ぼざろ#1

 連荘で視聴するつもりだけど、とりあえず#1で。いちおうタイトル通りぼっちがロックを目指す話だが、主人公のミッションが認知欲求実現なので、何も考えずに視聴してたらそれはそれで自然に入り込めたんだろうけど、きらら枠だし、陰キャから完全に脱却するわけでも、華麗に陽キャに変身するわけでもないんだろうなというおそらく想像の範疇におさまりそう。一つの可能性として、陰キャ陰キャなりに自分に合った趣味を見つけて、仲間と関係性を築くってよりそれで音楽という居場所を見つけて落ち着くって話も考えてたんだけど、OPのクレジットにきららの文字を見たらまぁそれはないだろうという。
 バンドものだったらやはりけいおんをチェックしとかないとだろうけど、残念ながらちっとも見てないのでそのへんアレを手本としてどうという考察は的外れになるとは思うんでご容赦を。個人的には音楽をコミュニケーションツールとして使うという物語の方向性は手垢がついてるという認識で、それでもあえてこのテーマを持ってくるのは大枠でその意気を外れないまでもディテールで新しい要素がぶっこまれてる可能性をほんの少し期待したいところ。きらら枠でギスギス展開を期待しても仕方がないし、かといって得てしてこういうのは馴れ合いに終始する可能性があって、そうなると退屈だろうなという気がするのでなんとも。動画?配信というけいおんの頃には一般的でなかった要素を付け足しただけだったらあまりに悲しい。

ぼざろ#2~4

 バンドメンバー四人が揃い、曲作りの最中まで。軽妙なかけあいの合間に深く切れ込んでくるスタイル。アニメ作品だとかけあいメインでその楽しさだけで突き進んでる作品もある中、そこそこいろんな要素をバランスよく配置してるなという感じ。主人公も最初のうちは待ちの姿勢だけだったのが、少しずつ自分から行動したり働きかけたりする場面が増えてきて、関係性の向上みたいな流れ。キャラの成長を描くにしてもメジャー誌ならスポ根で特訓だの急激な変化を展開の主に据えたりするが、さすがきららなのでそのへんは少しずつといったところか。
 シナリオとしてはよく練られてる感じで退屈しないが、やはりテーマはありきたりなのかなと思わなくもない。ただ、水星の魔女の主人公といい、陰キャをメインに据えてくる作品が多くなってるところなんか、結構世相の反映なんだろうなという気はする。水星の魔女のように完全オリジナルならともかく、この作品は雑誌掲載からの人気を獲得したという結果があってこそのアニメ化だろうし、その分共感を覚える人数は多いのだろう。別に陰キャでなくともそれぞれのエピソードでこれあるあるという側面でも支持されそうだし。
 個人的には主人公が天狗になってデレデレになるシーンが殊の外フックした。終わりなき日常を生きる系の作品だろうから感動の大きなヤマはなさそうだけど、このゆるゆるな感じでストレスなく、そういうお笑いとしてみてもそこそこバランスはいいと思ってる。

ふうこいアニメ#4

 主人公が周囲の噂話におろおろする話。うーん、やっぱ設定ありきだなという感じ。本当に実習が実習だけなんだったらあんま深刻な話にもならんし、ヤキモキする話でもないと思うんだよな。それが、共同生活として夜も別室とはいえ同じ屋根の下で寝るというありえないきわどさがあって、しかも自分が予想した通り、別に自室にはいる際も会い方と一緒に入れば同室できるので、もう本人たちの自制心に頼るしかなく、歯止めが効かなくなればやりたい放題みたいな感じなので。要するに、なんかうがった考え方をすれば、これって少子化対策のため、強制的に男女を共同生活させて、そこで二人の気が合えばそのままやっちゃってくれても、その先の結婚までやっちゃってくれてもいいという、一歩どころか二歩も三歩も進んだ体験同棲生活付きの見合いのようなもんじゃネェの?という感じ。ただ、それだとうまくいかなければどんどんペア組みを変えるという方法であるべきで、二人が頑張って良好な仮想夫婦生活を達成したらペア組みを変えるというのは、逆の方向性にはなる。
 ドラマ部分に関しては、個人的にあの金髪イケメン君の本命が誰なのかわからんので、あの桃髪ヒロインが頑張って仮にペア組み替えの権利を得ても相手に受け入れられてくれるのかどうかが不明なので、空回りなんじゃネェの?という可能性がある。逆にヒロインは受け入れてくれないのことが確信に近い形で実感してるから、主人公に気があるそぶりをしてたりするんじゃないかという。まぁ男女の仲は縁ではあるので、全然相手のことを知らないのに先入観で好悪を抱いてたとしても、実際つきあってみたらそう悪くないとなれば、可能性の薄い高望みとの天秤にかけても構わないのだし、もちろん選択肢を狭めない行動をとるのも可能。いちおう主人公と幼馴染の関係が、どうやら相思相愛っぽいみたいな雰囲気になってるけども、それも別に確定してるわけでもないし、現段階でそうであっても今後の気持ちが離れる(展開にする)ことも可能で、まぁそのへんはフィクションですから…というオハナシ。
 そういう意味で、例えばOP映像なんかでも主人公を女二人が取り合いしてるみたいなカットがあるんだけど、そういうハーレム展開も視野に入れつつ、でも人の気持ちは外からはわからないし、仮に分かったとしても人の心は移ろいやすいからどうなるかはわからん…という話で、すべてがまやかしというのであればそれはそれでまた一つのメッセージにはなってるのかなとは思った。

