現国アニメ#15

 戦後処理とその後の交渉をじっくりとの巻。うーん、説明過多。こういう場ではあんまり内情を明らかにしないでお互いの腹を探り合うのが現実の外交だと思うんだけど、お互い手の内を明かしてこんなにわかりやすく視聴者に説明するのは丁寧過ぎる。とはいえ、じっくり間を取って迫真の外交シーンを描写しても、物語上のミッションはそこにはないわけで、そういうところでもたもたしても仕方がないのはわかるといえばわかるという。しかしよくわからんのは武力による国境変更は認めないって条約は加盟国同士で通用する話であって、主人公の国は非加盟だったのだから、その内容を押し付けられる道理はないし、もしそれを有効とすると主張するのなら、主人公の国に攻めてきたときに帝国はそれを抑制する義務があるはずなので、今回のように帝国にその意図が最初っからないにしても、「我が国が攻められたのは裏で帝国が糸を引いていたのでは」と吹っ掛けることが有効になる。でもまぁうまくエクスキューズしてるのはあの金髪ポニテ将軍が早い段階から主人公に個人的に接触してるし、予定調和といえばそんな感じかな。撃退して領土を併合してしまったら帝国と同盟という話にはならんし、かつての普仏戦争アルザスロイトリンゲンを併合するな緩衝国にしろといったビスマルクの立場に立つのが賢いやり方ではあるので、やっぱあの妹ちゃんを元首に据えて、実質中立化させるのが落としどころという気はするが、まぁそのへんは展開を待つとしか。
 しかし、王国再建記という点ではもうミッション達成ではという気もするが、個人的には魔族との対決もしくはなんらかの解決を見たいとは思っているから、今期でそこまで踏み込んでくれそうなのはちょっと期待していいのかなといったところ。

失格紋#1・2

 異世界転生ではなく輪廻転生だった。#2まで視聴した限り、俺TUEEE展開の域を出ないので、結局のところ「俺の考えた最強の…」という構造が実に退屈なのだが、さすがにこれが本題ではないと思うので推移を待つのが吉。とはいえ、この段階でのテーマはおそらく教育問題なんだろうなという気がしてる。より実用的な魔法が廃れてしまった…というくだりは、自民盗政府による愚民化政策のことだろうし、主人公がプラグマティックに行っている技術の伝承は本来の教育の有り方ではある。
 主人公のもつ紋が差別対象になってるのに、普通のドラマだったらその辺をいじくってやれルサンチマンの物語にしてしまうのが、もうトントン拍子に出世街道を歩いてしまってるから、まぁ途中でもたつきはするんだろうけど、よくあるアゲアゲ基調の物語なんだろうなとは思ってる。ラブコメ要素も苦笑レベルではあるのだが、まぁ作品の主張もしくはテーマをいろいろ探りながら視聴していくつもり。

着せ恋#1・2

 雛人形作りを志す主人公がギャルに触発されてコスプレ衣装をつくって、おそらくイチャイチャする話。なんかいろいろ可能性の低いところを綱渡りしてるみたいだけども、個人的には今期エンタメとして一番おもしろそうだという予感を抱いた作品。もうなんかお色気描写に目が釘付けで、#1ではチラッチラッとヒロインの尻肉を見せてたと思ったら、クライマックスではバーンと御開帳だったし、#2では下着姿をねっちり描写。しかも着替え描写の枚数ときたら…。股下の寸法を測るところでも、自分は自転車のサドル高を決めるときに、柱を背に股に本を挟んで測定するからそれを想定していて、まさかメジャーで直接測らんだろ~と思っていたから、そのシーンでヒロインに何かスイッチが入ったことも含めて大変驚きました…。
 しかし岩槻が舞台なのな。実は最近知ったのだが雛人形で有名な地らしくて、物心つかない幼女が罵倒するのはまぁそんなものかとも思うが、それなりに認知度や評価は高いのではとは思った。まぁ客寄せ要素の過激さを置いといても、最近のイシューをそれなりに込めてこのコメディのバランスはちょっと自分も前のめりになって視聴してしまったので今後も期待。

明日ちゃん#1・2

 割と王道的な学園ものっぽい。しかも高校生でなく女子限定の中学生。内容は学園生活を生き生きと描写ってところだが、やはり教育問題が念頭にあるように感じた。制服を個人で裁縫するというのにも度肝を抜かれたのだが、自分の経験だとだいたい学校指定の店で出来合いだかセミオーダーで作って、検査するときは購入店で縫い付けられてるタグを確認するとかだったような気がするので、これぞ本来の伝統校なんだろうなと感じた次第。その学校に入ることがステータスだから、制服を着崩すとかそのステータスを否定することになるから大抵の生徒は大切に制服を着るし、そういう生徒が集まってるから規定をクリアしてれば制服が手作りでも問題視しないわけだよ。
 学校に行くこと自体が喜びであるとか、まぁ今でもないわけではないんだけど、そういうのはもう上流も上流で、動物園化した学校だと想像もつかないし、そのへんどうなんだろと思わなくもない。というのも、その動物園化した学校に行ってる層がこの作品に共感できるの?という問題があるから。そうでなければ、この作品は割とターゲット層広めで、上は100歳超えてても十分共感できるというか、その世代にこそピッタリ合う感覚なのではなかろうかとすら思う。
 アルプスっぽい背景で、関西からも東京からも入学者がいるところはおそらく舞台は長野当たりっぽい。1クラス16人でしかも今ドキ女子校とか、もう現実味のあるなし関係なしにこういう学校に通えるだけで勝ち組だよね…みたいな。こういう設定だけでも、もう本来学校はこうあるべき見たいなものが見え隠れして、主人公ではないけど、この段階でおなかいっぱいみたいなところはある。
 そういやED映像、みんなセーラー服だったけど、学園長の時代のことなのか、母親の時代のことなのか。どっちにしても、この作品の示したいものがあるべき学校というものだとしても、それはこれからの学校とはという立場ではなく、ノスタルジー要素の方が強いと考えるのが妥当だと思うが…。