真の仲間#4

 サウナ立て直しの話。温泉回がこういう形になるというのも工夫というか苦労した感じなんだろうか。別にテルマエ・ロマエを挙げるまでもなく中世西欧では公衆浴場もアリはしたんだけど、基本あちらは一般人が湯船に漬かる習慣はないといってよいので、そこで毎日入る日本式の風呂ではなく、時々リフレッシュで入りに行くサウナが商売としてこうやって世界設定に入っているというのはエクスキューズとしては上出来。でもゆくゆくは自宅に風呂を設置するということなのだからそのへんはまぁ。主人公の提案が受け入れられてなんとかなったというのも、まぁそういうことにしないと話としてスッキリしないからというご都合主義なんだろうが、そこはその大成功だとか繁盛したという結末ではなく、客が戻った程度で抑えてるのが謙虚というか。本業を引退して田舎でのんびりした生活も、本当にのんびりしてしまったら話として動きがないから退屈になってしまうので、こういうのも仕方がないとは思う。
 しかし、ホント夢のような世界だな。個人的にこの作品は麻薬。男のドリーム全開って感じではあるが、これ女の読者っているんだろうか?。ロマンスを主軸としながらもジェンダー平等を意識してると思われるので、そのへん居てもおかしくないとは思うのだが、主人公のほうは華やかな世界から弾かれたのであり、ヒロインのほうは自分で元居た華やかな世界を捨てたという非対称構造なので、今ドキの流行もそうだし女が社会的立場より男を選ぶというのはフェミと性向とは真っ向から反する*1から、居ても女からの支持は少なそうだと思われるのだが。
 うーん、ミードの意味はそうだと思ってはいたんだけど、ヒキで言語化しちゃいましたか…といった感じ。この段階であれだけヒロインに言わせておいて、それでちゃんと形にしないのは物語上の都合だと思うが、正直あそこまでいってたらもう確実にどちらかが夜襲ってるだろとしか思えない。フツーのラブコメは関係性構築の過程が物語の大半で、二人が合意に至るのが物語上のミッション達成となっているものが多いが、別に最初の段階でほぼ合意形成が済んでしまっており、その後ダラダラ物語が続くってのも、前回も言った通り最近ではトニカワの成功例でほぼ確立してしまってるので、基本線はやはり変わらなさそう。

暗殺貴族#4

 金髪ツインテを助手として入手する話。回復術士を視聴してなかったらコレでもよかったんだけど、個人的にはモタモタしてると感じた。前回の魔法使いもそういう感じだったからOP映像にいる三人目黒髪ロングもまるまる一話かけて関係性の構築をやるんだろう。やはり物語として勇者退治までやってほしいと思うから、回復術士見てると仲間を集めてちょっとした大仕事をやりはするが、それがクライマックスで物語全体としてのミッションは全然進行しないという顛末だったので、これもそうなんだろうと思ってしまう。途中までで終わるにしてもそこで、アニメ版としての結論なりテーマが大きく示されるのだったらよいが、主人公の抱えてる問題は基本途中で放り投げるだろうし、例えば今回金髪ロングに示した厚情が、彼女が絶対的な信頼を寄せる根拠になりはしても、一つのエピソードになにか伏線というかなにか仕込みがなされ、それが後々のエピソードに大きく影響するということもないんだろうなと思うので、そういう有機的な構成をしないんだったら、いわゆるストーリー展開の妙を見たいといったところ。
 なんか正直もったいぶって回りくどいなと思ってしまうのだが、前回今回とおそらくほぼ教育について述べられていて、そもそも技術や知識の伝達とは、利害関係のあるもの同士で行われるものであって、本人の主体性や能力努力に大きく依存するってことを言いたいんだろうなと思うのだが、これ、まんま現代教育に対する批判だよな。公教育なんてものは国家と国民の間にある利害関係が今ではかなり希薄になっているにもかかわらず、教育を受ける側にはほぼ主体性もなく受動的で、例えば自分が目標なり目的をもって主体的に知識の習得や努力をし、学校はそれらの実現のための道具として使うのならまだしも、すべて学校にお任せで文句があれば容赦なく非難するという状況。それで学校が頼りないとなれば塾にやるということになるわけだが、構造として学校教育とほぼ変わるところがないから、結局知識の習得効率が多少改善するだけであって基本あまり変わることがない。学校に個性重視を押し付けていても、児童生徒に主体的に努力する習慣がないし、教える側にも余裕も裁量も持たせてもらってないからお題目だけ。唯一それができるのが家庭教育であって、まぁイチローだとか福原愛だとかみてればそれは明らかなんだけど、まぁなんというかねぇ。主人公が親に目も手間もかけられて暗殺者として成長していく様子とかまんまそれだよねって感じ。教育とか本来カネも時間も手間もかかるのであって、それは普通自前で行うべきものであって、さすがに本作品で語られてるわけではないが、それが無償で提供されている公教育というのは存在しているだけでありがたいものなのだが、結局受益者が我儘放題やって学校が崩壊してしまったよね…みたいな。

*1:フェミの願望は社会的にも男にもちやほやされたいだけなので一見両方とも実現しているように見えはするのだが