RPG不動産#6
ドラゴンに襲われて住む家を失った大勢の人たちの住居を何とかする話。ヒーラーガールでは主役でこそないけどかなり重要度の高い歌える声優として起用されてる@高垣彩陽を、エンドロールで名前を見た瞬間こんな使い方をするのか…と思ったのだが、直後の歌で評価が真逆に変わってしまうという。
なんかビックリ。視聴直後涙が出て仕方がなかったんだけど、その理由をあれこれ模索してたら、これ、協調の物語になってるんだよな。意識しないと扱ってる事象としてフツーのドタバタコメディの骨格なんだけど、要所要所に仕掛けてるフックが効果的に機能しているようで、そのうちの一つがトカゲ人と魔術師のコンフリクト。魔術師はトカゲ人の言ってることの大枠はわかっているのに、彼の本当の言葉は龍娘の翻訳を通じてしか理解できなかった。実際にトカゲ人が城の地下にある牢を発見したのは運でしかないのだが、でも彼らは共同作業を通じて相互理解に至ったのであり、この過程がトラブルシュートとして象徴的に示されてた。もう一つは吟遊詩人のパートだけども、これも結果的にはデウスエクスマキナで解決したのだけども、龍娘には最初っから同じ歌だと気づいているという仕立てで、結局のところあのノーテンキにしか見えない龍娘には、それ以外のキャラとは見えている風景が違うという示唆になってる。
いつものEDを変更して挿入された「竜の歌」では、
まっしろな昇り竜は、
とストーリー上ではピンク髪の主人公がここまで覚えていて、視聴者に直後の歌詞を伏せておいて、
世界に虹色の雨を降らす
とEDにて答え合わせをするわけだが、これが最後には世の安寧を願う歌として〆になる。
何かトラブルが起こると人間たちはそれをやめさせようとするわけだが、それは結局臭い物に蓋をする行為にすぎず、本当に解決しようとするならば本質を見極め、こんがらがった糸をほぐすように必要なものは補い、不必要なものを取り去る必要があって、それを龍娘を媒介として描写しているのだとわかって涙が止まらない原因はおそらくそれなんだなと思い当たった次第。EDを変更して変則的な構成にしてるんだから、たとえ原作がそう意識していないのだとしてもアニメ化に際してこれは重要なテーマなんだよということを示してるはずだし、まぁフツーに考えて原作もそうなんでしょと思うしかない。
なんか当たり外れの大きい作品なんだという印象。というか取るに足らないと思ったエピソードも、自分が気付いてないだけで、深刻なテーマが織り込まれてるんだろうか?。なかなか侮れん。
盾勇#6
霊亀がついに倒されて、次のステージに移る話。なんのかんのいって亀女は助かると思ってたから、光に包まれて消えるシーンであーそんなんやーとぼんやり眺めてた。しかしなんだな、不思議なんだけど、もうストーリーの行く末が個人的には本当にどーでもいいというか、シナリオに興味がなくなってるというか、ツッコもうと思えばツッコめるところもありはするんだろうけど、実はシナリオに致命的な瑕疵があるとも感じられず、まぁこんなもんなんじゃね?と他人事のように感じてる。緑髪のねーちゃんが超重力に逆らって一人だけ立てているというのも説明不足だと感じてはいるものの、ああしないと話が停滞するもんなーとか妙にわかったふうになって視聴してた。追いかけて行ったのもなんかホントどうでもいい感じ。可もなく不可もないというのが極まるとこのような感覚なんだろうか。
であいもん#6
娘が母親と会う話。今まで父親のことは何度も過去話として取り上げてたのに、母親についてはほぼ一切ないと思うのだが、唐突に自分が引き取りますときて、あっさり委任して帰ってしまうという。昔の物語だと、ここで娘を引き取るために泥仕合をやるってものが多かったし、報道なんかでも母親が強硬に親権を主張してなにがなんでも子供を引き取る例を見てるんで、こんなに淡泊に諦めちゃうの?という肩透かし感が半端なかった。
もちろんシナリオ上は良く組み立てられていて、そもそもが娘は母親ではなく父親を選択したときに母親は拒絶されたのだから、娘の「会いに来てくれてありがとう」で再び心を折られたんだろうな(一緒にいるのがアタリマエと考えているのなら会いに来てくれてありがとうと言うハズがないから)と思うし、別に子供に自己決定権を与えてそれを尊重したという結末にしたかったんだろうから何の問題もない。自分ならここで母親は面倒な子育てをアウトソーシングしたんだろうとでもいうべきシーンなのだが、別に母親がフランスに連れて行っても、あちらで黒人だのアラブ系だの移民の低賃金労働者をシッターに雇うだけの話なんで、そこもツッコみどころではない。母親はデキる女のようなので、預けるなら養育費ぐらいは出すということぐらいは描写されてないだけで言ってると思うし、それを菓子屋のキャラクターが受け取るかどうかはわからないが、それだって描写する必要は全然ない。
個人的には母親が娘を引き取りに来たというシーンは明示してるんだから、母親が自分についてこい(といったかどうかも不明だが)といい、それに対して娘がどう返答したかぐらいのシーンぐらい答え合わせを見せてくれても…と思わなくもないが、別に今回の描写で娘がどういう選択をして…ということも、母親がそれに同意したという結論もわかるのだから十分だし、なにより自分自身今ドキの漫画アニメなどのサブカル作品は説明過多と感じてるぐらいなので、余分なものをそぎ落とした描写は大歓迎ではあるのだ。
でもなんだろ?、理屈ではわかっても、こう腑に落ちるって感じがしないんだよね…。今までこの作品を視聴して引っかかるところがなかったから、なんで今回の話でこんなに違和感があるのか自分でも知りたいぐらい。二度見三度見したんだけどこうだという結論が導けない。