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 敵と主人公との一騎打ち?の巻。おそらく途中の支援火力は共和国のねーちゃんっぽい。エンドロールでもクレジットされてたし。しかしなんだな、ファンタジー直球だよな。味方を一枚ずつはがして舞台を整えるとか、ラスボス戦とか、ピンチの時のお助けだとか。今回の敵も列車砲なんて称さずに、陸上戦艦とでも言っとけばよかったのよ。
 ウォージャンキーが今期のメインテーマだから、まぁブラックホークダウンが念頭にあるのは間違いないと思うが、それにしたって軍隊というのは巨大な官僚組織なのであって、やっぱこの流れは違和感マシマシ。現代戦では前線の兵士の状況判断が重要視されるようになってるのは、それこそBHDでも描かれていたことなのではあるが、基本は作戦計画を立てそれに従って行動することになるし、状況が開始された後は作戦の遂行が困難となればフツーは作戦を中止して退却することになる。で、前線の状況判断によって臨機応変に作戦を変更するなり、まぁこの場合続行してるわけなのだが、それにしたって、いちおうは司令官の許可が必要なのであって、それはBHDでも前線から作戦の変更を直接司令官に打診し、それを司令官が判断してオッケーなり退却の指示をしてる描写がちゃんとある。この列車砲撃破作戦においても、一度列車砲を仕留め損ね、追撃する段階まではちゃんとそれをやってるわけで、今回の話で厳密に描写するなら、同僚が一枚ずつ剥がれていくその都度司令部に打診すべきで、まぁ通信が途絶しているというエクスキューズはあるのだが、戦力がどんどん削られて成功がその都度ガクンと落ち続けてそれでツッコむというのはちょっと軍隊としてはあり得ない話。とはいえ、どうせ通信が途絶していなくても、司令部には問題ないと言って本人たちがツッコむという展開以外は考えられないし、司令部だって可能性が激減してるのを分かった上で突撃を許すという展開しかないだろう。
 うだうだ書いてしまって申し訳ないが、しかし、1クールの時は共和国の、メインキャラに対する扱いがあまりに酷いというのを描きながらも、ちゃんと組織としての軍隊のあり様も描いていたわけで、それが連邦という、共和国よりよっぽどキャラに対する扱いも良くなり、物量としても規律としても共和国よりよっぽど余裕があるという描き方をしていながら、システムとしては共和国よりよっぽど軍隊としてのあり様が稚拙なのはなんなの?といったところ。
 なんつーかね、旧軍の、特攻隊に志願するまで圧力をかけ続けそれで死地に赴かせる…というのと、部下がどうしても志願するからというのを言い訳に、実現性がほぼ皆無の作戦に赴かせるというか、止めもしないというのとどれほど違いがあるのかという話なのであって、成功すりゃ結果オーライ、失敗してもあいつらか勝手にやったこととか、現代日本に未だ残っている宿痾なのであって、なんでこういうのでカタルシスを演出してまるで美談かのようにしてしまうのか?ということ。
 というわけで、今回マスコットキャラのインナーワールド描写も本当ならちょっとぐらいは涙してもよさそうなものなのだが、自分でも不思議なくらい白けてた。こう、頭ではクソ展開と分かっていながらもなぜか泣いてるとかそういうレベルでもなく、本当に呆れてた。連邦はヒューマニズムを口にしていながら、その実共和国より組織としての軍隊は全然ダメダメでした…というのを描いてるわけでもないんデショ。主人公のいる勢力とは対立してるからジオン公国は悪者なのかと思いきや、主人公側の連邦も負けず劣らず悪者でしたというガ〇ダムとも印象は全然違うもんねぇ。
 次回、サブタイから考えるともう一拍待たねばならないのかもしれないが、共和国のねーちゃんと再会する兆しが見えたので、やはりそこからが本番なのかな…といったところ。