うらみち#8
うらみちがカラ元気になるも…と公開イベントの巻。なんか今回はキレッキレな感じがした。テレビなんてDとADの差が激しいというし上下関係厳しいんだろうなとか。
そういや子供は毒を吐く割に番組進行には素直なんだなという感じ。
精霊幻想記#8
主人公の(転生後の)生まれの秘密の巻。うーん、そうくるかーって感じ。幼少時から物腰が穏やかだしそういう設定があったんだよというエクスキューズはされているんだけど、転生前のときにそういう身分ではなかったから違和感はある。というか、転生後にどん底だからこそそこから這い上がることに意味があったわけで、最初っからそういう設定だったら、しなくてよい努力に試練だったのでは?という気がしないでもない。っつーか、海賊王女でも思ってたんだけど、いくら行方不明扱いであっても調査能力ザルだろーみたいな。前回までの話では、自分てっきり主人公の父母出奔の理由は他国に対するスパイ工作員的な何かという事情だったんだろうぐらいに予想していたから、そのへんの意外性はしてやられたりなのかなとは思う。
御前試合あたりも、主人公の身分からしてもうっかり怪我をさせてしまうわけにはいかんだろうし、ましてや実力がわからないのだから全力で相手するわけにもいかんだろうしで、そのへんは言語化こそされてなかったけどうまく描けてたのかなという感じ。別に一定以上の実力があることがわかればいいのだから、だれが勝つとか負けるのは二次的な意味しかないだろうしで。
些末なことはまぁそのへんとして、今回のキモはやはり復讐が大きなテーマなのかな。今までだったら復讐は何も生まないって教義ありきで、赦しがテーマになっていたと思うんだが、いちおう、復讐はやめておいた方がいいんですよというエクスキューズをしたうえで主人公に主張をさせるというのは、やはり時代が変わっているんだろうなという。結局ねぇ、復讐NGとしてしまうと、最初にイジメたやつが有利で、やられた方は復活の機会が奪われるだけなんで、格差が拡大するだけなんよね。結局日本でも戦後体制に移行して、高度経済成長期はとにかく近代の恩恵が全国民にまでいきわたることで物質的な豊かさで誤魔化されてきたんだけど、一億総中流が達成され、その後のバブル崩壊以降、あの庶民までそれなりに豊かだった社会が、格差拡大傾向がとまらなくなってしまってるんで、その総決算というか総括の最中なんだろう。要するにやりたい放題やってきた連中の無法を許してきちゃったからこの惨状があると。おいたをしたらその時に〆とかないと、なにやっても復讐は何も生まないと言っておけば反撃されることもないというのが成功体験になってしまって、無責任でいられることが社会を破壊してきたとそういうワケ。
あと、異様なのはやはり裁定機関がないこと。これも現代の裁判所が特権階級の守り神になってしまって庶民に牙を剥いているというか、公平さを失って国民分断の原因とまでなってしまってること。本当なら主人公のこのカミングアウト、今までの物語では視聴者対策として何度も回顧シーンを入れて、「これだけのことをされたんだから恨みに思っても仕方がない」という下準備をしてきたものだが、いきなりの真実提示だからなぁ。視聴者にとっては別に彼の告白がウソだと思うこともないのだが、いちおうあの場で周囲の人たちを納得させるだけのものがあのシーンには仕込まれてない。祖父は孫の言を何の疑いもなく信じ、孫の思い込みかもしれないのに志を応援までする。こういうシナリオはむしろ悪徳領主のバカ息子が自分のわがままなりを押し通すためにウソをついてまで父領主に訴えるエピソードと構図が同じ。孫の血統を祖父は素直に信じるのだが、これまた遺品を正統な後継者から奪い取りいろいろ捏造して自分が後継者に収まるという話なんかもあるが、主人公がそういうスリ代わりをする不届きものだと疑いもしない。まぁ繰り返すように、視聴者にとっては主人公がヒトを騙すようなキャラでもウソをつくようなキャラでもないのはわかっているので、ミスリードでもなければ大して問題にならないことではあるが、驚きの真実開示という演出のために結構危ない橋を渡ってんなとは思う。
しかし、スラム街から王立学校→獣人パート→故郷パートときて、以後どのような展開になるのか、最初の王都に舞い戻るにしても動機が薄いよな…とは思っていたから、物語のミッションが実は復讐にあったということがわかって見通しはスッキリした。まぁなんのかんのいって大過なくストーリーは展開してる感じではある。
