かぐ告2 ~#7

 やはり最新話まで一気見。実は1期を一気見して一口寝たら、なんか考えがちょっとばかしスッとまとまってしまって、これ白銀貧乏人だからそれほどストレス無かったのかもとか思いながらも、それでちょっとばかし周辺ggってみた。で、どうも白銀の父親、昔は経営者だったとか書いてあって、先程の理解も浅かったかなといったことに気づく。要するに、これ、白銀は庶民の記号なのではなく、結局の所貧乏貴族なのであって、この話の構造、いわゆる平安王朝絵巻だったんだなといったところ。ただ、残念なことに現実のほうが一歩上回っていて、庶民が貧乏人として生まれてしまうと、もうホント結婚自体が無理ゲーになりつつあるから、恋愛に現実味を帯びることが極小になってしまう。なので、1期、貧乏人でも運が良ければこんなコメディを現実に味わえるかも…というバランスではなく、なるほどキャラたち実家が太いから幼少時から英才教育を施してもらえるしお坊ちゃんお嬢ちゃん学校にも入れる*1し、学業しながらも恋愛にうつつを抜かせる…ということになってる。
 さて、2期だが、1期視聴し終えてちょっと不思議に思ってた。1期は割ときれいに話が終わっており、正直続編は要らないのでは?という気がしてたのだ。そもそもこの作品、ラブコメというよりは夫婦漫才でしかないわけで、もう第1話から関係性が固定してしまってる。なので、まぁ1期のラストあれで話〆るつもりだったんじゃね?とずっと思ってた。
 ところが、2期になって、やはり関係性は変わらないしその分視聴者(読者)を退屈させないよういろいろエスカレートさせてるのはわかったんだが、最初の数話視聴した限りだと、続編としては凡庸な、まぁよくある2期だよねとは思っていたのだが、
 #6視聴してちょっと認識を改めたというか、なんでこの2期やったのかというと、おそらくこの#6を視聴させるためだったんだなということだと思う。ん~、結局この作品も反アベに利用されてしまったか…みたいな。別にアベがアベ仕草で日本を壊滅させていなくても、この話は話単体でよく出来ているとは思うんだけど、今、このタイミングでアニメ化ということを考えたら、たとえ原作にその意図がなくてもアニメ制作側がわざわざこれをもってくる意味はもう明らかでしょといったところ。#7でお遊び回を配置してるから#6が前半のクライマックスだったのは明らかで疑いようがない。
 まぁコントとしてよくできてるし、その辺知らなくても十分楽しめる。かぐやの声当ての演技の振り幅も1期と比べてキレッキレで聞いてて楽しいし、そのへんクォリティ高いのはわかる。実際自分も知らず識らずのうちに大笑いしながら視聴してるわけで、そのへんこういう作品が好きな人には大いにオススメ。
 あと、なんやろ?。最初にそう明言されてたからてっきり恋の駆け引きというお話なのかと思っていたのだが、これ、平安王朝絵巻の現代版とわかってしまったら、かぐやはむしろ上流貴族の娘としてそれしか選択肢がないというのがわかってしまい、逆にああいう生き方しかできないと思うとあはれを誘うものになる。時々挟まれる小ネタの知識からうかがい知ることのできる原作者の教養からしたら、その構造意識してないはずがない。それがわかってしまうと、なるほどかぐやはいわゆる現代的な自立した女という描かれ方をされてないのよく理解できる。なので、他のいろんな作品がむしろ近代的自我をメインに描いているのに対して、この作品徹底的に前近代を描いていて、ちょっとばかり近代的自我をチラ見せしてるという構造になってる。それも念頭に置いて#6の討議の構成を振り返ってみると、これ結構皮肉というかいろいろお遊びが仕込んであって、決してオモテ面が良いだけのちょっといいエピソードになってるわけでもないのがなかなか面白く感じてしまう。

*1:白銀の父親、元は経営者だったからこそ教育の重要さを知ってるし、だからこそ無理して子供二人共お坊ちゃんお嬢ちゃん学校に入れてる