農民関連#1~5

 農作業に執着してる主人公が冒険者と兼務でトラブルシュートをする話らしい。うーん、微妙。結論からすると農民であることの必然性が薄すぎるという感じ。主人公が若いうちから農業でそこそこやれていて能力が高いということなのだが、友人の漁師の手伝いで漁業のスキルも本職より高いとかあって、そのうち語られるのだろうけど主人公が他の職業を差し置いてなんで農業にそれほど愛着を感じてるのかわからん。両親も農民かと思いきや、最新話で都市の住宅に住んでいてそれっぽくないし、では割と経験が必要な農業の知識とかノウハウとかどうやって蓄積してきたの?という。
 それに反して前編のクライマックスでの暗黒龍との対決で、ボスが人間の負の感情を自分の強さの源泉としてるというやけに凝った設定とか、作者は農業よりJRPG方面に愛着があるんじゃないの?とも思われる力の入れ具合で、農業と西洋風ファンタジーでは農業はスパイス程度のような立ち位置のように思われる。で、魔法なんだよな。聖女の…では魔法を作物の育成の補助に使ってたし、そのへんの関係性とかどうなってんのかな。いちおう今までの流れでは農業に魔法は使わないように見える。
 しかし、やれトマトのリコピンがだのというセリフが出てくるあたり、もう農業に関する知識はあの世界での農業の技術水準がどうだのみたいなものをすっとばしているようで、それはそれで構わないんだけど、少なくとも整合性ぐらいは保ってほしい。
 元はなろうで、商業化してそれなりに売れてアニメになってると思うんだけど、農業の要素の滑稽さがあってなお、これが面白いという層がそれなりにいるってことだろうから、それがどの部分かを探りながら視聴していきたい…んだけど、そろそろ折り返し地点なんだよな。ツッコみどころも多くて覚えていたら次回以降言及するかもだがそれもまた不毛な感じはする。

悪ラス#6

 生徒会長魔族化阻止続き。んーシナリオに特にいうべきことはないというか、これ、やっぱフツーに物語としてオモロイな。絵本を読み聞かせをしてたら作り込まれてるんで子供そっちのけで読み耽ってしまう…みたいな雰囲気がある。
 BGMも凝ってるというか、若干セリフを阻害する感じはあるんだけど、オペラが総合芸術と言われるように、上質のアニメもそういわれる日が来るのかもなーとぼんやり思ってたとかそういう感じ。

DIY#4

 留学天才外国人が主人公の幼馴染の家に寄宿することが決まる話。カネ持ちがどう行動するのかはフォーマット通りで、でもまぁシナリオは整ってるから特に問題もなく。というか、両隣の母親が黒髪ボブの鬱屈を心配してていろいろ気にかけている様子に大人の包容力みたいなものが窺えてほんわかする。しかし、この作品頑なに男キャラを出さないのな。主人公とか幼馴染とか、シンママなのかそれとも父親はいるけど描かないだけなのか判断つかん。

ステマ#5

 主人公が元居た勇者パーティーに意趣返しをする話。これもよくあるエピソードなんだけど、それなりにカタルシスは得られるし、これに共感できる層には届くようになってるように思うんで退屈はしないというか。
 勇者側が自分の仕事の手伝いをしないと世界が滅びると主人公を誘うのだけども、コレ、「社会保障の財源に消費税増税は必要」みたいなおためごかしと一緒で、今回のセリフはまだそれが本当のことらしいからまだしも、消費税増税の方はその分法人税減税をしてちっとも社会保障の充実に使われてないから、現実の方がよっぽど酷いというか。勇者側のいけ好かない態度も、この物語ではさすがに誇張なんだけど、ネットでよく見る「カネ持ちは能力が高いだけでなくて性格もよい」みたいな言説へのアイロニーでしかないんだよな。カネ持ちの子弟がのたまう「アタリマエ」のことは大抵コストが高くて、カネ持ちの贅沢な暮らしを支えてるのは現代日本ではもう貧乏人の搾取によって成り立ってるというしかなく、そういう構造を意識すらできないから平気でキレイごとが言えるわけだが、それを貧乏人の視点でどう見えるか?というのを可視化したのが、勇者パーティーのあの言動なのであって、おそらく勇者側はアレが本当に正しいというか前述のようにそれがどうおかしくて庶民の尊厳を損なうのか意識すらできないというそういう状況を活写してると見るしかない。
 カネ持ちは自分たちの扱う商品が最終製品だろうから取引におけるカネ換算の桁数が大きいし、数%の変動が大きな利益につながるからそのレベルで経営を語るわけだが、中小企業は例えばネジ一本数銭程度の価格変動が企業の存続をかけた影響を及ぼすわけで、大手企業の「中小企業へのちょっとした値下げ」が相手の中小企業にどう受け取られてるのか、わかってない可能性もあるんだけど、まぁフツーにわかってて取引関係の解消を脅しにゴリ押ししてるだけってのはある。権力勾配を意識するしてないの違いはあっても実際にそれを利用して搾取を行ってるのは事実であって、弱者側の鬱憤を晴らす話というのが今回だったのでは?というオハナシ。

スパファ#17

 三本立てかと思ったら、二本目でEDになってしまい、エンドロールでエピローグに三本目があるとわかるお話。まぁ後ろの二本は小ネタに過ぎないのだが、子供パートの前半部は、何らかのテーマが込められてはいるけど、実際に楽しめるのはコメディ部分といったところか。このへんのシナリオは良く作られてるなという印象。テーマに沿った話ばっかだと説教臭くなるし、こういう軽妙な話が挿入されると嬉しいとかそんな話。

水星の魔女#5

 またまたリソースを大量消費して決闘ごっこに勤しむ話。最初にはバラバラに見えたキャラたちが赤毛主人公をハブとしてなんのかんのいってつながりや因縁ができていく様子はまぁこんなもんかと。主人公の母親のセリフだと魔女という単語はパイロットではなく技術開発者のことなんかなと思わなくもないが、どうせ物語の進行で明らかになってくだろうしどうでもいい話かな。
 表面上はいがみ合ってるように見えながら、アニメを見慣れてる自分にとってはなんか馴れ合いの雰囲気。子供同士のじゃれあいに関してはあまりドラマ性に期待してないからこれでいいんだけど、構造に深く切れ込むのはいつになるんかな…とちょっと待ちきれない気持ち。