。
  • 氷属性男子 これも話としては大したことがないんだけども、ヒロインがクール系で恋愛に血道を上げてる風でもないのが物語として落ち着いていたのと、個人的には当世若者事情として視聴してたからそんなに飽きることはなかった。
  • ろうきん 荒唐無稽なのは最初っからわかってることなので、そのハードルを乗り越えられるかどうか。テーマ自体は人生にとって必要なのはカネだけではないというオーソドックスなものなので、物語の大枠として破綻してるわけでもないと思う。
  • 利便 物語として整ってはいるんだけど、サイコパスを手掛けた虚淵がシリーズ構成というのが念頭にあるので小ぢんまりまとまってるのがちょっと物足りない。時代劇が地上波で絶滅に近い状態なので、そういうところに光を当てていたのは評価したい。
  • 砂糖林檎 もしかすると続編は視聴しないかもしれないので一言書いておくと、物語の定石に従ってるしこれも仕事観を織り込んでよくまとまってはいるんだが、メロドラマ部分にちょっとしたストレスを感じた。そういうスタイルなんだろうと思うが、カタルシスの場面で突き抜けてくれないんだよね。それが余韻として残るのならいいんだけども、話に勿体をつけてると感じてしまうからなんか惜しいなという感じ。
  • のんびり農家 これも都度感想で繰り返した通り、人類発展史として余計なドラマ部分を廃したのが個人的には心地よかった。これものんびり要素をうまく生かしてたな…。
  • ツンリゼ ドラマとしては奥深さにイマイチ欠けるというか、発達障害っぽい雰囲気がそこかしこに見られてちょっと不穏だったのだが、勢いで突っ走って完走した感じ。自分は物語論みたいなことをやるのかなとも思いちょっとは期待してたのだけども、その要素は希薄だったような気がする。
  • おにまい まぁストーリーに意味合いとかメッセージ性に期待してると甘利益はないかなという。映像はともかく間の取り方は秀逸なので濃密な時間を味わえる。
  • 転天 まぁ百合要素をやりたいんだろうなとは思うんだけども、結局キャラ達の激情に自分はついていけませんでした…という感じ。
  • 人間不信 人間ドラマとしてそこそこよくできているんだけど、どうしてもタイトルにあるのに、おまえらいつ世界を救うの?と気になって仕方がなかった。
  • イカード アメリカンドラマとしては全然物足りないし、劣化コピーを乗り越えるだけのオリジナリティは感じなかった上に、物語に「大人」がほとんどいなかった(思いつくのは隠遁生活してた女カード使いぐらい)のが気になった。続編は見ないかも。
  • 大雪海 物語としては頗る物足りないのだけども、映像のスケール感は特筆すべきものがあったと思う。中途半端に終わったのも劇場版に続くという流れらしいが、たしかに映画館で視聴するとあのスケール感の表現に深みが出ると思う。でもお話がねぇ…。

 残り視聴中なのは追加してくつもりだけどどうなるかはじぶんでもわからん。


 アルスの巨獣、閃の軌跡オーフェン、ニールオートマタ、もののがたり、ノケモノたちの夜は結局確保はしたものの視聴するには至らなかった。おそらくFOしそうだがニールオートマタはまだ頭の片隅に見なきゃみたいなものがあるので気が向いたら…。あと、うる星やつらとかも結局視聴してないなぁという。


 今期は日常系で話をそこそこ作り込んでた作品の印象が良かった。ちょっと前にも言及した通り、今、自分はシリアス系の作品の視聴ハードルが高いのだけども、ビッグタイトルみたいな作品も少なかったのでは…とは思う。

*1:母親が娘を引き取りに来た時に、主人公二人がきっぱりょぅι゛ょを諦めて殺し屋に専念してたら、主人公とょぅι゛ょは二度とは会えなくなったろうが、ょぅι゛ょと母親は幸せに暮らしました…という結末になったハズ