ヒーラーガール#8

 きいろが専属メイドを振り回す話。うーん、みんな坊ちゃん好きだねぇという感じ。今後の展開によってはひっくり返るかもしれないが、劣化コピーなんじゃね。お仕えする人に絶対の肯定を与えるという点では一緒なのだが、夏目のほうは坊ちゃんに清がそうするだけの度量があるというのがちゃんと示されているが、こっちのほうはきいろにそういうのが見当たらない。こちらのメイドもピアノが弾けて海外の有名人にその才能を認められるほどなんだから、当然メイドもそこそこ上級国民の娘(ピアノ自体が高いし、子供が独学で技術を習得するのはムリなので)のハズだが、彼女がピアノが夢とまでかつて語っていたらしいことからも、なんで自分のピアノの研鑽に時間を割かずにメイドなんぞをやってるのかがわからん。坊ちゃんのようにお仕えすることの理由が明確ならともかく、きいろにはその度量がないのだから、動機付けなり原因が語られないといかんのじゃね?。
 まぁそれを措くとしても、きいろがメイドが何を思ってるのか突き詰めることもせず、勝手に瞬間湯沸かし器になっていきなり解雇してしまうし、しかも仮免だと大して給料を稼いでるわけでもないから、メイドの雇用者はきいろの親のハズだが勝手に追い出すのもなんだかなぁで、しかもメイドの手紙を勝手に読むのもどーなの?といった感じ。
 メイドのセリフも、おそらくあれはごまかしというか、大半がウソなのだとは思うが、あそこまできいろに尽くそうとする動機が見えないとやっぱりどーなのかなーという感じ。
 しかしよくわからん。この作品が三人娘の成長も描いてるのだとしたら、メイドをわざわざ物語に残留させるメリットがあるとも思えんし、別にきいろが自分の自己実現を目指すだけでなく、他人の自己実現を優先することができるようになりました、それは自分の理解者ポジションにとどまって自分の夢を諦めていた人にも思いをいたすことができるようになりました、その結果メイドは退場しました…でもいいわけじゃないですかぁ?みたいな。むしろメイドが退場して生活面でもきいろは自立しなければなくなってそうなりました…の方が物語的にも美しいワケじゃん?、まぁ音楽面で二人がコラボするようになるという展開が待ってるのかもしれんが、なんかすべてを包含してみんな仲良しの物語にするより、いろんなものを削いでいって三人娘を際立たせた方が良くね?。
 まぁいろんな解釈を考えたのだが、結局のところこのメイドは他にいろんな可能性があるのを検討したうえで、自己決定権を行使した結果メイドをやっているのであって、そういうのをわかってないきいろが自分の勝手な思い込みで暴走してメイドを解雇したものの、状況がいろいろ変化して結局メイドはメイドを続けることができるようになって、メイド自身の自己決定権が保持されました…というだけの話、しかもダメな方の共依存だと思うが、なんか無理やりこじつけ感が強くてなんともご都合主義的な印象から免れなかったかな。