いせれべ#1

 異世界で無双なだけでなく、現世でも能力が持ち越されるご都合主義モノ。なんかこれもキタかという感じ。仁藤が弱者男性を叩いて悦に入っていたが、その実公金チューチューするための貧困ビジネスで、ずさんな改憲管理が明らかになってしまうと周囲に当たり散らす迷惑女だったというタイミングにピッタリ。さすがにこの件でアニメ化はタイミング的にないけども。
 異世界に転生しないし、現実社会とも自由に行き来できるんで、ろうきんあたりと構造は似通っているんだけど、こちらは弱者男性にフォーカスを当ててるし、ルサンチマンを拗らせるのではなく、社会道徳的に正しい行いに添ってるしで、むしろ読者が主人公に重ね合わせてルサンチマンを発散させる類のもののようにも思える。ただ、主人公が今回変身を遂げるのだけれども、話の上では勝手に身体改造が起きたとなってはいても、いちおう初歩から訓練する姿は描いていたから、結局のところ本人が努力したことは間違いないけど、特訓の成果が出るまで納得のいく描写は面倒だからテキスト上でも省略しましたってことだろうね。デブであるというのもよくわかんないのだが、普通一般家庭でそれなりに子供の成長に気をかける親だと、肥満でも病院に行って相談するし食事療法もやるはずなので、主人公の気弱ではあるが祖父の言葉に耳を傾けてるところを見ると、両親が気にかけていれば肥満になることもなかったはずだし、両親がそういうネグレクトというかDV親だからこそ主人公は浮かび上がらなかったし、祖父もそういう両親の性根を見抜いていたからこそ財産分与もしなかったんだろうな…というエクスキューズはできていると思う。
 祖父が死んでから周囲からは無視かイジメられるかのどっちかだったわけで、それで社会や世間を恨んでもいいはずなのに、それをうまく昇華してるところ、現代小説というよりは昔話の変身モノという感じだけど、結局のところ原作はともかくこの作品をPickUpしてアニメ化した意図には仁藤らキチフェミDisというよりは山上徹也リスペクトの側面は大きそうだよね。

スキロー#1

 高校生活青春モノらしき話。主人公は(地方からのお上りさん)女の子だし、その割には恋愛方面というよりは友人関係という要素が強いように思うんだけど、それなりの高学力層が通う学校ならではの個性のぶつかり合い見たいなものが想起される作品。自分が大学の時、ある教授の授業で「できるだけ上の学校へ行っとけ、オモロイ奴が多いし、最終学歴の友人関係が一生続くから」という箴言を得たが、大学でその話はもう遅いだろwwwとは思いながらも、こうやって卒業後何十年も経つとその重みが歳を追うごとに深まるという。
 なんのかんのいって恋愛感情を織り交ぜるんだろうけど、基本そういう話だと思って視聴していくつもり…だったのだけども、さっきこんなエントリーを見かけてしまった。
m-dojo.hatenadiary.com
 原作者女の人なのね…。関係性の描写からそんな感じは受けてたけど。ただ、作劇の面白さとかは男女あまり関係ないように思うんでそれはまぁ。現代的な要素は織り込んであるけど、関係性の大枠は自分が高校生あたりの頃と変わらないように思うし、今の動物園化した東京の公立校(公立校にもハイレベルなところはあるとはいえ半数以上が動物園らしいので)や、スクールカースト化したクラスに対するアンチテーゼなのかなと思ってみたり。
 #1の出来からするとそんなに話としてダメな感じはしないし、おそらく言及することはないと思うんだけど、いちおう都度感想を書くつもりで、でももしかすると書かずに済ますかもといった態度で…。