かのかり#21
主人公の誕生日に、彼の争奪戦がメインヒロインと黒髪ショートで起きる話。遅れて登場したメインヒロインの取った行動が、もう鮮やかで自分も「優勝!」と叫んでしまいたいほどだったという。メインヒロインも、主人公のことがアウトオブ眼中なら別に黒髪ショートに譲っても構わないハズなんだけど、あんな手を打ってくるというところからして、主人公のことは最低でもキープ君、そうでなくてもそれ以上の存在に思ってると考えた方がよさそう。一階がコンビニ、二階が自宅で、三階四階を賃貸ってことは、自活の手段があり、しかも不労所得で補助ということは、割と庶民であっても安定したイエなのであって、女優の道がダメな場合でも嫁入りすれば生活は安泰だし、家中のものには大歓迎だから居心地も悪くないワナ。というか、売れない女優とか生活費のためにバイトなんてアタリマエの話であって、うまくいけば女優で名が売れなくても細々と俳優業は続けていけるだけの基盤が、この主人公の実家には備わってるのであって、好き嫌いは抜きにしても彼女にとってみたら主人公は大概優良物件ではあるんだよな。
しかしまぁ主人公も本当にメインヒロイン一筋なら黒髪ショートは早々に切り捨ててもよさそうなもんだけど、メインヒロインを確保できてないもんだから断るに断れず都合よくキープなんだよな。1期では黒髪ショートもメンヘラ設定だったような気もするんだけど、アテ馬ポジションとはいえ一応ヒロインとしての風格は十分というか、まぁ主人公のどこが良くてしがみついてるのかよくわからん感じではあるが、持てるものと持たざるものとの格差があるってのが男女の風景でもあるんで、これはこれである種のリアリティともいうべきかなんというか。
しかし、今回のメインヒロインの初手の会心の一撃のあたり、やっぱり作者わかってやってるんだなという感じ。このまま最後までラブコメ要素で突っ切るのかもと心配だったので、いやいや恋愛といえども誰にしてみても思惑や裏はあるよってのが描けててちょっと引き戻されちゃったよ。