ぼく勉文乃解決編、戦恋そろそろかな

 うーん、ぼく勉、いかにもいい話に仕上げてるんだけど、泣きぼくろちゃん母のビデオレター、どう考えても父が反対するからその時はコレを見せろとばかりの仕立てになってるの、あまりにも出来過ぎ感がある。しかし、文乃母、冷静に考えると高校のときは数学苦手で、それで大学の数学科経由で学会にその名を轟かすほどの業績を上げるって、どう考えても父親が好きになったから高校のある時期に一念発起して自力で頑張ったとなるしかないんだが、これでいいのか?。まぁ途中で努力して成果を出すってのは、泣きぼくろちゃんの前途は洋々たるものって理屈付けだが、これはこれで強烈な先天的能力になるわけで。とはいえ病室に高校時代の数学答案を持ち込んでいるというのがなんかオカシイ気はするので、そのへんなんらかの母のごまかしがある可能性はある。
 で、泣きぼくろちゃん、主人公争奪戦に正式参戦。他のヒロインの気持ちを知っているから状況的に泥棒猫なんだけど、いちおう正統派ヒロインなんだからそのくらいのハンデをつけとけってことなのかも。



 戦恋、あと数話なんでもう構図がひっくり返ることもないと思うので整理しときたい。
 自分が数話見て気にしてたのは、主人公に同性の友人がいないこと。これ、物語がジュブナイルなら大抵避けて通れないポイントのはずなんだが、ホントきれいさっぱり親友どころか男の理解者すらいない。主人公は見かけが怖いというだけで、人間としてそれだけはなくっちゃいけないだろうという部分での欠けたところはないようだし、女に好かれるだけの資格も描写されているし、それはすなわち男の友人がいてもおかしくない資質にもなってる。
 そして、ちょっと他の物語と違うのは、主人公が社会で孤立していながら、それでいて努力の方法は社会との良好な関係を築くという方向ではないこと。主人公自体は孤立を良しとしているわけでもないし、社会を救うという方向性なのに、ちょっとこの流れは異質。かといって社会の側が主人公を受け入れるというものでもない。あくまでヒロインズの「神」というむしろ社会から超越した存在から認められている。
 戦いもそう考えてみたら異質であって、神族の敵方に操られていたとはいえ、社会が主人公を攻撃する…だとか、主人公が社会のために戦っているのであればせめてその戦いの風景を社会に公開して理解を得るというシチュエーションにしてもいいのに、わざと戦いの場を社会から隔離して異次元空間で戦うとか、やはり社会と関係を構築するって感じにはなってない。最近の話を見ると、主人公とヒロインズは、「セカイ」は守るつもりだが、「社会」そのものはべつにそれほど守るつもりがないようにみえる。
 というふうに、冷静に考えたら、これでムフフな描写と合わせてみると極めて気持ち悪い世界観ではあるんだが、とはいえ、視聴中に気持ち悪さを感じることはないし、こうやって気持ち悪い世界だと把握したところで、作品全体が気持ち悪いとも思わない。これは個人的な感覚ではあるが、日本の現状だと、社会は無条件で守られるべきもの…という認識でもないんだろうなと思ってるのが一つ。今になってどうやら就職戦線でもコミュ力重視に疑問符がついてきているようで、関係性を優先順位に置きすぎた社会もロクでもなかったなという反省が漂いつつあるからかもという気がする。


 で、この作品をこう謂れもないイジメにあってる層に対しての応援歌のように思わなくもないのだが、かなり早い段階で自分の念頭に浮かんだのは、これ、婚活市場の描写なんじゃね?ということ。主人公、土地持ちだし、定期考査という形では数字に出ないけど、決して学力が低いわけでもない。それにヒロインズが群がってる状態。いろいろ見てきたが、ヒロインズはそう決められているからというのもあるのだろうが、他キャラと比較すると主人公が婚活市場での優良物件に見えているわけで、嫁でなく恋人ということであれば、一夫多妻が許容されている世界観なので主人公の気を惹く競争をしているだけのように思える。いわゆる理屈抜きで好きになっているわけでなく、婚活市場での優良物件だから好きになる努力をして、付き合ってみれば別に悪い男でもないわけで、徐々に関係性を深めているだけのように見える。主人公は主人公で、そもそも相手が押し寄せてくるのを不思議に思っているわけで、そりゃ男だから性的関心がないわけじゃないけど、基本相手が好きだと言ってくるから失礼のないように合わせているだけで、基本すべてに戸惑っている感じ。
 そう考えると、たしかに主人公とターゲット層を重ね合わせてラッキースケベを疑似体験させるハーレムものだという形はとっているんだけど、単純にハーレム展開バンザイの構図にはしてないような気はしてる。


 さて、ようやく満を持して一千花が正式に顔出ししたわけだが、思いがけずツボにハマった*1。隊長、自分が性的存在であることをわかってもおり、おそらくそれを受け入れているからこそ他人には強がって見せてるんだなというように想像できてしまうので、個人的には他のヒロインより全然格が違うと感じる。今まで顔出ししなくても登場はなんどもさせてるわけで、これだけ引っ張って引っ張って、あとラスト数話になって担当回を作るの、やはりアニメスタッフも一千花の重要度をわかってやってる感じはする。

*1:個人的には彼女がこの作品の中で一番カワイイ。めんどくさそうに見えるが、一歩彼女のインナースペースに踏み込めれば強固な関係性が築けそう。