ファ美肉#7

 生贄回避の巻。エルフの族長はコンプレックスというより高慢ちきな鼻っ柱が折れるのを見るのが楽しいんだろうし、理不尽なことで追い詰められる象徴であるおっきなイカが燃やされるのもカタルシスなんだろうし、大枠においてコレで良いのでは?。メガネが男に好かれるのも金髪ヒロインが魅了の術を使うのとのバランスなんだろうけど、ちょっと取って付けた感はあるかも。ドタバタ部分は楽しいちゃあ楽しいが、やっぱどこか物足りない感じがしてしまうのは贅沢なんだろうか。まぁ次回新キャラ登場みたいだしのんびり楽しむとしますか…。
 あー、あと、劇伴が必要以上に大げさなのはなかなかよかったかも。

わしかわいい#7

 任務の途中で人助けをしてまたまた俺TUEEEEやってしまう話。うーん、なかなかこの構造から抜けないな。しかも今回は水戸黄門やら暴れん坊将軍などの時代劇勧善懲悪っぽい雰囲気まで出てた。老壮の面影がクロスオーバーする場面など、「わしの顔を見忘れたか?」みたくボヤヤーンと表れて「上様!」「ご老公様!」みたいな。
 バトルシーンは、この世界ではどんな職種があるのかの紹介みたいな感じにもなってたけど、いかにも紹介って様相がイマイチで、やっぱりなにか任務に絡めるとかそういう感じでストーリーに織り込んで見せて欲しかったかなという。そういう意味でやっぱり「ぼくのかんがえたさいきょうの」の範疇をこれでもかっていうほど踏襲してるというか。早けりゃそろそろだろうけど、もう数話ほどこの構造を見せられないと驚きの展開にならないのかも。

24区#7

 監視管理システム稼働後の話。赤髪は逃亡中。しかし、これ、法案を通すとか通さないと言ってるけど、既に予防逮捕をバンバンやりまくってるわけだよな。人畜無害な庶民にとっては裏で何やってんのか調べもしないだろうし、実際犯罪が減って体感的にも治安は良くなっているだろうから安心するだろうってのも流れとしては納得。
 まぁ背景ではそういうのを示しながらもメインシナリオはヒーローがどうのといってるわけで、なんか不思議な感じ。乞食が施しのパンに文句の一つも二つもつけてるのは個人的にはオカシイと思うのだが、今の日本だとそういうのが結構当たり前の風景になってるところも有るんで、シナリオライターなかなか曲者だよなという感じ。パンを売るのも人助けするのもヒーローとしての根っこは繋がってるって結論にしてるんだけど、こんなの主人公に二役一緒に背負わせなくてもよいし、そもそも貧困の原因である搾取をなくせば貧困層を助けるヒーローの存在すら必要ないでしょ…と思うし、まぁそのへんもシナリオライターわかってないはずがないしで、個人的にはなんだかなぁといった感じ。
 しかし、搾取に焦点を当てて、それを如何に無くしていくか…というのは割と物語にしにくいんだろうなとは思う。とりあえず困っている人を出して、それを助けるヒーローを出して…という構図のほうが物語としてウケがよいから、そういう仕立てにしてるだけなのであって、そういう三文芝居の中に世の中の本質は何かを紛れ込ませてチラ見せして誘ってるってそういう構造なんだろうと、ぼんやり思いながら視聴してた。本質から一番遠いところにいて、考えつくこともだからこそ思いっきりズレていて、それでいて何か分かったようなことがあってもそれもやはり本質からズレているんだけども、結果的にどこかつながるところがあるって、そういう姿を主人公に被せて、それが心持ちは素直でも「わかってない大衆」みたいなものを表現してるんだろうなという感じ。
 うーん、1クール目半分に来てようやく物語の構造がぼんやり見えてきた感。能天気な勧善懲悪でないのがわかって断然見るべきところが多くなってはいるのだが、このアイロニーがちょっと意地悪くて見る人を選ぶかも…みたいな。

殺し愛#7

 豪華客船上で激闘があり、今度は男の過去話をちょっと進めるの巻。大分情報開示が進んで、風通しは良くなっているんだけど、相変わらず肝心のところは見せてくれてないので謎を抱えつつ先が楽しみになってきてる。急転回の後まったく別の雰囲気になってしまう物語があったりするが、そのへん雰囲気自体はそんなに変わらず、人間関係が鮮やかになって物語としては生き生きとしてくるのは、何のかんの言ってこの作品のウリなんだろうなという感じ。

ハコヅメ#7

 警察内での人当たりの話。ヤクザにイキって絡んで困ってるのをいつもの男衆が駆け付けたのは盾になるためだろうし、今回のシナリオでの役割を演じてるだけって印象が強かったな。というか、人それぞれのTPOに合わせてペルソナを演じ分ける…というより、社会的な役割を果たすって意味では、こういうことは関係性が組み上がってる共同体ではむしろ当たり前のことだったんだけど、それを警察を舞台に表現してるってのは、まず現代の都市部の人間関係が壊れていて、警察なんかの組織ではまだ生き残ってるってところなんだろうね。
 構成としてはヌルい話を持ってきてるなという感じはするのだが、逆に警察とかある程度信頼関係なりそれがなくてもシステム的に互いを補うようにできてないと機能しない…って一般社会との対比からすると、まぁそれなりによいチョイスなんじゃネェのという気はした。

オリエント#7

 主人公が自分を見つめなおす回。割と深く人間性に切れ込んできた感。主人公赤髪の過去話はまぁフツーに現代のイジメと同じ構図なんで、形は多少違っていても結構な人にフックするのでは。ちょっと油断して気を許してしまうと受ける損害はそれなりのもの…ではなくおおきなしっぺ返しを受けるという構図にしてるのは思い切りが良くってちょっと感心してた。
 なんか最初のうちはキャラがこんなに幼稚でええんか?と思っていたのだけども、この途中の揺さぶり展開なかなかのもんである。