リコリコ#8

 主人公が対立組織からいろいろちょっかいを受ける話。うーん、やっぱシナリオが雑に感じる。あの喫茶店はいちおう秘密組織の出張所なのだから、繁盛して人気が出て、注目を受けるわけにはいかないのでは?。人が来ないから仕事がしやすく、連絡場所にも適してるわけで、だからこそ本体が資金を注入してるんデショってなもんで、ランドマークになったら意味ないでしょと思うのだが。よくわからんねぇ。いくら#1の絵コンテ切って動画制作に入る段階では、#8の脚本のディテールまでできてないってことはあり得るんだけど、シリーズ構成の段階で既にストーリーの大枠は決まってるはずだから、資金難に困って店を繁盛させる展開は既定方針のハズ。シナリオライターの頭の中に、こういう秘密組織の出張所が目立つわけにはいかないってのは知識としてあるはずなので、確信的にこのようなシナリオにしたと考えるしかない。まぁ順当に考えて、企画段階の編集会議で監督なりプロデューサーなり、はたまたシナリオスタッフ自身がこういう展開にしたと考えるしかないんだけど、まぁどうなんだろうね?。少なくとも今までのお話からすると、裏組織としてのリアリティにはほぼこだわらず、アクションと萌えに注力するって方針で作られてると見てよいんだろうなといったところ。実際問題、自分のように誇張するにしてもちょっとこれは無いんじゃね?とシナリオに問題を感じてる層もそこそこいるようなのだけども、萌え豚ブヒブヒな層もそこそこいるようなので、自分があれこれ悩んでるより、それなりに成功を収めてるのかもね…。

エクハ#7

 5人目正式加入の巻。うーん、今回の話、サッカー少女が主人公に贈与されたのをそのまま今回の空手少女に贈与した…という形で、構造的に意味がありはするんだけど、正直内容は三文芝居で何の新奇性もない。とはいえ、なんだろうな、前にも述べたが、これはキャラが救われる、お涙頂戴でハートウォーミングななりをしていながら、実際に描いてるのはディストピア社会なのであって、彼女たちが取り組んでる大会は一回負けたらそれっきりの厳しい仕組みで、まぁどうせストーリーの都合上勝ち続けるのではあるんだろうけど、一度負けたらまたらいねーんの世界なのであって、今回参入した新キャラも下手すると次の試合で仮に負けたらオマエ何しに来たの?という世界。取り組むスポーツは複数あって得手不得手があっても、すべてこなさなくてはならなくて、アイドル活動だって手を抜けない。おそらく勝ち続けて優勝したらそれでアイドルとしての活動の機会をほんの数回与えられるだけなのであって、ただ勝つだけでその勝ち方に観客からブーイングを受けるようではいくらスポーツで優れていてもアイドルとして人気が出るとも思われず、それなりに観客に印象が残る勝ち方をしなければならないような感じではある。要するに、試合を通じて彼女たちはスポーツについてもアイドルとしてもアイデンティティを確立しなければならず、他の大手事務所のアイドルたちが事務所の支援で宣伝も打ってもらい、それなりに知名度があるのに対し、主人公側は人気が出なくて事務所を解雇されたのだから、少ない資金で自己プロデュースも行わなくてはならず、え?、一人何役こなさなきゃならないの?と驚くほどやることが多い。次回水着回だそうだが、注目を浴びるためには水着にならなくてはならないってことだろうしで、もうメタ視点で見たときには、やはり現代社会と相似形であるディストピア社会というのがこれでもかというほど想起される。
 今回も、挫折した少女を救ったという形にはなっているけど、上記の通り過酷な生き残りレースのために、主人公が自分の都合のためにいたいけな中学生を引きずり込んだ…という形になっていて、まぁよくもよかったら練習に付き合わない?に始まって、夜遅くまで練習に付き合わせて、仲間にまでしてしまうのだから、これ、最近話題のカルトにも似た勧誘方法ではあるんだよな。相手の傷をいやして仲間意識を持たせ、いつのまにか逃げられないというか、その場所こそ自分の居場所だと思わせてしまうその方法というか。
 なので、物語を構成してる一つ一つの要素は萌えアニメに典型的な「ちょっといい話」でしかないし、どれもどっかでみたようなものなんだけど、それらを組み合わせてできた全体像を遠くから構造部分だけを眺めてみると、いかにもグロテスクですよーみたいなそういう部分を個人的には評価してるというかなんというか…。