ヒロたる#8

 運動会で青春を味わうの巻。なんか主人公のパゥワーですべてを押し流してしまった感じ。サブキャラの紹介or掘り下げ回にもなっていて、お祭り感も演出されたし、アイドルを高校に通わせた事務所側の思惑もわかるといったところ。学校なんて通わなくても自分がやりたいことだけやってればよいというあの少年革命家とやらに対するレスに近いものがあるが、なかなか難しいところで、現実でも学校なんて通わなくてもという層が増えてきたことの証左があの動画投稿サイトのアレだろうし、学校がいじめのコントロール力を奪われてる現在、無理して学校に通わせることは必ずしも是ではないということもあってそれがこの回で吹っ飛ばすことができる力があったか?というと、まぁそれはないんじゃね?という感じではある。でも別にこの回がそれに対する積極的なメッセージを持ってるとも思われず、あくまで青春の1ページとしてみた場合はこうあったらいいよねぐらいの重みだとは思う。

骸骨騎士#8

 獣人族の忍者に再会して、彼らの種族の解放にヒロインエルフ共々手を貸すことになる話。奴隷にやけにこだわるなぁと思ってggってみたら、この作品2014年になろう上梓なので、おそらくアベの政権復帰で力を取り戻したくだんのレントシーカーが念頭にあるんだろうなという感じ。まぁそうでなくても、アニメ化に際してこの作品を取り上げたのは、企画がそれを念頭に置いているぐらいはあるのでは…という。
 ただ、これも結局は奴隷を解放してメデタシメデタシなのは、あくまで舞台が前近代を想定しているからで、現代が奴隷を解放してメデタシメデタシとなるか?というと、それも難しい。この世界のエルフや獣人は、解放されたら帰るべきところがあるが、現代の非正規奴隷は一度解放されたとて、帰るべき故郷も喪ってるし、帰属すべき経済共同体もありはしない。ケケ中一人放逐もしくは処分したところで、第二第三のケケ中が現れるだけだし、派遣で甘い汁を吸えるように日本の産業構造が組み上げられてしまってること、それで労働者を消費して、権力ポジションはカネ持ちの持ち回りに仕上げられてしまってること、それらからの賄賂で日本の法体系がどんどん彼らの都合よく変えられていること、それに積極的に協力して間接的というより直接的に日本を破壊してる官僚機構が厳然と存在してること、そうやって日本が上級国民と貧乏人の植民地構造にされていても、とりあえず今享楽的に過ごせれば後のことなんて考えなくてもよいというか、そういう考えすら念頭にない日本愚民が大量にいること。まぁ時代は不可逆的にどんどん悪くなってるんじゃね?と思うが、そこまで踏み込まずにとりあえず善意の統治者を出してきて勧善懲悪とか、まぁ今となっては昔だったらこれでもよかっただろうねというお伽噺の部類ではある。

パリピ孔明#9

 なにやらヒロインが歌でトップを目指す意義に目覚めつつあるらしい話。今回結構面白かったのが、登場キャラは悪者はいなくって、すべてのキャラに瑕疵が与えられて、その欠損状態をヒロインが埋めようとしてスターダムに昇ってるのだなと感じられる点。ライバルユニットが高校生時代にバンドを組み上京しても売れず…というのは、自分がやりたいことをやってるだけで、いくら歌がうまくても聴衆の方を向いていなかったという話で、やってたことは結局オナニーじゃんということになってる。彼女たちを売り出すプロデューサーも、彼らの手腕で売れたのだから売り出し力はあるって話で、それは観客が求めるものを知ってるという話ではある。ただ、それらが組み合わさってよい状態になってるか?と言われたらそれは違っていて、プロデューサーの手法は結局のところ観客の欲望をマネタイズしてるだけであって、アーティストは道具でしかないし、突き詰めればカネだけなんでしょという。プロデューサーのセリフからすると彼自身もなにか思うところはありそうだけども、ただ活動の結果としては音楽はカネに従属してるし、観客もカネに換算してるだけだよね…構造的にはみたいな。
 それでヒロインなのだが、彼女だって歌は上手くなかったという設定だし、クラブでバイトして歌っていてもそれで人気を誇っていたというわけでもなさそうだから、観客のハートをつかんでなかったという話だし、しかも人のまねごとがうまいだけで、音楽を本当に自分のものにしてはいなかったという設定になってた。それが孔明の策略でトントン拍子にいろいろクリアしてしまって、カネを超越した歌と観客を繋ぐ意義に開眼しかけてるという段階。まぁ現実のアイドルなんかも最初は売れたいという欲望ファーストだったんだろうけど、活動を通じて観客との擦り合わせができ、自分の思い込みが修正されて自然淘汰されて生き残ったアイドルが結果的に売れていく…という流れを一足飛びに見せてくれた感じ。

しゃちされたい#8

 OPとEDの担当ペアの本格参戦回。前回主人公が耳にしたあの大きな音は結局なんだったんだ?と思わなくもないが、隣人も精霊が見える体質で、主人公と大差ないお付き合いをしてたという話。なんやろ、主人公側の精霊は子供の記号だけど、このイラレの精霊は主婦の記号だよな。今となっては主人公が女でもターゲット層はおとこという作品が多いのが萌えだったりするのだけども、この場合子育てという面倒ごとを排除した子供だったから、メインのターゲット層は女なんだろうなと思っているので、結局女も欲しいのは主婦だったのか…という驚きよりはちょっと納得する構図。おおきなおねえさんは自分にご奉仕するキャラとしてはハンサム執事あたりを希望することも多いんだけど、ただ、それだと四六時中一緒にいて疲れるんだろうね。同じ女という性別で、自分の世話を甲斐甲斐しくしてくれながらも、気楽にバカ話ができる。まぁ常日頃一緒にいるにはサイコーの存在。
 あと、オモロイと思ったのは、このメイド精霊は、いつもは会社にいる旦那や学校に行ってる子供がこのコロナ禍で四六時中家にいて面倒だなと思ってる主婦の気持ちを代弁してること。原作もコロナ禍でこのエピソードが発表されたのだろうか?。まぁ別にコロナ禍でなくても土日家でごろごろしてる対象の面倒を見るって意味では普遍的なシナリオであるとも思うが…。