一番光れ#10・11

 弟くんを不慮の事故から救い、翻意させるが、親玉に操られてまた敵になるという話。うーん、勢いだけで突っ走ってる作品という評価をどこかで見たような気がするのだが、個人的にはフツーの物語として楽しんじゃってるな。まぁ新選組が咎人と入れ替わってるとか荒唐無稽だし、だからこそファンタジーなんだから真に受けずにメッセージ性に注力できるというか。史実の入れ込みも、牽強付会のような印象を自分は持てなくて、知ってる人をニヤリとさせる効果しかないんじゃネーノという感じ。
 今回の「人としての強さとは何か」というテーマも、特殊な人が高等な知識だとかなにか解脱した末に辿り着いた境地ってんじゃなくて、フツーの人がやろうと思えばだれでもできる行為なのであって、個人的には地に足の着いたシナリオ程度の認識で割と好意的に受け取っちゃってるんだけど、まぁ構造的には浪花節というか三文芝居でもヘンに奇を衒ったものよりなんか胸にクるものがあったかなぁ。
 結局黒幕は土御門晴雄という、安倍晴明の子孫という幕末の実在の人物なんだけど、Wikipedia見たところそんな札付きの悪党ってわけでもないし、なんかよくわからん感じ。安倍という苗字つながりで、まだ暗殺される前のアベが悪党だという暗示かなんかなのかねぇ。
 しかし楽しみなのは坂本龍馬の扱いだよな。司馬遼太郎のお陰で異様に評価が高いのだけども、政治的にはほとんど寄与しなかった人で、あまり日本のためになることをしなかったという評価をしてる人もいるぐらいなので、敵として登場する可能性が無くもないのだけども、いちおう善玉側の佐久間象山に好意的に評価されてるから敵はないだろーという感じ。まぁ皆さんご存じの通り暗殺されたから、この物語で主人公があわずに終わる可能性もあるんだよな。これだけ持ち上げといてまさか全然登場せずカットの一つもないってことはないとは思うんだけど。