リアデイル#7

 微服の今度はお姫様と一緒に過ごすの巻。しかも相手の姫は将を射んとする者はまず馬を射よだったという。
 こっちの方は今度は主人公とは別のシーンでプレーヤー同士が相まみえるという形になっていてこれがよくわからん。というのも、主人公はまずゲーム世界にいたものの、転生前の肉体は死んでいるという設定だが、今回のプレーヤー二人がどういう設定なのかわかんないところ。ぼんやり眺めているとこの二人は現実社会では死んでないように見えるのだが、そうだとすると、ゲーム世界にとんで実際ゲーム世界で生きている精神と、現世に残っているプレーヤーの肉体に宿ってる精神はどういう関係なのという話になる。まぁSAOのようにリアルの肉体は昏睡状態ということも考えられるわけでそのへんもよくわからん。
 ただ、これがわしかわいいと違うように見えるのは主人公自体が現世とのつながりがスッパリと切れていてこのゲーム世界で生きていくしかないこと、まぁそういうことで、いかにもゲームをプレイするのではなくて、今まで述べてきたように、もう後がないからこの世界で精いっぱい生きていくしかないし、実際そういう描写になっているんだろうなということ。
 で、なんというか、今回の二人が、「仮に」まだ生きている肉体が現世のほうにあって、それでもゲーム世界にしか意識がないということであれば、これはもしかするとネット世界とリアル世界が交錯するその境界というかそういう状態、つまり今流行のメタヴァースの進化した姿みたいなものを描いているのかなとぼんやり考えていた。
 昔だったらネットはネットとして独立していて、そこで交わされる情報は一般的なものは趣味だとかそういうものもありながら、メインはやはり通信産業に関わることであって、そこで取引される商材も、PCや通信関係のものが多かった。パソコン通信の時代にはネットをやってる人はコンピュータに詳しい人だけ…みたいな感じだったのだが、通信端末の普及によって、別にPCに詳しくなくても世界の大多数の人がネットにアクセスしているし、そこで扱われる商材も、もうコンピュータや通信機器だけのものではなく、ありとあらゆるものが取引されてる。しかもこのコロナ禍で、対面取引ではなくて、買い物をほぼネットで過ごす人も増えてきているようで、まぁ宅配だとか実際の生産はヴァーチャルなものでは済まされないのだとしても、基本ネットを通じてなにかアクションを起こすその先は別に実在している対象でなくてもよくはなっている。今ではリモートでテレビ会議なんてできているんだけど、PCの画面を通じて見ている相手は、実在していてもいいし、高度なCGとAIの組み合わせで作られた人間のようなものであっても構わない。ましてや「順列都市」のように人の意識を電子情報化してネット空間で存在できるとなれば、ネット上で繋がっている相手が実在していてもいなくても構わないワケで、そこに区別をつける必要はなくなってくる。
 まぁこの作品のシナリオ自体も、やはりほかのラノベ系統のものとかわりはなくて、でもそのエピソード自体に主眼があるのではなくて、来るべき新しい社会構造の変化について述べられているのだとしたら…と考えると、ちょっといろいろ考えさせられるものがあったというか。

オリエント#7

 武器選びの話。主人公の赤髪、OP動画でも最初っから持っている鎌というか鶴嘴というか、アレが彼のオリジナリティだと思っていたから、今回武器選びをするってあって、ちょっと意外には感じてた。しかも金髪の持っていた刀も思い出の品だったから、あれも持ち替えるのかと思っていたら、本当に新装備ゲットみたいな流れだったので、その流れに沿うのだったらと推移を見守っていたら赤髪の方は拒否されていたからやっぱりみたいな。
 しかし一旦切れ込んだ話を見てしまったら、ちょっとばかし見る態度が変わったというか、メイン三人もフツーの物語だったらあんまり被せたりしない、メンヘラ要素を全員に持ってきているからなかなか侮れんなという。まぁ一般的に、主人公がコンプレックスを抱えていて、それを乗り越えさせるという形はよく見るわけだが、そこをもうちょっと踏み込んで、コメディタッチを使いながらも、なにかちょっと主人公たちがズレてることを表現してるのはなかなかにして剣呑。なんつーか、がんばれロボコンのように、良いことをしていると見せかけて実はダメでした…とか、遠回りをしてモタモタしてるなと思わせて実はそれが正解でしたとか、いろいろミスリードなんかを織り交ぜるそういうスタイルだと思えば、キャラの示すいかにもな行動がむしろ視聴者に対して警戒アラートですよと知らせる機能があるのかもと思ってみたり。

ハコヅメ#7

 尾行捜査と取り調べ。ちょっとしたコメディのように見えながら、今までとはちょっと違って踏み込んでるのかなという印象。取り調べで世間話ばかりというのも、あれは手法なんだよと自分はわかっているから新人ボブのもどかしさも、物語上のそういう役割なんだとわかるし、まぁ大抵の視聴者も、このまま取り調べ失敗で話が終わるはずないでしょと予想ぐらいはする筈なので、ある意味予定調和と言えなくもないという。さすがに最後にポロっとというのは物語上の都合だけど、ヤクの売人との関係が強固なわけで、そこで北風と太陽ではないが、売人をけなせばけなすほど取調官との関係が壊れていくわけで、まぁ拘留して売人との関係が物理的に切れてる最中に、いかに取調官とのつながりを太くするか…というだけの話であって、自分が高校生だった時代ならいざ知らず、もうカウンセリングの手法が結構確立した今となっては割と多くの人が知ってるやり方なんじゃネェのとは思う。