明日ちゃん#12

 後夜祭の主人公のダンスで、体育祭で何があったのかを表現する話。なんか気が付いたらリピ視聴してしまってて中毒性高いなと思った。画が奮ってるし、音も凝っていて、これ映像化したことでちゃんと付加価値がついてるって感じ。しかしバイオリンのソロなのに、しれっとピアノの伴奏がついててワロタ。まぁ独奏だとしっとりとした雰囲気に変わってしまうので、テンポを刻む楽器を入れないと絵との親和性は無いわな。切り替わりの一部でマジもんのソロをいちおうさらっと流したから、リアリティだとこういうことですよというのを示してあとはひたすら調和を考えた映像づくりってことか。
 しかし、ファンタジーにツッコむのも野暮だが、これだけスーパータレントが全国区から集められて、向学心溢れる生徒が主体性を持ちながら勉学に励むって、かげきしょうじょでも思ったのだが、女子校を舞台にした陸士海兵だよなーと思う。この作品はファンタジーではあるけども、ヅカの音楽学校はガチで陸士海兵テイストが残ってる学校だしなー。
 しかし主人公とゆかいな15人を描き切ったのか。キャラによってシナリオの強弱はあるけど、何部の誰それさんって感じでアイデンティティーを付加するのは象徴的というか、しかもこの段階で、学校の部活動を教員の無償労働に頼るのはもう限界ってことが周知されてきてる段階だからなぁ。何度も言及してアレだが、異世界食堂が洋食というジャンルの終わる時期に集大成として作品という形になっていたのと同じように、学校の中でも古き良き部分ってのがなくなる段階に、やはり集大成としてまとめられるって形になっていて、センチメンタルを通り越して、いくら切望してももはや手の届かないところに行ってしまったノスタルジーになっているのがなんとも。こういう学校に近いところがないわけではないんだけど、そこに入るにはお受験を潜り抜ける必要があるし、そもそもお受験できる環境に生まれつくことが最重要なので、貧乏人が望んでもムリだし、昔のように貧乏でも意識が高く子供に良質の教育を受けさせる親がそれなりにいた時代ならまだしも、貧乏人のほとんどが子供に良質の教育を受けさせる必要を感じてないというか、もう最初っからそういう意識すらない状態となってる現代だと、もう本当にこれはお伽噺の世界になってしまってるのがねー。
 楽しみましたよ、ええ十分に。でもこれ見ていいなーと感動するのはオナニーと変わらんよね今となっては…みたいな。