24区#12

 どうやら民主主義賛歌を歌い上げてEND。アレ?、自分2クールあると思ってたが、これで終わり?。こうやって終わってみたらまぁキレイに終わってるとは思うんでそれは構わないんだが、もうちょっとあの監視管理システムを本格運用していろんな問題を発生させて各キャラが悩む展開が待ってると思ってたので拍子抜け。
 基本的な主張はコレで構わないとは思うんだが、個人的にはこれだと時代遅れだなという感じ。おそらくこの結末は、代議民主制でもなく、もうちょっと直接民主制に近いシステムを組んだ(組みつつある)ということなんだろうけど、今の段階ではアベが民主主義のシステムを悪用して格差を拡大したし、男女平等を主張してたと思ったら実は権力闘争をしてただけのフェミが暴走してるとか、で、大多数の、特に社会に負担をかけるのはおこがましいと考えてるそこそこ多数の慎ましやかな民衆の声が一番この現代日本では無視されてしまっていて、直接民主制のように、個人の声がダイレクトに反映されそうなシステムだと、声の大きい者、恥も外聞もなくトコトン自己利益を主張する連中に有利になってしまいそうで、そういう我儘な連中がオレがオレがと自己主張を戦わせてしまったらまとまる話もまとまらんだろう。やったもん勝ち、とにかく既成事実化して自分の利権を確保するのが有利だとすると、他人を押しのける連中が幅を利かせるのであって、それは間接民主制だとか直接民主制の是非を問うて解決する話ではない。まぁこの作品だと権力層が善人であり、権力にモノを言わせて無茶をするが、間違いをちゃんと認めて振り上げたこぶしを下ろすことができる…という現実には100%ありえない仮定を設定してるから、その範囲だと話し合いを尽くせばそれぞれが全体の利益に対して合理的な判断をできるだろう、多くの人が意見を言えば言うほど問題点やその解決方法が集まり、集合知が蓄積されて社会は良くなっていくのだろうが、例えばモリカケなんて税金の私物化なのであって、アベが「今だけカネだけ自分だけ」なのは明白なのであって、しかも自民盗は基本的人権を日本国民から剥奪すべきと身内の会合で言ってのけてるわけで、わざと格差を広げているような特権階級が己の既得権益を手放す筈がないから、どんどん庶民は追い詰められていくのであり、豪華客船の話でちゃんと悪の存在を提示していながら、社会を改善していくための展望に結局のところ何の説得性も感じなかった。
 前回がそれぞれの階級を代表してる三人が殴り合いながらも意見の一致を見たというのも、あれはコアになる生体脳を提供したあの娘の存在という共通点があったからであり、今の日本はやたら価値観の多様化を称揚して、では同じ日本という国を共通の生活基盤としてともに生活している我々は、何を共通点としてつながりあったらよいのか、それは今までの個人分断化の中で拡散する…というかドンドン消滅していってるわけで、だからといってこの作品が、とりあえずこういうことを共通認識として社会を組みなおしていきましょうという例示をしなくてもよいのだけども、大局的には個人分断化の流れは加速することこそあれ、その逆は現段階では見当たらないから、どうにも主張が上滑りしてるようにみえるんだよね。序盤のお伽噺はともかく、中盤あたりからの現代の社会構造に対する切れ込みはそこそこ評価してたので、最後こんな机上の空論を振り回されても…というのが正直なところ。
 まぁ難しいところやろうね。中盤のシナリオライティングを見たら、脚本こそがこんな結末下らないと思ってるだろうし、いちおう作品のエンディングだから何らかのハッピーエンドにしてなにがしかの希望があるという終わり方にしなきゃならないんだろうし。でもまぁこの物語にはメインキャラに善人だけしか揃えてないんで、そういう構造だったらどうしても話は浅薄にならざるを得んわな。トリアージも微妙だったわな。視聴者に本当にその二択しかないと思わせる努力が足りないし、そもそも最初の列車と幼馴染の両方を主人公の超人的能力で助けるって、いきなりデウスエクスマキナかまして( ゚д゚)ポカーンだったしな…。