4ウソ#1~3

 原作ギャグ漫画のアニメ化。最初視聴したときは腑抜けた作品と思ってたが、まぁアニメのすべてにシリアスなテーマ設定がなされてるべきではないし、頭空っぽにして軽い気持ちで視聴できるナンセンス作品としてはいいのではないかと。正直な話、あんまり笑えないと思っていたのだけども、案外ネタのヒット率は個人的に高めで、視聴後は心も軽くなるのでとくに見切る必要はないかなと思ってる。感想は…思いついたら書くけど基本無しか見たよ報告程度になるのではという感じ。

忍の一時#1~4

 現代に忍者組織が健在だったら?というオリジナルアニメ。割と気になっていた作品だけど、視聴開始が遅れた。一族の党首である若い主人公が頭領として成長していくというジュブナイルながら背景設定がそれなりに緻密で見ごたえのある印象。学園生活という主人公を軸とする本筋と、大人世界…というか社会もきっちり描いて、イニシエーションのストーリーになっているのだけども、他のサブカル作品だと子供の成長が主でやれやさしさがどうだの関係性が語られて、社会はお前の半径5mで完結してるのか?と思うものが多かったりするが、この作品だとちゃんと子供の世界は社会の一部分なんですよというのがはっきり示されてる。
 なんだろうな?、歳を取ってくると法律は個人を守ってくれないし、結局頼るものは何かと言われたら、自分や家族だったりするんじゃネェの?というのをまざまざと実感せざるを得ないんで、やれ近代市民的ありかたを日本は目指してたと思う割に、地縁血縁を破壊されて、ズタズタにされた地方は見捨てられ、都市部による搾取の影響をモロに受けたし、地方を捨てて都市に移動した庶民も、結局都市部で効率的な搾取を受けておそらくこれから切り捨てられる段階に来てると思う。そういう意味では地縁血縁で搾取からの防衛を意図してるこの作品の主人公側と対立組織は、前近代的価値観ながら結局組織が大事というタテマエながら、その組織に個人個人が守られていることを自覚してる大人が多くて、したたかに生きていこうというテーマが見えるし、対立組織は悪役かと思いきや、なんか誤解というか裏の黒幕みたいなものの謀略によって仲たがいされているようにも見える。しかし伊賀と甲賀で、なんで甲賀は悪役というほどでなくてもダークヒーロー的な役回りが多いんだろうな?。
 ただ、だからこの家族が大事!って主張が正しいのかといわれるとそれも微妙で、とはいえ、なんだろ?、自民盗の既得権益層は血族で結束して日本の中枢を牛耳り、搾取の頂点にいて、庶民はなるべく団結しないよう個人分断化を推し進めて搾取をやりやすいようにしてるわけで、それで庶民の地縁血縁構造を破壊してきたわけなのだけども、リベラルが家族観に反対だの個人の権利だとか言って家族をバラバラにしようとしてるの、もう既得権益層の狙い通りに舞い踊ってこいつらバカなんじゃネェの?と思うのだけども、それでもなお選挙の争点がジェンダー平等なのだから呆れるというか。でももう庶民に団結する力は残ってないというか、個人はイエの呪縛から解き放たれた方が良いのだ、家族を捨てるべきもっと個人の権利が尊重されるべきといってきた結果、親は子供をイエの成員としてみなさず、ペット扱いして子供は親を見捨てるし、親も自分のやりたいことを優先して子供を他人任せにするから、親としての自覚が足りないし、DVや放置も増えてる。そういう状況で育てられた子供の側は決してイエが大事とも思わないし、そういう意味ではこの作品で示されてる地縁血縁を主とした共同体のありかたは理解しにくいんじゃないかな。今までのサブカル作品でも、そういう地縁血縁に頼らない新しい共同体のありかたについて描写したものもたくさんあったし、今もこれからはこういう社会であったらイイネ!みたいな作品はあるんだけど、今どーなってるの?といわれたら、まぁやっぱりお花畑だったよね…という。
 都市部に移動して孤立化した個人が、それまでの地縁血縁が戦後もう100年近くの年月を経て切り崩されてしまい、いちおう疑似共同体の役割を果たしてた大企業が容赦なくバンバン庶民を使い捨てにしに来てる現状、もうかつての地縁血縁も取り戻せないし、かといって経済的に密接な関係をもたない市民同士でどうして自分の生活をどっかと背負わせられるような共同体を作れるのか?といわれたら、それもまたハードルは高くて、生き残るためには庶民同士で潰しあって日銭を稼ぐしかないという状況になりつつあるわけで、既得権益層が戦後長い時間をかけて解体してきた日本の国のありかたを、どちらかといえばセンチメンタリズム的に総括しているように見える本作はちょっと見ごたえがあるな…という感想。
 キャラの練り込みもよくなされていて、愛着も持てるしいくつもの視点が持てるようになってるし、上記社会問題についても込めてあるし、そういう重層的な作品であることはわかるんだけど、こう物語としてのハナシの面白さというかドライブ感はイマイチ足りなくて、まぁいうなれば説教アニメに近いものがあるんだけど、そのへん個人的な関心はやっぱり社会構造の表現だったりするのでなんか結構満足してる感じ。