薔薇王#13

 兄王が享楽に耽って宮廷がだらしなくなる話。個人的になかなか面白くなってきた。狂うというほどではないが常軌を逸していく王宮だとか、各キャラがその性格に従って運命を突き進んでいく様子とか、まぁ人間弱っていくから没落していくんじゃなくて、心の有り方がそうだからみたいなものが垣間見えてなるほどシェークスピアが文学のマイルストーンになってるのはこういうことなのかと納得する。もちろん史実と物語は違うのだが、あーこれこれ、現実にも見たことあるわ…みたいな腑に落ちる感じ。
 しかし王族たちが次々と死んでいく様、ちゃんと葬列になってるのが素晴らしい。だからといって人が人を殺す際の暴力性とか、血なまぐささはあんまり感じないんだよな。淡々と己の業の深さに溺れて死んでいくように見える。王族だから特権階級らしき強さでなんとかしていくとかなんとかなっていく…という話ではなく、王族ですら自分の人間としての弱さにあらがえないのだから、庶民ならなおさら…という網羅の仕方が卓越してる感じ。

錆喰い#12

 鉄人を何とかして、メインキャラ二人はまた旅に出てEND。まぁ悪徳知事が鉄人として復活するのならビスコが復活してもお互いさまではあるんだけども、個人的にはやはり死に対する扱いがかっるいなぁというのと、ビスコを喪ったパンダ先生が彼の遺志を継ぐかのような人変わりをしたのはなんだったの?と思うので、ビミョー。
 ただ、死に対する扱いっていったって、作品が終わってしまったから言えるのだけども、結局すべてが何らかの象徴だった…という話に還元されてしまうので、そんなに目くじら立ててもといった感じではある。知事にしてもビスコにしても、死ぬという行為で彼らから何かが剥がれ落ちた…という記号でしかないワケで、ただ、個人的にはそれは死という表現を使わなくても他の方法で十分表現可能なんじゃね?、やっぱり死に対して視聴者が思い浮かべるものや衝撃性を期待してのことなんデショと思うと、もうちょっと何とかならなかったのかと思わなくもない。まぁラノベなんだから安易な手法は許容されてるとは思うんだけどサ。
 というわけで、絵的にはおそらく原作の雰囲気をよく表現してるんだろうし、メッセージ性は力強くてそれなりに評価できるものだと思う。現代社会の病理を露悪的に表現したのだろうし、仕立てからしてこれは最初っからファンタジーなので、こういうのが嫌な読者は早期に退場してるでしょってなもん。ただ、展開は単調だし、思いとか勢いに大分頼ってる気はする。男としての決意の重さだとか自分的にあってる部分はあるし全体的に評価すべき作品ではあり、王ランのようにうまく組み立てられてはいるけど自分には合わんかったというわけでもないんだけど、どうしても手放しで絶賛するほどの作品ではなかったかな、どこかもどかしいところのある作品だったなというイメージ。


ゼブたんキャラシナリオ読了。

 もっとモタモタするのかと思ってたが、案外早めにシナリオ読む気分になれた。結論を言えば、なかなかよかった。ただ、やっぱり違和感は残る。シナリオで想定されてるキャラクターの性格は「おねえさん」であって、絵から受け取る「あどけなさの残る少女」とは相容れてない。CV.もシナリオに合った演技で、そういう意味では演技の方向性は正しいのだけども、このミスマッチをどう判断してよいのか自分でも迷う。

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 最初のシナリオからゼブたんトばしてます。もちろんこの後体を重ねましたという流れが見えるのだけども、別に濡れ場表現はない。
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 2番目のシナリオも全開。でもやっぱり濡れ場表現があるわけではない。
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 3番目、4番目のシナリオではそういう性に積極的な発言はみられない。個人的には4番目のシナリオがよかったかな。で、いよいよ純愛シナリオ。洒落たレストランで二人っきりのディナー。でもゼブたんは酒を飲み足りなくてクラブにgo、ボックス席で発情するという流れ。の少ない差分。エロ絵になってようやく絵とキャラが一致してきたという感じ。
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 さて、純愛シナリオを読了したので、今度は凌辱シナリオ。敵に捕獲させなきゃならないので、その手順を踏む。Caughtのシーンを撮りたかったし、その準備もしてたんだけど、一瞬で流れてしまってキャプチャーできなかった。立ち絵の脱げ表現は他のキャラもそうなのだが、基本立ち絵の差分。全体的な布面積は広めといっても、局部を覆う部分は最小限まで絞られてたから、なんとも思い切りの悪い脱げっぷり。凌辱シーンの絵は差分含め。こちらは首の角度が違う絵に切り替わるのでその違いは大きい。っつーかそんなヒール高い靴履いてたらまともに戦えんでしょと思うんだけども…。
 他のキャラのシナリオ、あんまり数読んでないのだが、純愛と凌辱では、割と片方は当たりだけどもう片方は外れということが多いような気がするのではあるが、ゼブたんは両方とも当たりのような気がする。
 まぁこうまとめるのが正しいのかどうかわからないが、巷で言われてる戦闘狂という評価はその通りなのだが、狂ってるというより、強い相手と戦うことに心躍るという感じでそんなに性格が壊れてるような感じはしない。性に関しても、食欲などと同じような位置づけで腹が減ればモノを喰う感覚と同様にヤリたくなったら体を重ねるというふうに欲の区別をつけてないという風に見える。ただ、理性でそれを表に出すのは社会的に認められにくいということを分かってるから弁えてはいるという感じか。ただ単に体を動かすのが好きというだけでなく、学習能力が高いような印象で、もちろん戦うことが性に合ってるからそういう志向性があるけど、興味の向け方次第でなんでもできるという風に感じた。なるほど一緒にいて楽しいかも…と思われる性格付けだが、彼女的には相手に強さを求めているから、その御眼鏡に適うのはかなり難しいのでは?みたいな妄想をした次第。
 立ち絵だけが浮いていて、その他のキャラの性格付けを表現したシナリオと声優の演技、エロ絵はうまくマッチングしてるといった感じ。絵師から立ち絵が上がってきたときに、おそらくミスマッチだと思いはしたんだろうけど、この絵の破壊力は凄まじいのでそれを覚悟の上でこの立ち絵で通したってところか。自分が担当者だとしても、キャラのイメージと乖離してるからこの絵をかきなおせとはちょっと言いにくいな…。