パリピ孔明#5

 孔明がラッパーをスカウトする話。EDでもう溶け込んでたからレギュラーメンバーらしい。しかしあれだけメンタル弱いのに、スカウトの方法が挑発とかなんかシナリオ的に無理があるような気がする。視聴していても個人的にあそこでラッパー君が食い下がる動機が読めなかったというか、強引にそういう展開にしてるのか、それとも今隠してるだけでその動機がちゃんとあるということなのか…。
 Aパートでは全然孔明を登場させずにやきもきさせ、Bパートでまさかのジャージ姿と登場の仕方に工夫があって、それはそれでいいんだけど、ちょっとラッパーとのかけあいが弱い感じ。とはいえ、孔明とラッパー君、もしくはヒロインとのバトルというか、競演が次に回され、どう考えてもそれが本丸なのでじっと我慢の子でいるのが吉。
 しかしなんだな、漢詩は短歌俳句より韻を踏むのが基本フォーマットなので、孔明が韻を踏めるのはむしろ正しい描き方なのだが、その韻も中国語で読んだ時に…であるわけだし、書き下し文で、つまり日本語で読み下したときにもそれなりに考慮は入れてはいるんだろうけど、そのへんちょっと自然につながらないのがもどかしい感じだが、これは仕方ない。

しゃちされたい#4

 ょぅι゛ょ精霊と化け猫が競い合ってトラブル発生の巻。主人公が社畜なのは設定だとして、その主人公が精霊たちに仕事を手伝わせて、子供まで社畜化するのか?と思ったらさすがにそれはなかった。
 ワイシャツを破る話では、洋服屋のおばあちゃんには精霊たちが見えてるのに、おじいちゃんには見えてないようで、特定のキャラしか視認できないのかな…と思ったのだけども、OP・ED担当の石原夏織内田真礼がどの役をやってるんだろ?とWikipediaをうっかり覗いたらやっぱり見える人、見えない人に区別があるらしい。でも商店街を歩いているときは、道行く人に精霊たちが見えているような描写だったから、これいいのか?と思ってしまった。あと、洋服屋が精霊たちを裏手に誘うのだが、そこの庭の描写が広々としていたのがオカシイ。木々が植えてあるのはまあいいとしても、塀の外に隣家の描写が一切ない。まさか札幌の時計台の微妙な角度での撮影技法とか?。
 しかしやっぱり精霊たちは手間のかからない子供のメタファーだよなー。おとこのこ向け萌えアニメのヒロインは男にとって都合の良い女でしかないし、おんなのこ向け萌えアニメのヒーローは女にとって都合の良い男でしかない、となれば、この作品のちびキャラは母親にとって都合の良い子供というワケだ。前にも述べたが、子育てをしていると、とかく子供は自分の思い通りに動いてくれるわけではないので大変なのはわかるんだけども、コロナ禍で保育所や学校が受け入れ拒否状態になって四六時中自分の子供と顔を突き合わせてるとストレスが溜まる…という調査結果や投書を山ほど耳にしたので、現代って病んでるよなーという感じ。
 なので、今回の洋服屋のおばあちゃん、別に子供(や孫)がいるともいないともわからないのではあるんだけど、おそらく子育てをして苦労も喜びも経験しているからこそ、精霊たちの想いに触れ、彼女自身の子育て経験をもとにあれだけの言葉がかけられるという描写になっているんだと思うと、ようやくこの作品の良さが見つけられたという感じ。

ヒロたる#1~4

 田舎娘が都会でアイドルのマネジャー(見習い)をやる話。キービジュ見た限りおおきなおねえさま向けのアニメだと思って、どうせ甘々な話だろーとタカをくくってたら、結構出来が良くてビックリしてる。楽曲がアニメの元ネタらしいが、ヒーラーガールと比べたらもしかしてこっちの方が出来が良いんじゃね?ぐらいの勢い。
 最初女子高生が田舎からわざわざ陸上をやるために東京まで…というのも無理があるな…とか思ってたのだけど、スカウトされないぐらいだがそこそこ実力があるとなれば教員の伝手でというのは、体育教員、基本的に東京の私立大学出が多いのでありえん話ではないし、結局家元を離れるんだったら実家との距離はあんまり障害にならず、東京だと家賃は高いけど高校生ならワンルーム最低限でも構わんだろうし、なにより田舎よりバイト先が豊富なんでこの流れだと無理はない感じ。アイドル事務所にバイト志望というのがファンタジーなんだけど、そこさえ視聴者にクリアさせてしまえば、主人公が採用された理由は、言語化されてないけど結構説得性があるのでその辺よく考えられてる。
 キャラ達の言動にもちゃんとそうするだけの理由があって、視聴者に伝えたいテーマが小エピソードごとに設定されてて、それに対する練り込みはされてるので、単にキャラクター性による人気取りではないんだなという感じ。男アイドルも一見こういう作品にありがちな設定のように見えるんだが、これ、なかなか渋いのが彼らがちゃんと仕事としてアイドルに取り組んでるのがわかるし、それが東京に住んでることによる文化資本の差なんだとハッキリわかるから、見ごたえがある。せっかく張った伏線をすぐ回収してしまうから、説得性はあるんだけど、ちょっと奥深さに物足りないものはあるが、割とシナリオは良い出来だと感じた。
 なんつーか、嫌われヒロインとかもう初期の段階からタイトル詐欺になっちまってるな。もしかして主人公がアイドル差し置いて本人がアイドルデビューしてスターダムに上り詰める展開なのかも…という可能性を考えていたけど、さすがにそれはなさそう。