お隣の天使様#1~3

 現代版鶴の恩返し。公式サイトのイントロ見てどんだけご都合主義やねん!と思ったのだが、意外にフツーの設定だった。まぁ最初のきっかけ自体が微レ存レベルなので、確かにこんなことあるわけねぇだろというのはあるんだけど、そこをクリアしてしまえばこういう流れ自体は物語としてはフツーというか。
 中身は結局のところ、贈与の連鎖で、これは個人の場合だから関係性だけど、これが複数だと社会性ができあがっていくので、文化人類学的にはむしろアタリマエの構造というか、もうこの話の大筋はOPで語られてるし、しかもOPのタイトルが「ギフト」なので、わかって作ってるでしょとしか言いようがない。
 うーん、アニメ作品としてはもう定期的に出てくる「結婚するとこんないいことがあるぞ」とか「新婚生活の折にはこういうことに気をつけると関係性が良くなるぞ」の結婚誘導や説教作品ではあるんでまぁなんとも。つーか主人公、今のところダメ人間になってないよね…それどころかコミュ能力向上していってるよねという。
 元ネタが鶴の恩返しならそのうち、別れるとまではいわないまでも、相手のパーソナルスペースに踏み込み過ぎてトラブルになるって展開がそのうちあるんだろうなとか思っちゃうけど、これまた世の中には夏目坊ちゃんオマージュ作品が山ほどあるけど、「何があっても主人公の味方キャラ」がいても細かな展開は全然別ってのも珍しくないというか、本筋まで真似ちゃったら元ネタ読めば?で済んじゃうので、まぁそのへんはズラしてきても全然驚かないというか。
 まぁ書くことがないわけでもないんだけど、大したことでもないと思うんで、以後の都度感想は驚きの展開でもなければナシの方向で。

バディダディ#1~3

 殺し屋の子育てモノ。チェック時に一度は視聴はしないと思ったのだけど、P.A.Worksだしと視聴したら…。どうも主役級二人の幼少時のトラウマから代償行為として他人の子供を育てる決意をした…ということなのだろうけど、仕事が仕事だし、実際に障害にもなってるんで正直この展開はないやろ…という感じ。こまかなところでの粗もあって、それが最新話#3でのょぅι゛ょ連行シーン、普通迷子の子供の保護は大抵婦人警官が対応するだろうしで、それ以外の物語の無理押しの場面でも結構ご都合主義が目立つので…。
 子育てモノとしては割とオーソドックスな話運びだし、こういうのが好きな人にはフツーの作品だと思うんだけども、脚本家の名前を冠にする割には凡庸な印象。正直名前で売ってた作品だと東京24区は個人的に力不足と感じたので、下倉バイオ、大した人ではないんじゃね?という感じ。というか、この人、大ヒット作品でも出した人なのだろうか。もう麻枝准ですら今の時代は賛否両論な感じなので、目先のお涙頂戴だけで前のめりになるシナリオではやってけないとおもうんだけどなー。まだ序盤なのでこの後明かされる展開によっては…だから、予断は許されないとは思うんだけども。

暗黒兵士#3

 主人公が身を寄せた村の隣が鉱山で、そこを取り戻して村が活気づく話。魔王側が主人公を追い出して、目先の利益のために労働者を酷使したら…の話は日本の経営層のクズっぷりを示しているのだろうし、主人公が鉱山を入手するのもグダグダなんだけど、まぁ結局この作品が労働者層のガス抜きのために作られていると考えたら、このへん別に三文芝居でも構わないといっちゃぁそうなんだよな。村が活気づくのも、これも結局のところ地方の過疎問題はそこに産業があるかどうかだけの話で、今までも現実の地域振興策でやれイベントを打つだとかいろいろやってみても、結論は案外簡単だったよねーという話に過ぎないワナ。まぁ前近代の日本が近代化を目指したのも「殖産興業」だったわけで、国が発展するために産業を興す必要があるんだったら、当然地方も産業がないと詰むよねという単純な話。
 視聴していてストレスはないんだけど、正直なところこれでは物足りん感じ。

テクノロイド#3

 子供の頃アンドロイドの運転する車が事故を起こして運動機能が十分でない女の子のために病院でライブ活動をする話。しかもその女の子の兄は主人公グループのライバルアイドルだったという。んーなんか自分でも不思議なんだけど、前回までの見てらんない感は今回はなかったかなという感じ。女の子がアイドルに憧れてステージを見に行きたい、しかも自分の兄ならなおさらってのもわからん話ではないし、秒委員で慰問活動ってのも他の作品でもよくあるパターンなので、もっと忌避感があってもよさそうなんだけど…。もうちょっとシンギュラリティの問題とか、ロボット擁護派反対派の問題も掘り下げてもよさそうと思わなくもないんだけど、今からエンジンを全開にする必要もないし、伏線を張る段階なのはわかってるのでこんなもんかなー。
 動画としてもなんか不思議な感じ。見せ場であるステージシーンも、キャラのアップ場面だとこりゃ手描きの方がええのになとは思うんだけども、正面でキャラと背景のスクリーンの二重で動きを描写してるところとかは結構見栄えがしてたし、動きそのものはおそらくモーションキャプチャーなんだろうけどそんなに悪くない。
 AIプログラムは人間の心を模倣できるか?あたりのテーマはわからんなぁ。今のところは好意的に提示してるけど、シンギュラリティの問題もあってこれを今後どう取り扱うのか不明なんで予断は禁物かなぁ。このまま好意的に取り扱って突っ切るのか、どこかで疑問を呈したり矛盾を仕込んだりするかもしれないんで…。

ツンリゼ#3

 ゲームの、悪役令嬢の方ではなくメインヒロインにも春がキターの巻。とはいえ、悪役令嬢が闇落ちしそうな方が重要なんだろうな。人間側も男にコンプレックスの理由である過去話があったし、女の方もあの関わり合い方だと最初っから何らかの好意があったんだろうみたいに思ってしまうんだけど、そのへんもよくわからん。
 今までこの作品はおとこのこ向けだと思ってたんだけど、どうやら悪役令嬢モノというのは一般的にはおんなのこ向けらしい。なので、悪役令嬢は何らかの形で視聴者の分身として考えられているようだし、だからこそ今回、既に周囲に愛されてるのに自己評価が低いという問題が被せられてたんだろうな…という感じ。現実の権力争いで、あの立場の貴族の娘があれだけコンプレックスを拗らせてたら生き残れてないでしょ…とは思うんだけども、そこはゲーム世界だし、悪役令嬢モノの作品はそういうコンプレックスを抱えていそうな読者にどれだけ寄り添えるか…というものなのだと思うので。
 しかしエンディング画像のラスト、まるでエンドカードのように示される幸せそうな王太子と悪役令嬢のシーンの破壊力が凄い。もうずっと前からそういう風になっているとは思うんだけども、本編だけでなくOP映像ED映像も含めて一つの作品となってるのを思い知らされる。