暗黒兵士#9

 先代の勇者が訪ねてきて驚きの事実が判明する話。なんか次回は生みの親と育ての親が対立する流れになっているようなのだけども、育ての親自身についていえば、生みの親の嫁を殺したのとは別人だし、子供を慈しんで育てたのだから生みの親が憎悪する動機がないはずなのだが…。逆に次回はその構造に気付いて和解する話にするんだろうか。
 嫁を殺した魔族の蒔いた種が結果的に人間と魔族の和解に繋がりそう…というのは、成したことが悪であっても結果が善であるという皮肉な状況なのであって、そのへんアンビバレンツなものの組み合わせになっているのは結構よくできてるな…という感じだけどもどうなるかねぇ。まさか実の親子関係であったのは誤認だったというズッコケな結果にするのかもだけど、さすがにそれはないとしか思えんし。

お隣の天使様#9

 二人の関係がクラス替え後に仲良くなったイケメンにバレる話。相変わらずやってることは甘々な疑似新婚生活なのだけども、やはりというかなんというか、もうほぼ全編泣きながら視聴してる。これ、目に毒だわ。ふうこいアニメのように実際にはキスだとかセックスだとかしてるのに、公に表現できないからほのめかしや比喩表現で「察せよ」*1という描写というのとはかけ離れているので、健全といえば健全なんだけど、結局異性に対する興奮状態には違いないのであざといといえばあざといんだよな。クライシスっぽい状況ではありながら関係性に障害が起こることが無いので展開に抑揚がないんだけども、全く退屈することが無いし、ちゃんと間を取って緊張感も生み出してるので大したもの。

最強陰陽師#9

 ヒロインに対するゲストキャラの揺さぶりが空振りに終わる話。ハーレムに入れば教育も受けられるし庶民と比べたら破格の待遇というオルタナティブが提示されるのだけども、契約の際の強引な手法を見せられたら結局見せかけの自由でしかないのはわかるし、まぁあんまりそれを強く言いたいわけではないと思うけど、見せかけの自由で結局搾取される存在でしかない日本の庶民にも重ねているんかなと。ヒロインが奴隷であるという外形的な立場は便宜的なものである…というのは前にも提示されていたし、個人的には何よりヒロインが奴隷の身分である割には貴族の子弟という設定である主人公に終始タメ口である…という理由がここで明示的になっていてなんか納得したという。ヒロイン実はエルフの眷属でした…というのが余計に感じてもしまうが、平凡な人間というよりやんごとなき方でしたのほうが貴種流離譚の要素で読者も引き付けやすいのだと思うので、ツッコんでも野暮かなー。
 現実にいる女の大半は喜んでハーレムに入る選択をすると思うが、今回の話で言いたいことは人格として尊重されることと自己決定権だろうし、なにより女の子はこうあって欲しいという男の妄想全開なのでなんとも。ストーリーとしても視聴者の誰もがヒロインがハーレムを選択しないだろうと思ってるから王道展開に過ぎないけど、シナリオでヒネって付加価値を上げられるわけでもないのでこれが正解かな…。

ろうきん#9

 老後に必要なのは本当に莫大な資産(金貨八万枚≒10億相当の日本円)なのか?というお話。タイトルの問いかけに対する解答みたいなものだろうとは思う。でも老後も関係ないよね。カネだけあっていきなりリタイアしても、すぐに他者との良好な関係性が用意されてるわけでもないし。
 もう今までのエピソードが揃いも揃って荒唐無稽なのも今回で納得。要するに読者に伝えたいこのメッセージのために、他の要素をすべておふざけにして説教臭さをなくすギミックだったわけね。
 連載はまだ続いているようなのだが、少なくともアニメ版の結論は今回で示されたと思うので、残りはほぼ消化試合だろうなーという感じ。構成としてはこれでいいと思うんだけど、それにしても不思議なのはアニメ化されるんだからそれなりに原作に支持者がついていると思うんで、エピソードの一つ一つはそんなに輝きを持ってるとは思えなくて、なにが人気の要素なんだろ?というところ。確かに大雪海のように視聴がツラいということもないし、むしろ視聴を始める際の心理的ハードルは低いので。

*1:もしくはそういう妄想で個人で楽しめ