86#17

 長距離列車砲を叩く決死隊に選ばれる話。あと共和国首都は陥落した模様。バカの妹ちゃんの手紙を持ってくる方も持ってくる方で、軍事郵便がなぜ私信を監視対象にしてるのかよくわかってないのかなとか、まぁ連邦が民主主義国家らしい描写ではあるのでアレもわざとなんだろうかという気がしないでもないのだが、検査した人間もアレを見ても渡す行動に関わったということからも士気はダダ下がりするから、本当はリアリティ無いとは思う。
 いろいろ溜めの段階なのだと思うが、まぁ自業自得の面が大きいのは大きいので、そのへんなんか意図的というかミスリードみたいなものはある。例えば先の大戦での合衆国軍は、部隊を大きく三つに分け、一つは前線に、もう一つは訓練に、もう一つは休暇というふうにローテーションを組んでたわけで、そういうのが当たり前の世界で休暇返上で前線に貼りつき、それで戦果を挙げ続け、しかも自分たちが志願してやってた…ということであれば、そりゃ周囲の部隊からは化け物と思われて当然というか、そこまでいかなくても、自分たちと同類ではないと思われるわけで、しかも大変そうなという色を顔にも出さないとなれば、何イキってやがるみたいな存在になってるハズ。周囲の環境の変化に気づかないというか無頓着で、自分たちの行動こそが彼らが忌避される原因になっているのだが、それで心が折れるとかもうね。まぁよくわからんが、ここまで来たら生に執着する方向性の視聴者はドン引きだろうし、そうではなくメインキャラ悲壮感の中絢爛舞踏をキメる姿カッケーと自分自身を投射しがちな軍国少年寄りのミリオタあたりにはガツンとその思い上がりをへし折るって意図でもあったのかねと思わなくもない。少なくとも1クール目で被差別階級で自分でもどうしようもない境遇に視聴者には同情される立場に立っていたのを、2クール目では自己決定権をもっているのに自らどうしようもない境遇に飛び込んでしまう気の毒な存在という立ち位置に立っているのはまぁあんまり誤読してないとは思うのだがそのへんどうか。

ジャヒー#14

 魔法少女と対決して調伏、家に招かれ魔王を発見するところまで。魔法少女は典型的なやりがい搾取されてるといったところだが搾取の主体がイマイチはっきりしない。猫を助けようとして語り掛けられたら力がということなので、自分が覚醒して力を得たというワケではないから、なんらかの宗教の勧誘を受けたということをあのように具体性をボやかしてるんだろうなという想定。魔法少女の家に魔王がというのもよくわからん話で魔石を集めていた部屋に既にいたということで、魔石の量ならなぜゴスロリのところに顕現しなかったのかとの整合性が取りにくい。魔石の量なら、魔法少女は集めれば集めるだけ不幸が増すから魔石収集もはかどらなくなるはず。ゴスロリのほうが商売がうまくてカネ儲け出来てるからそこに行くのが腹を満たすのに適切だがそうでもない。魔王を滅ぼしたところにカギがありそうだがあまりそのへん理屈はまだよくわからん。
 魔法少女の家は古いんだけど、都市部で土地持ちであること、ピザの宅配は最低でも2000円からだしあの大きさと具からすると3000とか4000円ぐらいしてもおかしくない。しかも寿司の出前までとってるから、まぁまぁ裕福な部類と思うしかない。あの魔王、主人公のところへ行くのを嫌がってたから貧困生活をしてるのを分かってるようだしなかなか侮れないが、やはり謎が多い。魔王が無駄飯喰らいというのは明らかだが、コムケイ騒動を見てしまうと、もう皇族のメタファーにしか見えなくなってしまうのどうにかしてほしい。ただED映像だと懐の深そうにも見えるので、魔王にしてるからにはそれなりにふさわしいものを与えているのか、それともとことんポンコツに仕立てているのかは作者の胸先三寸なので登場時から見切るのはムリ。
 やっぱ前回で、ジャヒーが貧困生活をして彼女自身が変化しているという見立てはそうそう外れてもなかったかなという感じ。そうでもなければ魔法少女に仲間になれというはずがない。魔王を見つけることができたのは、彼女の成長のご褒美という形にはなっているのだが、でも結局は負担にしかなってないのがこの作品の独自性といってよいのかな。カネのなーい奴ぁ俺んとこに来い、俺もなーいけどしーん配すんな。