惑星のさみだれ#24

 いろいろなお別れと10年後のエピローグ。お別れは前回ラスボスを倒した直後にやっとくべきではとも思ったが、それだと10年後の話を一話かけてやれるかと思ったら無理なので、こうなるのはまぁ。キャラに与えられた超能力がミッション達成までの限定というのもいい。別に今までの話は夢でした…でもいいんだけど、それだと複数人数が夢の話を共有してるというのもヘンなので、今ドキだとMMORPGでラストミッションに取り組んだパーティーあたりか。
 こうやって終わってみると、正直なところあまりストーリー自体にはあまり惹かれないというか、主人公に問わせていたように姫が何で姫なのかがよくわからん。ヒロインは中二病なのであって、だとしたらある意味中二病でも恋がしたいに近い構図なので、あの話で眼帯ちゃんに主人公が必要だったように、というか前回述べた通り姫には夏目の坊ちゃんにおける清のような存在が必要だったってだけの話で、それだけでなくこれまた前回でもいった通り、そのように彼女を全力で肯定してくれる存在だけでなく、他にも仲間ができてつながりができれば、そりゃ中二病も治るでしょってなもん。
 なので、この作品の魅力は、物語の冒頭であれだけ獣の騎士が説得を試みても、世界の危機なんじゃそりゃ知らんとシカトを決め込んでいた主人公を筆頭に、もうメインキャラクターはごくごくフツーの人間なのであって、彼らが普通の感覚で個人個人の事情で悩みを抱えながら、それでも日常を生きていくという姿なんだろうなという気はした。なんか特別の人間が特別の能力で俺TUEEE展開なのが最近のトレンドだとは思うのだけども、そういうのではなくって、フツーの人間が特別な能力を与えられてもそれを私利私欲に使うのではなく、なんかその能力に戸惑いながらも目の前の危機に立ち向かっていくその不安だとか、世界との距離感のバランスというかそのあたり。ほんとそこいらにいそうなおじさんとかおにいさんおねえさん、そして子供がいわゆる老若男女入り乱れて一つの目的集団を作るというあたり。まぁ我々は地方を捨てて都市に出、いわばそういう地域もイエも捨てて個人分断化を選んできたのだけども、そうやってバラバラになった我々がなにかこういったつながりがあったらいいなと思わせるもの、そういうものが示されてるんじゃないかと思った次第。個人的には姫が臨時のラスボスになって調伏される前回の展開で若干シラケてしまったので、なんか賢者タイムに入ってしまったというか、まぁ悪いというワケでもなく全然いい作品の部類だとは思うんだけども、ファンが絶賛するノリにはあんまりついていけないかなとかそんな感じ。

虫かぶり#12

 返す刀でょぅι゛ょ貴族も撃退し、無事婚約パーティーも終わってEND。終盤の光る染料、どこかに強烈な光源があるわけじゃないだろうから蛍光物質でもないし、宴もたけなわになってからだから蓄光物質でもなし、まさか自然発火する危険を冒すハズもないから燐光でもないとすれば、原料はフツーに考えて放射性物質じゃないかと思うんだが、染料程度なら人体に直ちに深刻な被害は出ない(by枝野)から大丈夫なのかもと思ってみたり。
 自分が本を読むための時間を王から正式に休暇という形で貰ったり、王子から散歩に誘われて、読書という自分の時間を優先させるのではなく相手との時間を尊重するといったように、それまでの主人公のありかたがガラッと変わってるから、おそらくアニメ続編はないのだと思う。それまでは国にそれで損害を与えるわけではないが、主人公は個人のお気持ちを優先させてひきこもるとかしょげるとかばっかだったので、それは王子様が自分の主人公への気持ちを全面に押し出しながらも、それで彼に課せられた過酷な仕事を放り投げることなく、大人としての責務を果たしているという姿とは対照的だったから、彼女の姿はまぁフツーに考えてキチフェミへの当てつけでしょという話。まぁお姫様がマリッジブルーを克服する話としてはフツーだし、これまた本をたくさん読んで大人の振る舞いとは何かなんてわかり過ぎるほどわかっていて、だからこそ自分のありかたをこれではいけないと本人に言わせていたわけなんだけど、彼女がすべての状況に於いて正しい振る舞い方をしてしまったら、トラブルが起きないから物語にならないでしょという。なので、トラブルの真の原因自体は他所からやってくるんだけど、それに正しい対処をしてしまったら面白くもなんともないので、主人公自身をトラブルを増幅させてしまうような持ってきかたをして、それで読者の不安を煽り、クライマックスで手のひら返しをやってカタルシスを演出するわけで、そういう意味ではヘンなストーリーでも何でもなかったという。そして彼女の国政に対する知見や助言はそのままアベ政治批判になっていたわけで、なんかこの作品がアニメ化されたのも理解できるし、その意味もあったんじゃないかなという評価。
 まぁ物語としてパンチが弱いってのは変わらないんだけど、こうエピソードの途中でイライラさせられるのはそういう手法なのであって、後から考えたら構成としては悪くないし、後から考えたらそういうストレスでヤキモキさせられるのも含めて自分は楽しんでたんだろうなという。外形的には古典的な少女漫画のスタイルなんだけど、そこに最近のラノベ要素とか、精神性というよりは現実社会の社会性も織り込んで、少女趣味にどっぷり読者を漬からせるのとは対照的に組み上げられているのは作者なりの工夫なんじゃないかな。