のんびり農家#12

 出産と試験的に貨幣経済の導入。だいたい二次も三次もドラマといえば出産は「神聖ニシテ侵スヘカラス」の描写がほとんどで、そのたびにうんざりしてたのだけども、この作品の出産はそういう雰囲気が感じられなくてなんか個人的には良かった感じ。
 うーん、主人公は結局王なんだろうな。前に古代中国の王は民のために汗を流す存在と言及したが(実在したかどうかは別にして)、大体実在の王が民から収奪する存在なのに対して、何人かの伝説の王とかこの作品の主人公は民に富をもたらす存在になってるので、それがそのまま現代政治批判になってるとは思うんだけどもそのへんはまぁ。
 というわけで、ドラマらしいドラマはなかったといってよいと思うのだが、逆にドラマ性を持ってきても荒唐無稽にならざるを得ないんで、人類発展史に絞って描写したのは個人的にフィットしたという感じ。これが物足りないという人も大勢いるだろうけど、自分がこの作品に期待してたのんびり要素もちゃんと得られたし、満足度は高かったな。

砂糖林檎#12

 菓子職人の資格が得られたが戦闘妖精は失う話。しかしなんだな、王の評価が正しすぎてそれはそれでスカッとするんだけど、それにしてはあの品評会がシステムとしてどっか壊れてるのに違和感はある。
 うーん、作劇手法としてなにも間違ってないし、構成もこれでいいんだけど、正直なところ個人的には昔の昼メロを見せられている気分で、しかもドラマ部分に読者をやきもきさせる役割しかなくて、そこに深い洞察が込められてるように見えないのがストレス溜まる。
 まぁ自分も今回が最終回だと思って視聴したし、ヒキのヒキであーこれ続くのね…と思って公式ツイみたら続きは7月かららしいのだが、正直続編も視聴するかどうかはわかんない感じ。上記の通り、物語構成上なにも間違ったことをしてるわけでもないし、ポリコレ棒を振りかざして見苦しい主張をしてるわけでもないので、そんなに忌避する要素はないと思うんだけど、そのへん自分でも不思議。


バディダディ#11

 黒髪主人公の急所になるからと人手を差し向けられ、ょぅι゛ょともどもだったが母親だけが殺される話。前に結婚のため足抜けしようとした黒髪主人公の兄貴分は殺されてたから、ょぅι゛ょは相変わらず、金髪主人公も殺される対象にこれでなったはずなので、まぁ黒髪主人公もそうなんじゃねとしか思えず、三人が生き残る可能性はほぼ0なんじゃないかと思うんだけど、どうするんかね?。家事分担の話は、三人が殺されるその瞬間まで家族でいようという心構えだと思うけど、これで次三人が生き残る展開とかあるんだろうか。あるとすればデウスエクスマキナしかありえないと思うが、そこは次回を待て…という感じ。
 いうのも野暮だが、殺し屋たちが今まで殺してきた、もしくはこれから殺す人たちにも家族がいて…のはずなんだが、そういう構造から目を逸らせて自分たちがょぅι゛ょだけは救おうとするのは身勝手だと思うんだけど、さすがにライター陣がそのことを念頭に入れてないはずはないし、どう処理するんだろ…。

