アキバ冥途#12

 果てしなき抗争の行き着いた先には…という話。あーなーるほどといったところ。今までこの作品の社会情勢がちょっとズレてるなと思ってたのだけども、ずっと今の日本の状況を表してたのね…という。で、閉塞した日本を打開するために必要なことは…で特に現代と密接にリンクし、エピローグで2018年とあったけど、これは2020年以降だとコロナ下の日本を描かなくちゃならないからそこはずらせて、いちおう20年ほど後の日本はこうなってる(こうなるべき)という描き方なんだと思う。ハァ、少なくとも今の汚職日本が立ち直るには少なくともなのか、いい方向に進んだとしてだいたいなのか、はわかんないけど、シナリオライター(達)はあと20年ほど必要と考えてるってことだよね…。
 終わってみればいろいろなことがつながって個人的には腑に落ちることがたくさんあったし、なにより荒唐無稽な設定を大真面目に描写して、ところどころ緊張を解き放って笑いを取るという、見かけ上はシリアス多めなんだけどコメディとしての完成度が非常に高い作品だったと思う。

いつ海#5

 朝飯喰って演習する話。朝メシのほうは雰囲気出てたんだけど、やっぱりバトルが絡むとダメになるな~って感じ。ただ、やっぱり田中のライターとしての能力の限界がやはり来てしまったかという思いが強く、全体的にも冴えないテキストだったように思う。ゲームでのお約束セリフを、状況に合うかどうかも十分に吟味しないで無理やり使っちゃうから、シナリオとしても違和感が強いし、結局内輪ウケでしかないんだよな。せっかく無音の部分を積極的に使って雰囲気だしてるのに、そういう方針が徹底されてなくて、これも結局音楽の力で状況を作り出しちゃってるし、そういう使ってはいけないところでBGMを使っちゃうと、無音と適切なBGMの使い方をしてるところの狭間でそこだけストレスが溜まってしまうという。
 演習中、雪風が空からの攻撃に警戒しろというシーンがあるが、アレ、史実で雪風艦長が艦橋の天蓋から頭を出して、敵機の攻撃を見ながら雪風の指揮を行って爆弾を回避しきった実話を踏まえてのことだと思うけど、演習の描写が稚拙なので折角の逸話も台無し。
 いやまぁ脚本の全部を田中謙介が書いてるわけでもないだろうし、本職の脚本家のアドバイスもチェックも受けてるとは思うんだが、いきなりアニメ脚本に取り組むんじゃなくて、ゲームの前フリとかエピローグとかで腕試しというか修行してから様子を見た方が良かったんじゃね?という感じ。一期よりマシだと思ってたけど、以降の出来によっては雰囲気とかシチュエーションだけの、独りよがりで一期よりどこを楽しんだらよいのかさっぱり…となりかねない。