薔薇王#19

 愛そうとすれば自分や他人を傷つけてしまう話。うーん、こうなるともうどうにもならないんだろうなというのが手に取るような感じ。主人公は自分を見失ってるし、特定の他人にも恨まれてるから、自業自得の面と自分が配慮したところでどうとなるものでもないという面の両方が含まれてるようで、あとは落ちていくところまで堕ちるしかないのかなという。人に優しくすれば、恩に感じるものもいればそれに付け込むものもいるし、人に厳しくすれば、畏怖を与えてマウントをとることもできるが、逆に恨まれることもあって、本当にそれらを人は使いこなすことができるのだろうかとも思う。うまく使いこなせたつもりでも結局それは運でしかなかったということもあるんだろうな…。

モブせか#8

 空賊騒ぎは女同士の確執に主人公が巻き込まれた狂言だったという話。主人公の助言役が、あまりにも主人公が過保護でヒロインの成長の機会を奪ってる…というのは教育的にもその通りではあるんだが、普通男がヒロインを落とすためにはちやほやするのが常套だろうに、めんどくせえなぁとか思っていたのだが、よくよく考えたらこれ、乙女ゲーの世界なのであって、プレーヤーは男ではなく女なのだから、女がヒロインに自己投射させるものだと考えると、あーなるほど、おそらくプレーヤーがヒロイン視点で道を切り開かなくちゃゲームをクリアできないようになっているんだなとわかって、ちょっとこの巧妙さに感嘆した次第。この作品自体は男視点なので、ちょっと幻惑されてしまったよ。
 こうやってリアルとバーチャルの交錯するシナリオ、あーなかなかよくできてるといった感じ。

このヒーラー#7

 ゾンビとネクロマンサーのおっとりおねえさんとお知り合いになる話。まぁよくできたもので、次号予告とOP映像のゲストキャラ紹介で、このおねえさんの妹はゾンビなんだろうなと思うが、これを2話かけてやるのか。まぁギャグはいつも通りで勢いは押さえられているものの、マシンガンギャグ的にネタは連発してくるから退屈してる暇はない。
 まぁ戦士が言い過ぎではあったのだが、牢屋からもう少しで出ることができそうなのに余計なことを言って、女二人が分かりあって見捨てるあたりは、実在の女でも見られるちょっとした恐ろしさが出ててなかなか侮れん感じ。