ツンリゼ#12

 ついに悪役令嬢が結婚式まで辿り着く話。うーん、わからん。前にも言ったが、これはゲームプレーヤーがゲームキャラに攻略法を教えてクリアさせるご都合主義的なストーリーであり、しかも女子高生は悪役令嬢にぞっこんで、すごく乱暴な言い方をすると菅原孝標の娘が光源氏に恋をして結婚までする勢い*1のようなお話であって、これはもう荒唐無稽としか言いようがないのだけども、何のかんの言ってこの最終回、個人的には結構激情が溢れるような思いをしたのでこれなんでかなーとしばらく考えていた。
 で、一番の感動シーンが悪役令嬢が人形に憑依して女子高生と対面を果たすところで、どうも自分もこのところで胸にキてるんだろうと思っていろいろこねくり回してみた結果、どうも高校生ペアの言葉は直接悪役令嬢には届いておらず、しかし悪役令嬢はどうやら彼らが自分を応援してくれていたことの恩寵は感じていて、それに報いた…という構造なんじゃないかという気がしたのだ。
 どこぞの誰かかは知らないが陰ながら見守ってくださってる存在がいて、その方のお陰で本懐を遂げることができ、その存在が危機に陥ってることを聞きつけ、悪役令嬢にはその存在を助ける何の効果的な手段も持ってないのだけども、そんな彼女にせめてできる最大のことは祈ることだけだった…からのその祈りが通じるというカタルシスの部分ね。で、言うまでもないことで、この存在とはクリスチャンにとっての神とおそらく概念としてはそう遠くない感じなのではないかと。逆に王太子が高校生ペアを神と言ってるのは、キリスト教的な神ではなく、むしろ八百万の神的な日本の多神教的な捉え方をしているようで、このへんの宗教観が上手くミックスされているようなそんな気はする。
 まぁ、現代的な感じでいうと、売れないどころか嫌われてさえいるアイドルを応援して、そのアイドルが国民的アイドルのセンターにまで昇りつめて、応援者に感謝の気持ちを示す…みたいな構造にはなっているわけで、そうまとめてしまうとあんまり感動ポイントからはズレてしまっているのではあるが、報われてよかったねというHE的な結末ではなく、やはりキャラクター同士の贈与と報恩の構造に自分は意味を見出してるんかなとかそんな感じ。そのへん雑に言えば異世界おじさんのように、おじさんがゲームから人生観を学んで、異世界でかの地のキャラクターに報恩という構造にも似てるというか。順番は逆だがこの作品において女子高生はこのストーリーを通じて自分のコンプレックスも乗り越えた…という形になっているのだが、どうも自分はそこにはあんまりフックされてはないようなので。
 とまぁ、途中物語に力強さが何度か失われかけていたと思うんだけど、要所要所で踏みとどまって最後まで走り切ったとかそういうイメージではある。モチーフが荒唐無稽ではあるから、そういうハンデを乗り越えて物語としてよく形にしてるよなぁとは思うかな。


ゲームあれこれ

 忍者モノ。ガチャフェスなのだが

 なんと最初の11連で一発自摸。五車は二体新規投入なのでもう一体あるのだけども、ナーサラちゃんは支援ユニットで、自分の目的も紫の優先順位が高かったからこれにて撤退。というか、リリーを引き当てたので個人的にはそれで満足しちゃってるのだと思う。まぁ石やガチャチケを投入したところで二体目引き当てるとも限らず、ここで石やガチャチケを温存して次のガチャに投入したところで、鬼のように消費しても引き当てるとも限らないので、あんまり在庫を気にしてもしなくてもあんま関係ないような気はしてきた。
 変身ヒロインモノ、メンテ前のイベントのシナリオ読了した。しかもこれ、個人的に久々のヒット。序盤のシナリオを見ても出来がイイとの予感はしてたが、先の展開が読みづらいし、意表を突かれて、それでメッセージ性も力強いものがあって、あれ、このサービスこんなにテキストの品質が高かったっけ?みたいな。やっぱ正義の味方であるというポリコレ棒を振りかざされても、それが鼻につくようじゃいかんなーみたいな。
 自分は補助線を引きながらこれは読めんなーと思いながらテキストを追っかけて行ったわけだが、そうではなくこのトラブルが解決するには何が根本原因なのか…というある意味「終わりの形」から探っていけば必ずしも先の展開が読めないってワケでもなかったような気はするが、それは後付けの知恵なんで、こう、先の展開を楽しみにして読み進む感覚が久々に得られたなぁという感じ。

*1:実際には菅原孝標の娘の推しが光源氏と結婚するようなものなのだが、彼女は自分を源氏物語のヒロインの一人でありたいと望んでいたようなので